今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 柘植雅貴1) 広島大学大学院 医系科学研究科 消化器内科学

著者: 茶山一彰2) 広島大学大学院 医系科学研究科 医療イノベーション共同研究講座

監修: 持田智 埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科

著者校正/監修レビュー済:2024/12/11
参考ガイドライン:
  1. 日本肝臓学会:B型肝炎治療ガイドライン 第4版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、TAF(ベムリディ)の薬剤耐性に関する情報を更新した。最近の日本を含めた国外臨床研究をまとめた報告では、5年間のTAF投与において3%の症例で治療抵抗性を示したが、薬剤耐性変異の出現は認められなかったと報告されている(Chan HLY, et al. Am J Gastroenterol. 2023 Aug 10;119(3):486–96.)。

概要・推奨   

  1. 非活動性キャリアであっても、肝細胞癌を発症することがあるため、定期的な経過観察が必要である(推奨度2)
  1. インターフェロンの治療期間は24~48週間であるが、有効性(HBV DNA低下、ALT値正常化)は長期投与例で高く、ペグインターフェロン治療では48週間投与を基本とする(推奨度1)
  1. B型慢性肝炎に対して、ペグインターフェロン治療を行うことにより、HBV DNAの減少やALTの正常化が得られるだけでなく、他のインターフェロンに比べ、高率にHBsのクリアランスが得られる可能性がある(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

治療のまとめ  
  1. 日本肝臓学会のB型肝炎治療ガイドライン(第4版)では、抗ウイルス療法の短期目標と長期目標が示されている[1]
  1. 抗ウイルス療法の長期目標は、HBs抗原消失である[1]
  1. 抗ウイルス療法の短期目標は、HBe抗原、HBV DNA量を陰性化し、ALTを正常化することで、肝炎の鎮静化を持続し、肝癌を予防することにある[1]
  1. 治療には、抗ウイルス療法と肝庇護療法があるが、現在は抗ウイルス療法が中心となっている。
  1. 抗ウイルス療法薬としては、主に核酸アナログ製剤とインターフェロン製剤がある。
  1. 核酸アナログ治療は、長期間の継続が必要であり、治療を中止することで、肝炎が増悪する可能性がある。
  1. 長期間の核酸アナログ治療により、薬剤に耐性を示すウイルスが増殖することがある。
 
抗ウイルス治療の基本方針

*1 HBe抗原セロコンバージョン率やHBV DNA陰性化率が必ずしも高くはないこと、個々の症例における治療前の効果予測が困難であること、予想される副作用などを十分に説明すること。
*2 挙児希望がないことを確認した上で、長期継続投与が必要なこと、耐性変異のリスクがあることを十分に説明すること。核酸アナログ製剤の選択においては、それぞれの薬剤の特性を参考にする。
*3 ALT正常化、HBV DNA量低下(HBs抗原量低下)、さらにHBe抗原陽性例ではHBe抗原陰性化を参考とし、治療終了後24~48週時点で判定する。
*4 ETV中止後再燃時の再治療基準:HBV DNA 100,000 IU/mL(5.0 LogIU/mL)以上、またはALT 80 U/L以上。

出典

日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会 編「B型肝炎治療ガイドライン(第4版)」2022年6月, P69, https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b.html(2024年6月参照)
 
  1. 核酸アナログの第1選択は、エンテカビル(バラクルード)またはテノホビル(TDF:テノゼット、TAF:ベムリディ)である。エンテカビル・テノホビルは、薬剤耐性ウイルスの出現率が低い。
  1. エンテカビルを長期投与した際の薬剤耐性出現率は、5年間の投与で約1.2%(わが国では4年で0.4%)との報告がある[2][3]
  1. 国外からのTDF(テノゼット)長期投与例を対象とした臨床研究では5年間で薬剤耐性出現はないと報告されているが[4]、近年、TDF耐性が疑われる症例が国内外から報告されている。
  1. 最近の日本を含めた国外臨床研究をまとめた報告では、5年間のTAF(ベムリディ)投与において3%の症例で治療抵抗性を示したが、薬剤耐性変異の出現は認められなかったと報告されている[5]
  1. インターフェロン治療により、HBsのセロコンバージョン率が向上する可能性がある。
 
