今日の臨床サポート

結膜の充血

著者: 秦野寛 ルミネはたの眼科

監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科

著者校正/監修レビュー済:2022/09/14
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 緊急性のある疾患を見抜くためには問診および診察が重要である(推奨度1)
  1. 局所ステロイド薬は眼科にコンサルトした後のみ使用することが強く推奨される(推奨度2)
  1. 原因不明の結膜炎に対して、医療従事者、入院中・施設入所中の患者、低免疫状態の患者、糖尿病患者、児童を除き、点眼抗菌薬の使用を初めから積極的に行うことは推奨されない。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
秦野寛 : 特に申告事項無し[2022年]
監修:沖波聡 : 特に申告事項無し[2022年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、主に鑑別方法について画像を用いて加筆を行った。

病態・疫学・診察

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 眼の充血(赤目)は眼科疾患のなかで最も訴えの多い症状である。眼の充血を起こす疾患は結膜疾患、角膜疾患、強膜疾患、ぶどう膜疾患、眼内炎、閉塞隅角緑内障、眼窩疾患、外的要因によるものなど多岐にわたる。多くは良性であり、自然治癒する疾患であるが、重篤な疾患が隠れていたり、全身疾患の一症状の可能性もあり、適切なワークアップと治療が必要となる。
  1. 結膜充血を分類すると下記のようになる。
  1. 血管別:動脈性、静脈性
  1. 部位/性状別:結膜下出血、結膜充血、毛様充血、強膜充血、混合充血
 
眼の構造(緑内障:隅角の解剖)

眼の疾患のイメージをつかむため、眼の解剖についての図を示す。
隅角は虹彩と角膜が接合して形成される凹部である。この隅角内には強膜棘突起、小柱網、Schwalbe線が存在する。小柱網はSchlemm管に房水を送り込む有窓状の構造物であり、房水はそこから静脈系に排出される。この図では正常な房水の流れを示している。

 
結膜充血の性状別解説:
  1. 結膜下出血:
  1. 結膜下出血は、結膜と強膜の間に血液が斑状にたまることにより生じる。
  1. 結膜下出血は広範な斑状の結膜下の出血であり、容易に鑑別可能である。
 
  1. 結膜充血:
  1. 結膜充血とは、結膜の球結膜円蓋部や眼瞼結膜の血管がさまざまな原因により拡張することである。
  1. 結膜充血を起こす疾患は基本的には結膜疾患であり、少ない物理化学性の結膜炎を除けば、大半の感染性結膜炎か非感染性結膜炎(アレルギー性結膜炎)を、自覚症状と他覚症状から鑑別する。前者は痒みや乳頭増殖を伴うことは少なく、粘液性、膿性ないし水様性眼脂を呈することが多い。後者は痒みを伴い、乳頭増殖、粘液性ないし水様性眼脂が特徴である。
 
結膜充血

 
  1. 毛様充血:
  1. 毛様充血は毛様体・虹彩・脈絡膜の、いわゆるぶどう膜や強膜の血管が拡張することにより生じる。毛様充血を伴う疾患の多くは緑内障やぶどう膜炎、角膜疾患など専門的かつ緊急の治療が必要となることが多い。
  1. 毛様充血とは、角膜輪部の充血が強く角膜から離れるほど充血が弱くなる種類の充血である。この際には、緊急で加療が必要なことがあり早急な眼科紹介が必要となる。
  1. 毛様充血を起こす疾患には、角膜炎、急性閉塞隅角緑内障(隅角症)、急性前部ぶどう膜炎、強膜炎、ドライアイなどが挙げられる。眼痛、羞明、視力低下などの症状を伴うことが多く、眼科での専門的治療が必要となる。特に、急性閉塞隅角緑内障(隅角症)や角膜炎は緊急疾患である。また急性前部ぶどう膜炎では背景に感染症だけでなく、自己免疫疾患・血液疾患が隠れていることも多く、両眼性の場合・再発性の場合には特に精査を要する。また、眼病変に起因する場合も、ステロイド薬投与などの専門的治療が必要となることが多い。
  1. 角膜炎:原因は細菌性、ウイルス性、真菌性、アカントアメーバなどである。粘液性の眼脂を認め、強い眼痛を伴えば角膜炎を疑う。細菌性角膜炎は角膜穿孔、失明を引き起こす可能性のある緊急疾患であり、すぐに眼科を紹介する。細隙灯顕微鏡で点状角膜病変を確認できるが、ペンライトでも角膜混濁や点状角膜病変を確認できることがある。ウイルス性角膜炎では角結膜ぬぐい液にてウイルス抗原(アデノウイルス、ヘルペスウイルス)をチェックできること、細隙灯顕微鏡にて樹枝状病変を認める場合がある。真菌性角膜炎は眼の外傷、長期のステロイド薬や抗菌薬の点眼使用歴がある場合に鑑別に挙げる。アカントアメーバ角膜炎は大半がコンタクトレンズの不衛生な使用により発症する。細隙灯顕微鏡では放射状角膜神経炎や偽樹枝状角膜炎、卵型(oval shape)の輪状膿瘍と潰瘍が特徴的である。角膜擦過物のグラム染色にてシストの確認により診断できる。この疾患は治療が遅れると、角膜混濁を残したり、失明を起こしたりすることがあり、現在、眼感染症の中で最も難物の疾患である。早期の眼科専門医受診が望ましい。
  1. ドライアイ:涙液の異常や角膜上皮障害などにより生じる。シェーグレン症候群が原因のこともあり、濾紙を用いた涙液量測定をし、また抗核抗体、抗SS-A抗体などについて採血して精査を行う。
  1. 急性閉塞隅角緑内障(隅角症):急激な眼圧上昇により、高度の眼痛、視力低下、瞳孔散大、頭痛、嘔気などの随伴症状があり、緊急で眼科を受診させる。初療で間違って内科や消化器科への受診がありえ、手遅れとなる場合がある。
  1. 急性前部ぶどう膜炎:眼痛、視力障害、羞明などを伴い、前房蓄膿、前房出血、対光反射の鈍化を認める場合に疑う。感染症だけでなく、炎症性腸疾患・全身性エリテマトーデス・シェーグレン症候群・血管炎など自己免疫疾患によるもの、白血病やリンパ腫などの血液疾患によるもの、ベーチェット病やサルコイドーシスなど全身疾患の一症状として出現する場合も多く、鑑別に入れる。
 
