排尿痛 :トップ    
監修: 力石辰也 聖マリアンナ医科大学
原 智 川崎市立川崎病院 泌尿器科

概要

疾患のポイント:
  1. 排尿に関連して起こる痛みを排尿痛という。下部尿路の炎症性疾患に特有の症状であり、頻尿など、ほかの排尿症状を合併することが多い。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 腎盂腎炎、急性前立腺炎、複雑性腎盂腎炎を疑う場合、尿閉を伴うようであれば泌尿器科にコンサルトする。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 膿尿、細菌尿を伴う場合は尿路感染症として培養提出のうえ、適切な抗菌薬投与を行う。
 
診断へのアプローチ:(身体診察: >詳細情報 ・鑑別疾患: 鑑別疾患 ・排尿痛の診断の進め方:アルゴリズム
  1. 排尿と疼痛を感じる時間的関係によって、初期排尿痛、終末時排尿痛、全排尿痛の3つに大きく分類される。初期排尿痛は、排尿開始当初に強い痛みを感じるもので尿道炎に多い。終末時排尿痛は、排尿終末時に増強する疼痛で、膀胱頚部から後部尿道にかけて炎症が存在する場合に認められ、急性膀胱炎、急性前立腺炎に多い。全排尿痛は、排尿の全経過にわたって有痛性の場合をいう。尿道炎に伴うことが多い。
  1. 女性の場合、最も頻度が高いのは膀胱炎で、残尿感、頻尿、時には肉眼的血尿を伴うこともある。
  1. 男性の場合、尿道炎や前立腺炎が多い。特に性活動の高い男性では、淋菌やクラミジア感染を疑い、尿道分泌物の有無、性交渉の有無、症状発現までの期間などを問診する。
  1. 尿検査は必須である。可能であれば定性検査だけでなく、尿沈渣を行い、血尿や膿尿の有無を確認することが重要である。膿尿や血膿尿では、尿路感染を第一に疑う。血尿単独であれば尿路悪性腫瘍や尿路結石を疑う。
  1. 膿尿または血膿尿を認めたら、尿培養を行う。一般培養(グラム染色、菌同定)を行うが、無菌性膿尿の場合には尿路結核を疑い、抗酸菌培養、結核菌PCRも提出する。
  1. 淋菌性尿道炎、クラミジア尿道炎の検出にはPCR法が有用である。
  1. 血尿を伴い、反復する膀胱炎では尿路上皮癌を疑い、尿細胞診、腹部超音波を施行する。
  1. 頻度の高い疾患: >詳細情報 
  1. 急性膀胱炎、尿道炎(…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

重要な問診例
  1. 症状の経過や誘因の有無、随伴症状の有無により主たる病変の検討をつける。
○ 女性では急性膀胱炎、若年男性では性行為感染症を念頭におく。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

排尿痛の診断の進め方
淋菌性尿道炎とクラミジア性尿道炎の比較
尿道炎の診断・治療
急性前立腺炎の抗菌化学療法
著者校正/監修レビュー済
2018/04/05

改訂のポイント:
  1. 日本性感染症学会:性感染症 診断・治療ガイドライン2016.日本性感染症学会誌
  1. 一般社団法人日本感染症学会,公益社団法人日本化学療法学会 JAID/JSC 感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 尿路感染症・男性性器感染症ワーキンググループ:JAID/JSC 感染症治療ガイド2015―尿路感染症・男性性器感染症―.
に基づき改訂。