今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 伊藤裕司 中東遠総合医療センター 総合内科

監修: 山中克郎 諏訪中央病院 総合診療科

著者校正/監修レビュー済:2022/09/28
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、むずむず足症候群に対するプレガバリンの処方、およびエビデンスを追加した。

概要・推奨   

  1. 日本人の過眠症発症のリスクファクターは、男性、若年、睡眠時間の短縮、熟眠感の欠乏、入眠困難、いびきや無呼吸による断眠、むずむず足症候群、精神的ストレス、などが挙げられるので、過眠症を疑った場合はこれら問診を追加することが強く勧められる(推奨度1)
  1. 特発性過眠症、ナルコレプシーでは家族歴が比較的特徴的とされるため、睡眠障害についての家族歴を問診することを勧める(推奨度2)
  1. 過眠症患者の場合、健常者に比べて自動車事故を起こす可能性が高いことが知られており、特に人身事故になる例が多いため、重症度に応じて主治医が適切に運転などの活動に対する指導を行うことを強く勧める(推奨度1)
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となりま す。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧には
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧には
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となりま
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約

病態、疫学、診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 『過眠症』とは、「本来起きて活動している時間帯(通常は日中)に過剰な眠気が生じ、居眠りを繰り返す状態で、ときに夜間の睡眠時間の延長を伴う」ものを指す[1]
  1. 先進国においては、5~10%ほどの頻度で本症候群の患者がいると推定されているが、日本においては2.5%ほどと報告されている[2]
  1. 日本における過眠の原因として、睡眠時無呼吸症候群(35%)、特発性過眠症(11%)、ナルコレプシー(9%)、睡眠行動習慣によって引き起こされた睡眠不足症候群(7%)が上位に挙げられる[3]
  1. 75歳以上の高齢者の過眠では、ナルコレプシーはまれで、心不全や呼吸器疾患に伴うものや薬剤性、特発性過眠症が比較的多い[4]
  1. 睡眠時無呼吸症候群による研究では、健常者と比べて2倍以上の交通事故発生リスクがあると報告されている[5]
  1. 原因は「睡眠の質が保たれる」グループと「睡眠の質が保たれていない」グループに分けられ、頻度の多いものは、睡眠が途中で遮られる場合、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)症候群、薬剤である[6]
 
  1. 東アジア人の睡眠時無呼吸症候群では、非肥満患者の割合が欧米よりも多いため、著明な肥満ではないからといって除外することはできない。顎のサイズ/位置・扁桃腫大の有無・鼻腔の狭さなどの上気道の解剖も評価することを勧める(推奨度2O)
  1. 代表事例:Kasey K. らが行った50人の睡眠時無呼吸症候群と診断されている東アジア人(中国人36人、日本人10人、韓国人4人)を対象とした前向きコホート研究[7]において、年齢や重症度を調整した50人の白人と比較したときに、BMI 26.7±3.8(アジア人:A)、29.7±5.8(白人:W)であった(P値:0.0055)。顔面のサイズという点では、額~下垂体の距離(NS)および舌骨~顎の距離(MP-H)で東アジア人のほうが短い結果であった(<図表>)〔NS 69.3±3.8(A)、76.6±4.1(W)、MP-H 18.7±6.5(A)、26.4±7.1(W)〕。
  1. 結論:日本人において、睡眠時無呼吸症候群のリスクを見積もる際に、欧米人よりも肥満が重要視されないため、体重だけでなく上気道(顔面)の評価を追加することが勧められる。特に前後方向の顔面の距離が短い場合はリスクが高い。
  1. 追記:Young T. らによるReview article[8]では、顎のサイズ/位置・扁桃腫大の有無・鼻腔の狭さが重要であると記載している。
 