毛様充血

 
ぶどう膜炎を起こす内科疾患

ぶどう膜炎は約40%に全身性の免疫が関与することが知られている。両眼性・再発性の場合には特にその背景について精査することが重要である。ぶどう膜炎を引き起こす疾患をグラフにまとめる。

出典

img1:  吉藤歩先生ご提供
 
 
問診・診察のポイント  
問診・検査:
 
 
  1. 眼の充血の原因は多岐にわたるため、緊急で眼科に紹介する疾患を除外したうえで、丁寧な問診・診察が必要である。

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文献 

Michael Roscoe, Timothy Landis
How to diagnose the acute red eye with confidence.
JAAPA. 2006 Mar;19(3):24-30; quiz 45-6.
Abstract/Text
PMID 16550671
G L Morrow, R L Abbott
Conjunctivitis.
Am Fam Physician. 1998 Feb 15;57(4):735-46.
Abstract/Text Conjunctivitis refers to any inflammatory condition of the membrane that lines the eyelids and covers the exposed surface of the sclera. It is the most common cause of "red eye". The etiology can usually be determined by a careful history and an ocular examination, but culture is occasionally necessary to establish the diagnosis or to guide therapy. Conjunctivitis is commonly caused by bacteria and viruses. Neisseria infection should be suspected when severe, bilateral, purulent conjunctivitis is present in a sexually active adult or in a neonate three to five days postpartum. Conjunctivitis caused by Chlamydia trachomatis or Neisseria gonorrhoeae requires aggressive antibiotic therapy, but conjunctivitis due to other bacteria is usually self-limited. Chronic conjunctivitis is usually associated with blepharitis, recurrent styes or meibomianitis. Treatment requires good eyelid hygiene and the application of topical antibiotics as determined by culture. Allergic conjunctivitis is distinguished by severe itching and allergen exposure. This condition is generally treated with topical antihistamines, mast-cell stabilizers or anti-inflammatory agents.

PMID 9490996
H M Leibowitz
The red eye.
N Engl J Med. 2000 Aug 3;343(5):345-51. doi: 10.1056/NEJM200008033430507.
Abstract/Text
PMID 10922425
Etsuko Takamura, Eiichi Uchio, Nobuyuki Ebihara, Shigeaki Ohno, Yuichi Ohashi, Shigeki Okamoto, Naoki Kumagai, Yoshiyuki Satake, Jun Shoji, Yayoi Nakagawa, Kenichi Namba, Kazumi Fukagawa, Atsuki Fukushima, Hiroshi Fujishima, Japanese Society of Allergology
Japanese guidelines for allergic conjunctival diseases 2017.
Allergol Int. 2017 Apr;66(2):220-229. doi: 10.1016/j.alit.2016.12.004. Epub 2017 Feb 10.
Abstract/Text The definition, classification, pathogenesis, test methods, clinical findings, criteria for diagnosis, and therapies of allergic conjunctival disease are summarized based on the Guidelines for Clinical Management of Allergic Conjunctival Disease (Second Edition) revised in 2010. Allergic conjunctival disease is defined as "a conjunctival inflammatory disease associated with a Type I allergy accompanied by some subjective or objective symptoms." Allergic conjunctival disease is classified into allergic conjunctivitis, atopic keratoconjunctivitis, vernal keratoconjunctivitis, and giant papillary conjunctivitis. Representative subjective symptoms include ocular itching, hyperemia, and lacrimation, whereas objective symptoms include conjunctival hyperemia, swelling, folliculosis, and papillae. Patients with vernal keratoconjunctivitis, which is characterized by conjunctival proliferative changes called giant papilla accompanied by varying extents of corneal lesion, such as corneal erosion and shield ulcer, complain of foreign body sensation, ocular pain, and photophobia. In the diagnosis of allergic conjunctival diseases, it is required that type I allergic diathesis is present, along with subjective and objective symptoms accompanying allergic inflammation. The diagnosis is ensured by proving a type I allergic reaction in the conjunctiva. Given that the first-line drug for the treatment of allergic conjunctival disease is an antiallergic eye drop, a steroid eye drop will be selected in accordance with the severity. In the treatment of vernal keratoconjunctivitis, an immunosuppressive eye drop will be concomitantly used with the abovementioned drugs.

Copyright © 2016 Japanese Society of Allergology. Production and hosting by Elsevier B.V. All rights reserved.
PMID 28209324
A Tullo
Pathogenesis and management of herpes simplex virus keratitis.
Eye (Lond). 2003 Nov;17(8):919-22. doi: 10.1038/sj.eye.6700564.
Abstract/Text Herpes simplex keratitis (HSK) remains a common cause of unilateral corneal disease. Despite intense research over three decades, the mainstay of therapy continues to be topical and, more recently, systemic acyclovir plus topical corticosteroid in some cases. There is increasing recognition that HSK after keratoplasty can occur not only as a result of recurrence in patients with HSK, but also in patients with other primary diagnoses as a result of activation of HSV in the host, or by transmission of virus in the donor tissue.

PMID 14631397

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