今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 荻野美恵子 国際医療福祉大学医学部 医学教育統括センター・脳神経内科/国際医療福祉大学市川病院 神経難病センター・脳神経内科

監修: 高橋裕秀 昭和大学藤が丘病院 脳神経内科

著者校正済:2023/04/19
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本神経学会:筋萎縮性側索硬化症診療ガイドライン 2013
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. ACPについて加筆した。
  1. 薬物治療、対処療法について最新情報を踏まえ整えた。

概要・推奨   

  1. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は臨床的および電気生理学的に上位および下位運動ニューロン障害を認め、進行性であり除外診断を行って診断する。特異的なマーカーは現時点では存在しない。
  1. ALSの病名告知は特段の支障がない限り患者本人に行い、患者の同意を得て家族も同席することが望ましい。
  1. 事前指示がある場合でも判断能力がある場合には、現在の判断が優先される。判断能力がない場合はAdvance Care Planning(ACP)・事前指示に基づき、患者にとって最善の判断を検討する。ACP・事前指示は作成プロセスとともに解釈プロセスが重要である。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は原因不明で、上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害を進行性に生じ、四肢麻痺、球麻痺、呼吸筋麻痺を来す[1][2]
  1. 診断はALSに特異的なマーカーはないため、臨床経過および診察所見、検査所見を確認し、除外診断より行う。(厚生労働省による診断基準の表)初期には診断基準を満たさない症例が多い。
  1. 厚生労働省指定難病 ALS認定基準:<図表>
  1. 治験の診断基準として汎用されている改定El Escorial基準は診断確実例を見極めるためのもので、診断感度が低いので、臨床的な早期診断には適さない[3]
  1. 最近では、臨床的有用性のあるGold Coast診断基準が用いられる[4]
 
改訂El Escorial診断基準

出典

B R Brooks, R G Miller, M Swash, T L Munsat, World Federation of Neurology Research Group on Motor Neuron Diseases
El Escorial revisited: revised criteria for the diagnosis of amyotrophic lateral sclerosis.
Amyotroph Lateral Scler Other Motor Neuron Disord. 2000 Dec;1(5):293-9.
Abstract/Text
PMID 11464847
 
Gold Coast診断基準の主要項目

出典

澁谷和幹:ALSの新たな展開 Gold Coast診断基準.臨床神経生理学.2020;48(5):468.
Steve Vucic, Toby A Ferguson, Catherine Cummings, Michael T Hotchkin, Angela Genge, Robert Glanzman, Kasper C D Roet, Merit Cudkowicz, Matthew C Kiernan
Gold Coast diagnostic criteria: Implications for ALS diagnosis and clinical trial enrollment.
Muscle Nerve. 2021 Nov;64(5):532-537. doi: 10.1002/mus.27392. Epub 2021 Aug 24.
Abstract/Text Diagnostic criteria for amyotrophic lateral sclerosis (ALS) are complex, incorporating multiple levels of certainty from possible through to definite, and are thereby prone to error. Specifically, interrater variability was previously established to be poor, thereby limiting utility as diagnostic enrollment criteria for clinical trials. In addition, the different levels of diagnostic certainty do not necessarily reflect disease progression, adding confusion to the diagnostic algorithm. Realizing these inherent limitations, the World Federation of Neurology, the International Federation of Clinical Neurophysiology, the International Alliance of ALS/MND Associations, the ALS Association (United States), and the Motor Neuron Disease Association convened a consensus meeting (Gold Coast, Australia, 2019) to consider the development of simpler criteria that better reflect clinical practice, and that could merge diagnostic categories into a single entity. The diagnostic accuracy of the novel Gold Coast criteria was subsequently interrogated through a large cross-sectional study, which established an increased sensitivity for ALS diagnosis when compared with previous criteria. Diagnostic accuracy was maintained irrespective of disease duration, functional status, or site of disease onset. Importantly, the Gold Coast criteria differentiated atypical phenotypes, such as primary lateral sclerosis, from the more typical ALS phenotype. It is proposed that the Gold Coast criteria should be incorporated into routine practice and clinical trial settings.

© 2021 Wiley Periodicals LLC.
PMID 34378224
 
  1. 日本における有病率は10万人に7人程度、発症率は10万人に1人であり、やや男性に多い。根治療法はなく予後は3~5年といわれるが、個人差が大きい[5]
  1. 非侵襲的人工呼吸器・侵襲的人工呼吸器を使用することで延命を図れるが、その選択に当たっては十分な説明と理解に基づく自己決定が重要である[6]
  1. 筋萎縮性側索硬化症は、指定難病であり、重症度分類2以上の場合などは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([ https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/File/002-201704-kijyun.pdf 平成27年1月施行])
  1. 難病法に基づく医療費助成制度
 
