今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 齋藤洋一 篤友会リハビリテーションクリニック

監修: 甲村英二 公立学校共済組合 近畿中央病院

著者校正/監修レビュー済:2024/06/12
参考ガイドライン:
  1. 日本内分泌学会:間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版
  1. Fleserius M,et al: A pituitary society update to acromegaly management guidelines 2021
  1. Esposito D, et al: Non-functioning pituitary adenomas: indications for pituitary surgery and post-surgical management 2019
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版』に基づいてレビューを行い、主に以下について加筆修正した。
  1. 2022年に発表された内分泌腫瘍・神経内分泌腫瘍のWHO分類(第5版)では、下垂体腺腫が神経内分泌腫瘍にカテゴライズされ、“pituitary neuroendocrine tumor:PitNET”(下垂体神経内分泌腫瘍)という名称が提唱された。本項では混乱を避けるため、文中は「下垂体腫瘍」または「腫瘍」で統一とした。
  1. 甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生腺腫の項目を設けて解説した。
    ミクロアデノーマ(直径1 cm未満)で発見されることも多く、治療の第一選択は経蝶形骨洞手術である。わが国ではランレオチドのみが術前治療も含めて保険適用となっており薬物治療の第一選択肢である。
  1. 鑑別疾患表にIgG4関連下垂体炎を追記した。
  1. 各診断の手引きの表を更新した。

概要・推奨   

先端巨大症および下垂体性巨人症:
  1. 治療の第一選択は経蝶形骨洞手術である。
  1. 合併症などで手術の危険性が高い場合は、薬物療法、放射線療法を行う。術前のソマトスタチン誘導体投与により腫瘍縮小が期待されることがある(推奨度1 エビデンスC,J,G)
 
クッシング病:
  1. 治療の第一選択は経蝶形骨洞手術である。
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  1. 大型腫瘍の残存、再発に対しては放射線治療も考慮される(推奨度1 エビデンスC)[1]
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 下垂体は頭蓋底の中央にあるトルコ鞍と呼ばれる骨のくぼみに存在し、重さ700 mg、大きさ1 cm足らずの組織である。その小さな組織は前葉と後葉に大きく分けられ、前葉の後葉と接するところに中葉が存在する。前葉からは副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、ゴナドトロピン(LH、FSH)、成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)が産生され、後葉からは抗利尿ホルモン(ADH)、子宮収縮ホルモンが分泌される。
  1. 下垂体腫瘍は下垂体に発生する良性腫瘍で、下垂体の前葉細胞が腫瘍化したものである。非常にまれに(約0.1%)、頭蓋内に播種したり、他臓器に転移するものも報告されており、下垂体癌と呼ばれる[2]。一般に下垂体腫瘍は人口10万人つき約2人発生すると言われる。1,000例の剖検では18%に腫瘤性病変が認められた[3]
  1. 下垂体腫瘍はホルモンを分泌する機能性腫瘍と、分泌しない非機能性腫瘍(ゴナドトロピン産生腫瘍を含む)に分けられる。機能性腫瘍で最も多いのはPRL産生腫瘍で20~30歳台女性に特に多い。他にGH産生腫瘍(先端巨大症)、ACTH産生腫瘍(クッシング病)、TSH産生腫瘍がある[4]。これらのホルモン産生腫瘍は、内分泌異常を起こして発見される。一方、非機能性腫瘍の場合、腫瘍が増大して、視神経を圧迫することで、視力視野障害を来す。また海綿静脈洞に進展して、動眼神経、外転神経麻痺を起こすこともある。腫瘍が内部で出血を起こして、激しい頭痛、視力視野障害、眼球運動障害を来して発症することもある。頭痛で発見されることも多い。頭痛はトルコ鞍周囲の硬膜を下垂体腫瘍が圧排することで生じる。したがって、患者は目の奥が痛いと表現し、片頭痛と誤診されるケースがある。
  1. 腫瘍のサイズが1 cm以下のとき、microadenoma(ミクロアデノーマ)と呼び、それより大型のものをmacroadenoma(マクロアデノーマ)と呼ぶ。海綿静脈洞内、鞍上部、蝶形骨洞内に進展する場合、invasive adenoma(浸潤性下垂体腫瘍)と呼ぶ。
  1. わが国においては全国にCT. MRIが広く設置され、脳ドックという先進国でも珍しいシステムもある。そのため頭部外傷、頭痛の精査や、ドックで偶然に発見される偶発腫(incidentaloma)が増えている[5]。多くは無症状であるが、精密検査によって、ホルモン過剰分泌がみつかったり、下垂体機能不全や視力視野障害でみつかることもある。米国から偶発腫の治療指針が出された[6]
 
下垂体冠状断の図

トルコ鞍近傍解剖の模式図。下垂体周辺の構造の関係を簡単に示した。

出典

著者提供
 
下垂体より分泌されるホルモン

脳下垂体は前葉と後葉に大きく分けられ、前葉の後葉と接するところに中葉が存在する。前葉からは副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、ゴナドトロピン(LH、FSH)、成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)が産生され、後葉からは抗利尿ホルモン(ADH)、子宮収縮ホルモンが分泌される。

出典

編集部作成
問診・診察のポイント  
  1. 無月経・乳汁漏出、先端巨大症様顔貌、クッシング症候などは、厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「間脳下垂体機能障害に関する調査研究」班が提唱している「間脳下垂体機能障害の診断と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版」(令和5年度改訂)に従い診察する。他の内分泌内科医がすでに負荷試験などで診断をほぼ確定して、脳神経外科医に紹介される(する)ケースも多い。

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
齋藤洋一 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:甲村英二 : 特に申告事項無し[2024年]

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下垂体腫瘍(腺腫)

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