今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 高原幹 旭川医科大学病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

監修: 森山寛1) 東京慈恵会医科大学附属病院

監修: 小島博己2) 東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科

著者校正/監修レビュー済:2024/11/13
参考ガイドライン:
  1. 一般社団法人 日本血液学会:造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版 第3版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 病気分類においてLugano分類を表記した。
  1. 予後因子として鼻腔外原発の項目を加えた。
  1. SMILE療法に関して記載した。

概要・推奨   

  1. 診断において腫瘍細胞のCD56発現とEBウイルスの同定が重要である(推奨度1)
  1. 限局期の鼻性NK/T細胞リンパ腫においてはRT-2/3DeVIC療法を行うことが推奨される(推奨度1)
  1. 進行期の鼻性NK/T細胞リンパ腫においてはSMILE療法を行うことが推奨される(推奨度1)

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 鼻性NK/T細胞リンパ腫(nasal NK/T-cell lymphoma)とは、従来、その本態が不明であったために、進行性鼻壊疽、致死性正中肉芽腫症、悪性肉芽腫症、多形細網症、悪性組織球症など多種多様の名称で呼ばれていた疾患の新しい名称である。
 
鼻性NK/T細胞リンパ腫の特徴

出典

原渕保明: 頭頸部領域の悪性リンパ腫の治療――鼻性NK/T細胞リンパ腫の病態と臨床. 頭頸部癌, 2004; 30(4): 534, 表 1より一部改変.
 
  1. 1980年代になって、腫瘍細胞がT細胞とNK細胞の表面形質を有することから鼻性NK/T細胞リンパ腫という名称が提唱され、2001年に改訂された悪性リンパ腫のWHO分類にもこの名称で記載された。
  1. 鼻腔や咽頭に初発し、顔面正中部に沿って進行する破壊性の壊死性肉芽腫性病変が主体である。
  1. 肺、皮膚、消化管などの他臓器への浸潤やリンパ腫関連血球貪食症候群(lymphoma associated hemophagocytic syndrome:LAHS)が高頻度に出現し、非常に予後が不良である。
  1. 病理組織では広範囲な肉芽組織と炎症性細胞浸潤が認められるため、HE染色では診断が非常に困難である。
  1. 病因的には、EBウイルスが発症に深く関わっており、EBウイルス関連腫瘍として扱われている。
問診・診察のポイント  
  1. 鼻閉および血清鼻漏などの鼻症状

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
高原幹 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:森山寛 : 未申告[2024年]
監修:小島博己 : 特に申告事項無し[2024年]

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鼻性NK/T細胞リンパ腫

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