今日の臨床サポート

摂食・嚥下障害(口腔外科)

著者: 高橋浩二 昭和大学 口腔リハビリテーション科

監修: 近津大地 東京医科大学

著者校正/監修レビュー済:2016/08/05
患者向け説明資料

概要・推奨   

障害のポイント:
  1. 摂食・嚥下障害とは食物を認識してから口に運び、咀嚼し、飲み込み、胃のなかへ送り込むまでの食べる過程のいずれかで障害が生じた病態(臨床的徴候)を示し、特定の疾患ではない。
  1. 摂食・嚥下障害と同義語として嚥下障害という用語があり、嚥下障害はいわゆる飲み込みの障害のみを示すのではなく、食物を口のなかに取り込む捕食や咀嚼の障害、食道の機能不全などを包括した用語である。
 
想起:
  1. 75歳以上の要介護高齢者、経口摂取量が減り短期間に体重減少した患者、肺炎の既往のある患者、湿性嗄声の患者、嚥下関与器官の形態・運動・感覚の異常がある患者、しばしばむせる患者は摂食・嚥下障害である可能性がある。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
高橋浩二 : 未申告[2021年]
監修:近津大地 : 特に申告事項無し[2021年]

編集部編集コンテンツ:
 
関連する医療事故:
  1. 脳梗塞後遺症のある患者の嚥下評価は詳細に行う:
  1. 事例:脳梗塞後遺症のある患者が昼食摂取2時間後に突然の嘔吐をきたした。仰臥位で顔を上に向けたままの嘔吐で、すぐ吐物を掻きだしたり吸引したりしたが、誤燕性肺炎を発症してしまった。酸素投与、抗生剤治療等も行ったが、翌日から呼吸状態が悪化し、2日後の夜死亡に至った。(詳細情報ページ:医療事故情報 詳細表示

病態・疫学・診察

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 摂食・嚥下障害とは食物を認識してから口に運び、咀嚼し、飲み込み、胃のなかへ送り込むまでの過程のいずれかで障害が生じた病態(臨床的徴候)を示し、特定の疾患ではない。
  1. 摂食・嚥下障害と同義語として嚥下障害という用語がある。この場合の、嚥下障害はいわゆる飲み込みの障害のみを示すのではなく、食物を口のなかに取り込む捕食や咀嚼の障害、食道の機能不全などを包括した用語である。一方、摂食障害という用語は拒食症や過食症に対して用いられ、摂食・嚥下障害、嚥下障害という用語と厳密に区別しなければならない。
  1. 高齢者介護施設では入所者の60%が摂食・嚥下障害を有していたという報告がある。  解説 
  1. 脳血管疾患患者の誤嚥のリスクは発症直後で51%、7日後で27%、6カ月後で6%であったという報告がある。  解説 
問診・診察のポイント  
原疾患の鑑別:
  1. 対応法を決定するために原疾患の鑑別はきわめて重要で、例えば進行性の疾患では摂食・嚥下リハビリテーションの治療目標を機能の回復ではなく、現状の機能の維持とする場合もある。

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