  1. 他の核酸アナログ製剤(ラミブジン、アデホビル)に比して、エンテカビル(バラクルード)やテノホビル(テノゼット、ベムリディ)の長期投与による薬剤耐性獲得率は非常に低い。なお、TAF(ベムリディ)については、承認間もないため、長期投与の治療成績がなく、薬剤耐性獲得率も現在のところ不明である(推奨度1)
  1. まとめ:核酸アナログ初回投与例において、ラミブジン耐性変異の出現率は、1年で11%、2年で29%、5年で60%以上と報告されている[6]。一方、エンテカビルを投与した症例における耐性出現率は、5年で1.2%程度であり、また、テノホビルを5年間投与した症例における耐性出現は認められていないことから、明らかに耐性獲得率は低いといえる[3]。そのため、現在では、エンテカビルおよびテノホビルが核酸アナログ治療の第1選択として使用され、薬剤耐性出現例や効果不良例に対して、エンテカビルとテノホビルの併用療法を行う。
  1. 結論:薬剤耐性の出現率が低率であること、良好な抗ウイルス効果を示すことから、現在のガイドラインでも示されているように、核酸アナログ治療の第1選択はエンテカビルとテノホビルである。
  1. 追記1:現在、ラミブジンを単独投与されている症例においては、ガイドラインにより、治療中のHBV DNA量に応じて、治療効果良好例ではエンテカビルやテノホビルへの切り替え、治療効果不良例ではテノホビルへの切り替えもしくはエンテカビルとテノホビルの併用療法への変更が推奨されている。
  1. 追記2:アデホビルは2022年5月末で販売中止となっており、LAM+ADV併用やETV+ADV併用療法中の症例ではテノホビルを用いた併用療法への切替が推奨されている。
 
治療効果による核酸アナログの選択(日本肝臓学会 B型肝炎治療ガイドライン第4版)

*1 国内・海外臨床試験が施行されていない治療法は( )で括った。
*2 核酸アナログ投与中の治療目標はHBV DNA陰性化である(治療開始後12か月以降に判定)。治療開始後12か月時点でHBV DNAが陰性化していない場合には、HBV DNAが減少傾向であれば、ETV、TDF、TAFについては治療を継続するが、減少傾向がなければ治療薬を変更する。特にHBV DNA量2,000 IU/mL(3.3 LogIU/mL)以上では治療薬を変更すべきである。治療中にHBV DNAが1.0 LogIU/mL以上上昇するブレイクスルーでは迅速に治療薬を変更する。いずれの場合も服薬アドヒアランスが保たれていることを確認する必要がある。
*3 耐性変異出現の可能性を考慮し、ETV(レベル1b、グレードA)あるいはTAF(レベル6、グレードA)への切り替えが推奨される。
*4 長期的な副作用出現の可能性を考慮し、TDFからTAFへ切り替えることも選択肢となる(レベル2a、グレードB)。腎機能障害、低P血症、骨減少症・骨粗鬆症を認める場合は、TAFへの切り替えが推奨される(レベル2a、グレードA)。
*5 ADV併用はTAF併用に変更、TDF併用からTAF併用への切り替えは長期的な副作用出現の可能性を考慮して選択となる(レベル2a、グレードB)。腎機能障害、低P血症、骨減少症・骨粗鬆症を認める場合は、TAF併用への切り替えが推奨される(レベル2a、グレードA)。
*6 TAF併用の臨床データは短期的・少数例であり十分明らかになっていない(レベル2a、グレードB)。
*7 TAF単独の臨床データは短期であり長期的な成績は示されていない(レベル2a、グレードB)。
*8 ETV効果不良例のうちHBV DNA量(>2000IU)では、TAF単独療法の効果はやや低下するため、ETVとの併用療法が望ましい(レベル2a、グレードB)。
*9 国内臨床試験は行われていないが、海外でのETV耐性例に対する臨床試験においてTDF単独とETV+TDF併用の効果が同等であることが示されている(レベル1b、グレードA)。
*10 TDFあるいはTAF治療効果不良例に対するETV単独、ETV+TDFないしETV+TAF併用の臨床試験は行われていない(レベル6、グレードC1)。
*11 ADVとTDFには交叉耐性があり、ETV耐性例に対するTDFを含むレジメンの海外臨床試験において、ADV既治療例では抗ウイルス効果が減弱したことから、TDF単独ではなくTDF併用を推奨する(レベル4、グレードB)。
*12 TAFの効果はTDFと同等であることが示されているため、TAFについても単独ではなく併用を推奨する(レベル6、グレードB)。
*13 LAM+TDF併用の治療効果不良例に対するETV+TDF併用やETV+TAF併用の臨床試験は行われていない(レベル6、グレードC1)。
*14 ETV+TDF併用で治療効果不良である場合、現時点で明らかに有効な代替治療法はない。

