今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 深浦彦彰 埼玉医科大学総合医療センター脳神経内科

監修: 高橋裕秀 昭和大学藤が丘病院 脳神経内科

著者校正/監修レビュー済:2024/10/02
参考ガイドライン:
  1. 日本神経学会:多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023』を参照に、下記の点を加筆・修正した。
  1. MOG 抗体関連疾患(MOG antibody-associated disease: MOGAD)の新しい診断基準を記載した。
  1. 再発予防・進行防止のための疾患修飾薬(DMD)の導入、変更、中止につき最新の考え方を記載した。
  1. 予後不良因子について記載した。
  1. 診断のアルゴリズム、治療アルゴリズムを記載した。
  1. 妊娠可能年齢の女性患者の治療について記載した。

概要・推奨   

  1. 多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)の急性増悪期(初発を含む)にはステロイドパルス治療を試みる(推奨度1、J
  1. ステロイドパルス治療を1~2クール追加し、それでも奏効しない場合は漿浄化療法を試みる(推奨度1)
  1. 再発予防・進行防止のために診断後は速やかに疾患修飾薬(DMD)を開始する(推奨度1、J
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病態・疫学 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)とは、中枢神経の髄鞘と稀突起グリアが障害されることにより、髄鞘破壊型の障害を、空間的(dissemination in space: DIS)、時間的に多発する(dissemination in time)ことを確認する状態である。
  1. 症状の再発と寛解を認め、脳や脊髄のMRI検査で異常信号領域を呈する場合は、MSも鑑別として挙げる。2017年に改訂されたMcDonald診断基準2017<図表>に沿って診断することが望ましい。そのためには、丁寧な病歴の聴取、正確な神経学的診察が重要であり、脳/脊髄のMRI検査、自己抗体を含む血液検査、脳脊髄液検査、電気生理学的検査(脳幹誘発電位や視神経誘発電位)など診断を補助する検査が不可欠である。
  1. 元来多発性硬化症とされていた疾患は、その攻撃される標的細胞が異なることより、多発性硬化症と視神経脊髄炎スペクトラム障害(neuromyelitis optica spectrum disorder: NMOSD)の2つに分類して考えられるようになった。
  1. 同様な病歴、症状、検査所見等を呈する他疾患(NMOSD、シェーグレン症候群、血管炎、リンパ腫、サルコイドーシス、急性散在性脳脊髄炎[ADEM]ほか)は治療方法が異なるため、初診時にしっかりと鑑別しなくてはいけない。
  1. 多発性硬化症/視神経脊髄炎は、指定難病であり、総合障害度(EDSS)に関する評価基準を用いてEDSS 4.5以上などでは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
  1. 長く日本で視神経脊髄型MS(OSMS)と呼ばれていたMS患者の大部分は、視神経脊髄炎スペクトラム障害(neuromyelitis optica spectrum disorder、NMOSD)である(推奨度1G)(参考文献:[1][2][3]
  1. Wingerchukらは、NMOに特異性の高いNMO-IgGの発見に基づいて、1999年発表のNMO診断基準を2006年に改訂し、さらに2015年に改訂した。NMO-IgGはアクアポリン抗体(AQP4抗体)と同等と考えられている。<図表>
 
  1. 多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023[4](推奨度1J)
  1. 日本神経学会、日本神経免疫学会、日本神経治療学会が共同で多発性硬化症治療(MS)ガイドライン委員会を立ち上げて、MSの診断・治療につき国内外の文献を検討の上でまとめ上げたガイドライン。フローチャートやクエスチョン形式で記されており、NMOSD、MOG抗体関連疾患(MOGAD)についても言及されている。
想起  
  1. 外来診察では、現在の症状に加えて過去に手足のしびれ、筋力低下、かすみ目など他の症状が出現していたことを確認したら本疾患を想起する。脳/脊髄のMRI検査で、症状を説明し得る病巣以外に異常信号領域を認める場合も同様である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
深浦彦彰 : 講演料(ノバルティスファーマ(株),田辺三菱製薬(株),中外製薬(株),バイオジェン・ジャパン(株),アレクシオンファーマ合同会社)[2025年]
監修:高橋裕秀 : 特に申告事項無し[2025年]

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多発性硬化症(MS)

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