今日の臨床サポート

糞線虫症

著者: 椎木創一 沖縄県立中部病院 感染症内科

監修: 具芳明 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 統合臨床感染症学分野

著者校正/監修レビュー済:2016/07/21
患者向け説明資料

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. 糞線虫症はStrongyloides stercoralisという線虫が引き起こす感染症である。日本では沖縄などに限定されるが、世界的にみれば東南アジアを中心に流行が持続しており、渡航後の帰国者が日本各地で発症する可能性は十分にある。
  1. 糞線虫の虫体:
  1. 自家感染(autoinfection)という特質により世代交代を行いながら継続的に宿主内にとどまり、免疫不全などにより過剰感染(hyperinfection)になる。
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  1. また麻痺性イレウスを引き起こしていることがある。イレウスがある場合、イベルメクチンの経口投与や注腸投与でも吸収が不良となる場合がある。この場合、皮下注射での投与の報告があるが、保険適応として認められている製剤はわが国には今のところ存在しないので専門医に相談する事が必要となる。
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  1. 糞線虫症は熱帯を中心に広く分布している。日本では沖縄、奄美での検出例が多い。
  1. 免疫不全状態では播種性糞線虫症から敗血症、髄膜炎などを来すことがある。患者背景と臨床経過から疑って検索を行う。
  1. 治療にはイベルメクチンを用いる。播種性糞線虫症では合併症の治療を適宜行う。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
椎木創一 : 未申告[2021年]
監修:具芳明 : 特に申告事項無し[2021年]

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 糞線虫症はStrongyloides stercoralisという線虫が引き起こす感染症である。日本では沖縄などに限定されるが、世界的にみれば東南アジアを中心に流行が持続しており、渡航後の帰国者が日本各地で発症する可能性は十分にある。<図表> エビデンス 
  1. 自家感染(autoinfection)という特質により世代交代を行いながら継続的に宿主内にとどまり、免疫不全などにより過剰感染(hyperinfection)になる。<図表>
  1. 過剰感染からグラム陰性桿菌(大腸菌、クレブシエラ)などによる敗血症や髄膜炎、肺炎、イレウスなどを伴う播種性糞線虫症(disseminated strongyloidiasis)という重篤な病態を引き起こす。 エビデンス 
  1. 免疫不全状態(ステロイド・免疫抑制薬の使用、HIV感染症、慢性肺疾患、慢性腎不全、アルコール多飲など)が重症化のリスクとなる。 エビデンス  エビデンス 
  1. 治療にはイベルメクチンを使用するが、播種性糞線虫症であれば同時にグラム陰性桿菌を中心とした細菌をカバーする抗菌薬も必要になる。
問診・診察のポイント  
問診のポイント:
  1. 流行地域での居住歴や渡航歴を確認する。 エビデンス 

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