出典

日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会 編「B型肝炎治療ガイドライン(第4版)」2022年6月, P71-73 https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b.html(2023年10月参照)
 
  1. 核酸アナログ製剤の登場や肝移植技術の向上により、B型急性肝炎からの肝不全症例の救命率は向上した(推奨度2)
  1. まとめ:B型急性肝炎は、無症状であったり、無治療で自然寛解したりするケースが多く、成人感染の場合、95%以上の症例は完全寛解に至る。しかし、1%前後の症例では、劇症化に至る症例が存在する。重症化や劇症化が認められた場合、核酸アナログ製剤の投与や免疫抑制療法・肝移植などが行われることになるが、核酸アナログ製剤の登場・肝移植の成績向上により、救命率は向上しており、少数例の検討ではあるが、本報告によると、B型急性肝炎により急性肝不全となった症例の救命率は78%と向上していた[7]
  1. 結論:B型急性肝炎の重症化または劇症化例に対して、積極的な核酸アナログ投与や肝移植が行われるようになり、救命率が劇的に向上した。
 
急性肝不全の病因および転帰:ある医療機関で治療を受けた50例の後向きの分析

出典

Akira Hiramatsu, Shoichi Takahashi, Hiroshi Aikata, Takahiro Azakami, Yoshio Katamura, Tomokazu Kawaoka, Kiminori Uka, Keitaro Yamashina, Shintaro Takaki, Hideaki Kodama, Soo Cheol Jeong, Michio Imamura, Yoshiiku Kawakami, Kazuaki Chayama
Etiology and outcome of acute liver failure: retrospective analysis of 50 patients treated at a single center.
J Gastroenterol Hepatol. 2008 Aug;23(8 Pt 1):1216-22. doi: 10.1111/j.1440-1746.2008.05402.x. Epub 2008 Jul 10.
Abstract/Text BACKGROUND AND AIM: Acute liver failure (ALF) remains a devastating disease carrying considerable mortality. Since deceased donor liver transplantation is rarely performed in Japan, the artificial liver support system (ALS) and living donor liver transplantation (LDLT) are the main modalities used for treatment of ALF. The aim of this study was to analyze the outcome of ALF patients and to evaluate therapies for ALF according to etiology.
METHODS: Fifty consecutive patients with ALF were treated between January 1990 and December 2006. Prior to 1997, patients received ALS only. After 1997, ALS and/or LDLT were applied. LDLT was performed in 10 patients.
RESULTS: Four of 15 (27%) pre-1997 ALF patients survived, and 16 of 35 (46%) post-1997 ALF patients survived, including eight who underwent LDLT. The causes of ALF were acute hepatitis B virus (HBV) infection in 18%, severe acute exacerbation (SAE) of chronic HBV infection in 18%, autoimmune hepatitis (AIH) in 8%, and cryptogenic hepatitis in 44%. In total, 67% of the patients with ALF caused by acute HBV infection and AIH were cured without LDLT; only 11% of patients with ALF caused by SAE of HBV and 24% of cryptogenic hepatitis were successfully treated without LDLT. Notably, 80% of patients with cryptogenic hepatitis who underwent LDLT survived.
CONCLUSION: Since 1997, the survival rate of ALF patients has increased, mainly due to the introduction of LDLT. Liver transplantation should be performed especially in patients with ALF caused by SAE of HBV and cryptogenic hepatitis.

PMID 18637059

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
柘植雅貴 : 特に申告事項無し[2024年]
茶山一彰 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:持田智 : 講演料(エーザイ(株),中外製薬(株),あすか製薬(株),東レ(株),ギリアド・サイエンシズ(株),アッヴィ合同会社)[2025年]

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B型肝炎(治療)

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