頭蓋計測点

出典

K K Li, C Kushida, N B Powell, R W Riley, C Guilleminault
Obstructive sleep apnea syndrome: a comparison between Far-East Asian and white men.
Laryngoscope. 2000 Oct;110(10 Pt 1):1689-93. doi: 10.1097/00005537-200010000-00022.
Abstract/Text OBJECTIVES: To investigate the possible differences between Far-East Asian men and white men in obstructive sleep apnea syndrome (OSAS).
STUDY DESIGN: Prospective nonrandomized controlled study.
METHODS: This study compared consecutive Far-East Asian men with OSAS (n = 50) with two selected groups of White men with OSAS (n = 50 in each group). One group of white men was controlled for age, respiratory disturbance index (RDI), and minimum oxygenation saturation (LSAT). Another group was controlled for age and body mass index (BMI). Cephalometric analysis was performed on all subjects.
RESULTS: The majority of the Far-East Asian men were found to be nonobese (mean BMI, 26.7 +/- 3.8) but had severe OSAS (mean RDI, 55.1 +/- 35.1). When controlled for age, RDI, and LSAT, the white men were substantially more obese (mean BMI, 29.7 +/- 5.8, P = .0055). When controlled for age and BMI, the white men had less severe illness (RDI, 34.1 +/- 17.9, P = .0001). Although the posterior airway space and the distance from the mandibular plane to hyoid bone were less abnormal in the Far-East Asian men, the cranial base dimensions were significantly decreased.
CONCLUSIONS: The majority of the Far-East Asian men in this study were found to be nonobese, despite the presence of severe OSAS. When compared with white men, Far-East Asian men were less obese but had greater severity of OSAS. There may be differences in obesity and craniofacial anatomy as risk factors in these two groups.

PMID 11037826
 
  1. 体重が増えれば増えるほど睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなるため、過眠症の患者で肥満(BMI>23)をみたら強く睡眠時無呼吸症候群を疑うことを勧める(推奨度1O)
  1. 代表事例:Peppard PE. らが行った690人を対象とした12年間の前向きコホート研究[9]において、体重の変化とAHIの変化を評価した。体重の変化が+10kgでAHIの変化+32[95%CI +20~+45]、+20kgでAHI+70[+42~+104]、一方-10kgでAHI -26[-34~-18]、-20kgでAHI -48[-58~-35]と報告している。すべてp<0.001。
  1. 結論:体重が増えれば増えるほど睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなるため、肥満患者をみたら睡眠時無呼吸症候群を念頭に入れて、追加の情報収集・検査を行うことを強く勧める。また、減量することで睡眠時無呼吸症候群の症状を軽減させる可能性も示している。
 
  1. 過眠症患者の場合、健常者に比べて自動車事故を起こす可能性が高いことが知られており、特に人身事故になる例が多いため、重症度に応じて主治医が適切に運転などの活動に対する指導を行うことを強く勧める(推奨度1O)
  1. まとめ:過眠症(特に睡眠時無呼吸症候群)と交通事故に関する報告は多く、健常者に比べて交通事故を起こすリスクが高くなることが示されている。
  1. 代表事例:Mulgrew AT. らによる後ろ向きコホート研究[5]では、783人の睡眠時無呼吸症候群の患者を3年間フォローし、交通事故の発生件数を調べた。交通事故発生におけるRelative Riskは無呼吸/低呼吸指数(Apnea/Hypopnea Index AHI)(6~15)2.6[95%CI 1.7~3.9]、AHI(16~30)1.9[1.2~2.8]、AHI(>30)2.0[1.4~3.0]であった。人身事故の割合も同様にAHI >6の場合には、それぞれ有意に増加した。
  1. 結論:コントロールされていない睡眠時無呼吸症候群の場合、健常者に比べて自動車事故を起こす可能性が高く、特に人身事故になる例が多い。これは理論的に考えれば睡眠時無呼吸症候群のみならずすべての過眠症に当てはまると考えられ、重症度に応じて主治医が適切に運転などの活動に対する指導を行うことを強く勧める。
問診・診察のポイント  
 
  1. 睡眠時間の長さよりも、「日中に眠気が強く、日常生活で支障が出ているかどうか」が最大のポイントである。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
伊藤裕司 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:山中克郎 : 特に申告事項無し[2024年]

ページ上部に戻る

過眠症

戻る