今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、2023年に改訂された2023 Duke-ISCVID基準の内容について加筆した。
  1. 近年、心臓内デバイスの種類、利用機会が増え、心臓CTやPET/CTなどの画像検査が進化し、PCRなどの新しい微生物検査が用いられるようになってきたことなどが、改訂の背景となっている。新しい基準は、まだ臨床現場で広く利用されているわけではないため、本項では2000年に公表された修正Duke診断基準および2023 Duke-ISCVID基準の両方を併記する。

概要・推奨   

  1. 発熱が遷延している場合、血液培養を繰り返し、心内膜炎の合併症を見逃していないか再度確認することが推奨される(推奨度1)
  1. 感染性心内膜炎疑いの患者の病歴聴取において、先天性心疾患や弁膜症、人工弁置換術の既往は重要な項目であり、聴取することが強く推奨される(推奨度1)
  1. 感染性心内膜炎疑いの患者の病歴聴取において、心内膜炎の既往は重要な項目であり、聴取することが強く推奨される(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. 感染性心内膜炎とは、弁膜や心内膜、大血管内膜に細菌、真菌、ウイルスなど感染性微生物を含む疣腫(vegetation)を形成し、菌血症、血管塞栓、心障害などさまざまな臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患である。
  1. 感染性心内膜炎の症状は多岐にわたり、症状を呈する可能性のある臓器は、ほぼすべてといって過言でない。修正Duke基準を念頭に検査・診断を進める。血液培養と心エコーが最重要検査となる。
  1. 適切な診断と治療が行われなかった場合の予後は非常に悪い。抗菌薬治療が行われていなかった時代の致死率は100%であった。
  1. 安易な抗菌薬投与は診断を非常に困難にする。疑った場合、血液培養を複数(できれば3セット以上)、時間を空けて採取し、持続的菌血症を証明する。
  1. 好気性グラム陽性球菌など感染性心内膜炎を起こし得る菌が血液培養で陽性になった場合、常に本疾患を疑う習慣を付ける。
  1. 特に黄色ブドウ球菌の場合は、1セットのみの陽性でも25%の患者で心内膜炎が存在したとの報告もある。
問診・診察のポイント  
  1. 非特異的な症状(発熱、全身倦怠感、体重減少、腰痛など)で発症することが多く、早期診断のため積極的に疑う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
馳亮太 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:山本舜悟 : 企業などが提供する寄付講座(日本財団)[2024年]

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感染性心内膜炎

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