今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 樋口敬和 獨協医科大学埼玉医療センター 輸血部

監修: 神田善伸 自治医科大学附属病院 血液科

著者校正/監修レビュー済:2021/04/21
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 内容について定期レビューを行った。

概要・推奨   

  1. 異型リンパ球atypical lymphocyteは、感染症や抗原抗体反応などにより免疫学的に反応したリンパ球である。
  1. 異型リンパ球の原因としてウイルス感染が最も多く、その他の感染症やアレルギー反応でもみられる。
  1. 異型リンパ球数が白血球分画の10%以下ならば、なんらかのウイルス感染による一過性のものであることが多く、CBCと白血球分画を再検して異型リンパ球の増加がなければ経過観察でよい場合が多い。
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約

病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 異型リンパ球(atypical lymphocyte)は、感染症や抗原抗体反応などにより免疫学的に反応したリンパ球である。
  1. 異型リンパ球の本態は、細胞傷害性T細胞やNK細胞が反応したものである。
  1. 海外では反応性リンパ球(reactive lymphocyte)と呼ばれることが多い。
  1. 異型リンパ球の診断は自動血球計測装置では困難であり、末梢血塗抹標本の鏡検が必要である。
  1. リンパ球は刺激されると大型化し、細胞質は好塩基性が強くなり、核網は粗くなり時に核小体を有する。
  1. 異型リンパ球の多くは、大型(16μm以上)で、細胞質の好塩基性が強く、核は粗剛化したクロマチン網を有する。
  1. 異型リンパ球は小型の場合もあるが、細胞質の好塩基性とクロマチンの形態で判別できる。
  1. 1923年に、DowneyによりⅠ型:単球様、Ⅱ型:形質細胞様、Ⅲ型:リンパ芽球様に分類されたが、今日ではこの分類はほとんど用いられない。
  1. 異なる患者間のみならず、1人の患者においても多様性に富む形態を示すことが多い。
  1. “異型リンパ球=腫瘍細胞”ではない。リンパ系腫瘍である“異常リンパ球”を見逃さないことが重要である。
  1. 異常リンパ球は、異型リンパ球と比較して、1人の患者において形態が単一で、N/C(nucleo-cytoplasmic)比が高く、核の辺縁不整を認め、細胞質に突起や空胞を認めることが多い。<図表>
  1. 異型リンパ球の診断が困難なことがあり、診断に迷う場合は血液専門医にコンサルトする。
  1. 施設によっては、検査結果報告で、腫瘍性の「異常リンパ球」が「異型リンパ球」または「Aty-Lym」などの略語で報告されることがあり注意が必要である。
  1. 異型リンパ球の原因としてウイルス感染が最も多く、その他の感染症やアレルギー反応でもみられる。
  1. 異型リンパ球は、時に正常人でも白血球分画の1%以下にみられることがある。
  1. 異型リンパ球が白血球分画の10%以下ならば、なんらかのウイルス感染によることが多い。
  1. リンパ球数が白血球分画の50%または絶対数で5,000/μl以上、異型リンパ球が10%または1,000/μl以上となった場合が単核球症である。
  1. Epstein Barrウイルス(EBウイルス)による単核球症を伝染性単核球症とし、それ以外の原因による単核球症は単核球症類似疾患と呼び、種々の原因でみられる。
 
異型リンパ球の判定基準

日本臨床衛生技師会の勧告に基づく異型リンパ球の判定基準

出典

社団法人日本臨床衛生技師会 血液形態検査標準化ワーキンググループ: 血液形態検査に関する勧告法. 医学検査 1996;45:1659-1671. (本文から改変して引用)
 
異型リンパ球と異常リンパ球(リンパ系腫瘍)の特徴

“異型リンパ球=腫瘍細胞”ではないが、異常リンパ球(リンパ系腫瘍)との鑑別が困難な場合もある。

出典

著者提供
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 既往歴、有熱患者との接触歴、食事歴、薬剤歴、アレルギー歴、輸血歴、危険な性交渉歴(肝炎、HIVなど)など

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
樋口敬和 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:神田善伸 : 講演料(旭化成(株),MSD(株),ノバルティスファーマ(株),ファイザー(株),サノフィ(株),中外製薬(株),アステラス製薬(株),協和キリン(株)),奨学(奨励)寄付など(協和キリン(株),中外製薬(株))[2024年]

ページ上部に戻る

異型リンパ球

戻る