今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 城田祥吾1) 神戸市立医療センター中央市民病院 総合内科

著者: 黒田浩一2) 神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科

監修: 山中克郎 諏訪中央病院 総合診療科

著者校正/監修レビュー済:2022/09/28
参考ガイドライン:
  1. 睡眠呼吸障害研究会編:成人の睡眠時無呼吸症候群 診断と治療のためのガイドライン、メディカルレビュー社, 2005
  1. 榊原博樹編:睡眠時無呼吸症候群診療ハンドブック. 医学書院, 2010.
  1. 日本睡眠学会認定委員会:睡眠障害診療ガイド. 文光堂, 2011.
  1. Epstein LJ, Kristo D, Strollo PJ Jr, Friedman N, Malhotra A, Patil SP, Ramar K, Rogers R, Schwab RJ, Weaver EM, Weinstein MD; Adult Obstructive Sleep Apnea Task Force of the American Academy of Sleep Medicine. Clinical guideline for the evaluation, management and long-term care of obstructive sleep apnea in adults. J Clin Sleep Med 2009;5:263-276. PMID: 19960649
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューとレイアウトの変更を行った。概要、問診内容や身体所見の一部を削除、追記した。

概要・推奨   

  1. 日中の眠気は、文字通り、日中の眠気を訴えることである。英語ではExcessive daytime sleepiness(EDS)と記載され、「日中過眠」「日中の過度な眠気」と訳される。
  1. 日中の眠気を訴える患者に対して、問診と身体所見・既往歴、薬歴から鑑別を進めることが重要である。
  1. 「日中の眠気」に対する鑑別疾患は多岐にわたる。多くの場合、睡眠不足(病気ではない)、睡眠障害、精神疾患、身体疾患、薬剤性、の5つのカテゴリーに含まれる。(:鑑別疾患表を参照)
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概要 

定義・疫学情報・病因  
  1. 日中の眠気は、文字通り、日中の眠気を訴えることである。英語ではExcessive daytime sleepiness(EDS)と記載され、「日中過眠」「日中の過度な眠気」と訳される。EDSの定義は、「少なくとも3カ月以上に渡り、ほとんど毎日、気付かないうちに、もしくは不適切なタイミングで、睡眠をとってしまい、日中の活動時間帯に覚醒を保つことができない状態」である[1]
  1. わが国で行われた調査で、一般人口の15%が日中に眠気の問題を抱えていると報告された[2]。別の調査では、運転中など眠ってはいけないときに眠ってしまう重度の日中の眠気の問題をもつ人は、一般人口の2.5%と報告された[3]
  1. 日中の眠気といびきの症状がある勤労者は、職場の事故が多いことが示されている[4]。また、日中の眠気を起こす代表的な疾患である閉塞型睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)は、集中力の低下により、自動車事故のリスクファクターであるとされている[5]。OSASは、一般人口対象の報告で、職場での集中力を低下させ、作業効率の低下を起こすとされる[6]
  1. 脳内の覚醒維持機構に何らかの異常があるために生じる一次性過眠症と、何らかの睡眠障害によって発生した睡眠不足の結果として日中の過眠を来す二次性過眠症がある。
  1. 日中の眠気を来す疾患は多岐にわたるが、最も頻度が高いものは閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)である。わが国では、日中の眠気などの症状を有するOSAS患者が約200万人という調査結果がある[7]。自覚症状の有無を問わず無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以上に達する睡眠呼吸障害(sleep disordered breathing:SDB)の有病率は、米国(30~60歳を対象)からの報告で、男性24%、女性9%とされ、日中の眠気などの自覚症状を認める睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、男性4%、女性2%とされた[8]。韓国(40~69歳を対象)[9]やスペイン(30~70歳を対象)[10]からも、同程度のSDB・SASの有病率が報告され、ありふれた疾患(common disease)と考えられている。
  1. 一次性過眠症のナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症、二次性過眠症のOAS(閉塞型、中枢型、混合型)、睡眠不足症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害(periodic limb movement disorder:PLMD)、概日リズム睡眠障害、うつ病などの気分障害、薬剤性、身体疾患(せん妄、その他意識障害を来す疾患)などが鑑別疾患となる。
 

鑑別疾患表 

 
睡眠関連呼吸障害群
  1. 閉塞型睡眠時無呼吸症候群(最多)
  1. 中枢型睡眠時無呼吸症候群
  1. 混合型睡眠時無呼吸症候群
中枢性過眠症群
  1. ナルコレプシー
  1. 反復性過眠症(Kleine-Levin 症候群など)
  1. 特発性過眠症
  1. 睡眠不足症候群
睡眠関連運動障害群
  1. むずむず脚症候群
  1. 遺伝的素因
  1. 二次性:鉄欠乏性貧血、透析、妊娠など
  1. 周期性四肢運動障害
概日リズム性睡眠障害群
  1. 概日リズム睡眠障害
  1. 睡眠相後退症候群
  1. 非24時間睡眠覚醒症候群
  1. 交代勤務睡眠障害
精神疾患に伴う睡眠障害
  1. 気分障害(うつ病など)
  1. 統合失調症
  1. 身体表現性障害
身体疾患による睡眠障害
  1. パーキンソン病
  1. 脳腫瘍
  1. 中枢神経系の感染症
  1. てんかん
  1. 頭部外傷
  1. 甲状腺機能低下症
  1. 肝性脳症
  1. 副腎不全
  1. GERD
薬剤性
  1. 抗ヒスタミン薬
  1. ドパミンアゴニスト
  1. 総合感冒薬
  1. 鎮咳薬
  1. 抗てんかん薬
  1. 睡眠薬
  1. 抗精神病薬
  1. 抗うつ薬

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
城田祥吾 : 特に申告事項無し[2024年]
黒田浩一 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:山中克郎 : 特に申告事項無し[2025年]

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日中の眠気

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