今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 谷岡未樹 谷岡皮フ科クリニック

監修: 戸倉新樹 掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 参与/浜松医科大学 名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2022/04/27
参考ガイドライン:
  1. 日本皮膚科学会:尋常性白斑診療ガイドライン
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。

概要・推奨   

  1. ステロイド外用療:尋常性白斑の治療にステロイド外用は有効である。
  1. 活性型ビタミンD3外用薬:尋常性白斑に対してビタミンD3外用薬を単独では効果が弱く、PUVAやNB-UVB療法と併用することは行うことを考慮しても良い。
  1. タクロリムス軟膏:治療効果が高い可能性はあるが、長期安全性は不明であり、3~4カ月を目処に効果判定を行う。
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尋常性白斑診療ガイドライン[1]より引用

病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 白斑は、何らかの原因による皮膚の色素脱失で生じる。
  1. 皮膚の色素(メラニン)は色素細胞(メラノサイト)でのみ合成されている。
  1. 色素脱失は、メラノサイトでのメラニン産生が、いずれかの段階で障害されていることを示す。
  1. 患者は自ら皮膚の色素脱失に気づいて医療機関を受診する。
  1. 皮膚の色素脱失は、経過から先天性と後天性に、皮膚所見から完全脱色素斑と不完全脱色素斑に分類される。
  1. 脱色素斑のほとんどは後天性の完全脱色素斑であり、尋常性白斑と診断される。
  1. 尋常性白斑は、白斑を呈する疾患の代表的なものである。
  1. 通常は皮膚の脱色素斑のみを呈するが、随伴症状の有無をチェックすることが重要である。
  1. 付随症状には頭痛、めまい、難聴、視力障害、甲状腺機能異常に伴う症状がある。
  1. まれではあるが、先天性の遺伝性疾患により皮膚の色素脱失を来すことがある。
  1. 先天性疾患では免疫不全、難聴、出血傾向、精神発達遅延などの症状を伴うことがある。
 
尋常性白斑(全身型)の典型的臨床症例

出典

著者提供
 
尋常性白斑(全身型)の典型的臨床症例

出典

著者提供
 
尋常性白斑(分節型)の典型的臨床写真

出典

著者提供
問診・診察のポイント  
  1. 白斑の原因は多岐にわたるため、丁寧な問診・診察が必要である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
谷岡未樹 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:戸倉新樹 : 講演料(サノフィ(株),日本イーライリリー(株),アッヴィ合同会社,協和キリン(株))[2024年]

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