今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 村田篤彦 産業医科大学 公衆衛生学教室

監修: 真弓俊彦 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院

著者校正済:2024/04/17
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. WSES Jerusalem guidelines for diagnosis and treatment of acute appendicitis. World J Emerg Surg. 2016 Jul 18;11:34
  1. 日本小児救急医学会:エビデンスに基づいた子どもの腹部救急診療ガイドライン2017
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について加筆・修正した。
  1. 急性虫垂炎の診断において、AIR(Appendicitis Inflammatory Response Score)、AAS(Adult Appendicitis Score)による判定が推奨されている。
  1. プロカルシトニン、カルプロテクチンなどのバイオマーカーは、急性虫垂炎の検査の選択肢として有効である(Li Y, et al. Eur J Trauma Emerg Surg. 2020 Aug;46(4):853-858.、Di Saverio S, , et al World J Emerg Surg. 2020 Apr 15;15(1):27.)。
  1. 低線量造影CT(Computed Tomography)は、急性虫垂炎の診断において通常の単純CTと同等の診断精度を持ち、有用である(Sippola S, et al. Ann Surg. 2020 Feb;271(2):332-338.)。

概要・推奨   

  1. 急性虫垂炎の診断において右下腹部痛は重要な臨床所見である(推奨度1、MG)[1]
  1. 急性虫垂炎の診断において白血球およびCRP(C-reactive protein)の測定は強く推奨される(推奨度1、M)[2][3]
  1. 急性虫垂炎の診断において泌尿器疾患の否定および確診は重要である(推奨度1)
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  1. 急性虫垂炎の診断においてプロカルシトニンの測定は有用である(推奨度2、O)[28][29]
  1. 急性虫垂炎の診断において腹部CTを行うことは強く推奨される(推奨度1、S/CS)[5][6]
  1. 急性虫垂炎の診断において腹部エコーを行うことは推奨される。腹部エコーは熟練した医師でもCTより診断能にやや劣るとされている(推奨度2、M)[7][8][9]
  1. 急性虫垂炎の治療において抗菌薬の静脈投与は強く推奨される(推奨度1、S/CS)[10][11]
  1. 急性虫垂炎の腹痛コントロールにおいて鎮痛薬の投与は推奨される。なお、鎮痛薬投与が急性虫垂炎の診断能に影響を与えないことは事実であるため、診断の正確さのために鎮痛薬投与を行わないことは推奨されない(推奨度2、O)[12][13]
  1. 急性虫垂炎における外科医へのコンサルトは強く推奨される(推奨度1、R)[14][15][16]
  1. 急性虫垂炎患者に対するフォローとして翌日(24時間以内)の再受診が推奨される(推奨度1、OG)[1][17]

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
村田篤彦 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:真弓俊彦 : 特に申告事項無し[2024年]

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