  1. ALSはまれな病気であり、日本におけるALSの発症率は、1.1~2.5人/10万人/年程度、有病率は7~11人/10万人程度と推計されている。家族歴のある患者の割合は約5%である。(参考文献:[5][7][8][9][10][11]
  1. 正確に日本全国のALSの実数を把握した統計はないが、特定疾患医療受給者証交付人数、国の患者受療調査、地域ベースの統計、死亡統計などから推計されている。
  1. 2010年特定疾患制度の医療受給者証の交付人数から推計すると有病率は人口10万人当たり6.6人であった。厚生労働省による患者調査では2008年のALS受療率2.7人/10万人で、有病率は7.0~8.5人/10万人と推計される。地域ベースとして、ALS多発地帯を含む和歌山県における網羅的有病率、発症率調査では2002年末における有病率は11.3人/10万人、発症率(罹患率)は2.5人/10万人/年であった。
    日本の死亡統計の解析からは、2004年におけるALSによる死亡率は人口10万人当たり1.07人と報告されているが、死亡診断書の病名欄からALSが漏れてしまう割合は3.8~50.8%と報告されているためALS発症率は1.1人/10万人/年より多いと想定される。
    家族性の割合について既報告をまとめたレビュー_ENREF_6では、家族歴のあるALSは5.1%であると結論づけている。
  1. 以上より有病率は7~11人/10万人、発症率は1.1~2.5人/10万人/年と推計され、家族歴がある患者はおおよそ5%と推定される。
  1. 特定疾患医療受給者数はわが国のALS患者の実数を表すものではなく、申請の漏れ、生活保護受給者は特定疾患申請を行わない場合が多いことなど、捕捉率が下がる要因が複数ある。したがってALS患者の実数はより多いことが想定される。
 
  1. 事前指示がある場合でも判断能力がある場合には、現在の判断が優先される。判断能力がない場合はAdvance Care Planning(ACP)・事前指示に基づき、患者にとって最善の判断を検討する。ACP・事前指示は作成プロセスとともに解釈プロセスが重要である。(参考文献:[12][13]
  1. 医療技術の進歩によって救命率は向上したが、機能予後が悪い状況での救命の場面も増加し、近年では事前に医療処置について意思表明をする患者も増えてきている。日本尊厳死協会のリビングウイル、エンディングノート、私の希望書などさまざまなツールが入手可能であり、実際に診療場面で提示されることも増えてきている。
  1. ACP・事前指示として有効であると判断するためには、十分な情報の提供と理解があり、何物にも強制されない自由意思として提示されたものかを検証する必要がある。また、いつ作成されたものか、現在でも有効とするにたる状況かも検証する。ACP・事前指示には法的な効力や拘束がないため、無効となる期間が定められているわけではないが、直近の意思表示でない場合にはその有効性につき、本人の意思につきよく理解している家族などと医療スタッフがチームで検討する。
  1. ACPや事前指示は実際には起こっていない場面を想像して判断することになるので、想像した時点と現実に起こっていることが解離することもあり得る。使用に当たっては、単にACP・事前指示された結論のみを重視するのではなく、ACP・事前指示が行われたプロセスや患者の人生設計における意味を理解するように努め、ACP・事前指示にこめられた患者の真意を解釈するプロセスが重要である。
  1. 現実に治療方針を決定しなければならないときには、患者本人のことをよく理解している関係者でチームとして、患者が現時点においても「ACP・事前指示」の内容を本当に望んでいるかを「本人であればどう考えるだろうか」という視点で推定し、患者にとっての最善の方針を検討する。
  1. ※ACP:将来の医療ケアについての心づもりをその理由とともに述べる話し合いのプロセス。
  1. ※事前指示:ACPの結果、具体的な医療処置等の希望を指示したしたもの。
 
  1. ALSは医療保険、介護保険、障害者自立支援法、難病対策、公的年金(障害者年金)などの公的援助、行政サービスを受けることができる。(参考文献:[14]
  1. ALSは難病として特定疾患に指定されており、医療費助成など難病施策を利用することができる。また40歳以上であれば介護保険を、条件を満たせば身体障害者施策を活用することができる。さらに公的年金(障害年金)などの社会保障を受けることも可能である。いずれも自ら申請しないと援助は受けられないこと、それぞれ優先順位があることなど、実際の利用には各種手続きが必要である。担当窓口は保健所、市区町村役所などに分かれているため、これらの社会資源の全体的なことについては各医療機関の医療ソーシャルワーカーや各都道府県の難病医療専門員、難病医療連携コーディネーター、難病医療カウンセラー、難病相談・支援センターに相談してみるとよい。
  1. 追記:複数の制度が利用できることは良いことであるが、それぞれ優先順位や同じようなサービス内容もあるため、どのように利用したらよいか、専門家のアドバイスを受けるとよい。
問診、診察のポイント  
  1. 発症年齢は高齢化しており70歳代がピークであるが、10~80歳代以上と広い範囲で発症がみられる。

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薬剤監修について:
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
荻野美恵子 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:高橋裕秀 : 特に申告事項無し[2024年]

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