今日の臨床サポート

チアノーゼ(小児科)

著者: 賀藤均 国立成育医療研究センター 病院長

監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター

著者校正/監修レビュー済:2016/06/30

概要・推奨   

所見のポイント:
  1. チアノーゼとは、血中の還元ヘモグロビンが総量で5g/dl以上になったとき、皮膚や粘膜が暗紫色になった状態をいい、中枢性と末梢性に分類される。SpO2が90%以下なら肺疾患か心疾患をまず疑う。
 
緊急対応:
  1. チアノーゼを呈する疾患で緊急性を要するのは、先天性心疾患である。特に肺血流が増加するにもかかわらず低酸素血症が存在する場合、SpO2≦75%か動脈血酸素分圧≦30mmHgの場合は、深夜でも早く専門医療施設に搬送する。
 
専門医相談のタイミング:
  1. 基本的に専門機関での治療が望ましい。
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  1. SpO2が正常なら、チアノーゼの原因は、末梢性チアノーゼ(低心拍出症候群、寒冷曝露、レイノー現象、多血症、低血糖、動脈閉塞性疾患など)となる。
  1. SpO2が90%以下なら、ほとんどが呼吸器疾患か心疾患による中枢性チアノーゼとなる。酸素投与でSpO2が90%以上になるなら呼吸器疾患の可能性が高い。ただし、新生児低酸素血症では、動脈管依存性心疾患(肺動脈弁閉鎖、三尖弁閉鎖、左心低形成症候群、大動脈弓離断、大動脈縮窄など)に気づかずに酸素をむやみに投与し続けると、動脈管が閉鎖して、数時間でショック、死亡することがある。心疾患を否定できない限り、酸素投与は可能な限り行わない。
  1. SpO2が95%未満でPaO2が正常範囲(多くは酸素投与にも関わらずSpO2が95%未満)の場合は、メトヘモグロビン血症など異常ヘモグロビン血症の可能性が最も大きい。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
賀藤均 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:五十嵐隆 : 特に申告事項無し[2021年]

病態・疫学・診察

疫学情報・病態・注意事項  
  1. チアノーゼとは、粘膜や皮膚が青紫様の色を帯びた状態をいう[1]
  1. 口唇、口腔粘膜、手足の指先で観察されるが、口唇で気づかれることが最も多い。ただ、チアノーゼの診断は、観察者の能力に依存するところが大きい。
  1. 原因は、還元型ヘモグロビンまたは異常ヘモグロビンの増加である。末梢での毛細血管中の還元型ヘモグロビンが4〜5g/dl以上になるとチアノーゼに気づかれやすくなる。血中の低酸素の程度に依存するものではない。
  1. チアノーゼは多血症で気づかれやすく、貧血では低酸素状態があっても気づかれ難い。
  1. 歴史的に末梢性と中枢性に分類されてきたが、経皮酸素飽和度(SpO2)が非侵襲的に計測できる現在は、あまり重要視されない。
問診・診察のポイント  
  1. 低酸素血症の有無を確定することが重要である。そのためには、SpO2を計測すればよい
  1. SpO2が正常なら、チアノーゼの原因は、末梢性チアノーゼとなる。
  1. SpO2が90%以下なら、ほとんどが呼吸器疾患か心疾患による中枢性チアノーゼとなる。酸素投与でSpO2が90%以上になるなら呼吸器疾患の可能性が高い。
  1. SpO295%未満でPaO2が正常範囲(多くは酸素投与にも関わらずSpO295%未満)の場合は、メトヘモグロビン血症など異常ヘモグロビン血症の可能性が最も大きい。
  1. 末梢性チアノーゼは、低心拍出症候群、寒冷曝露、レイノー現象、多血症、低血糖、動脈閉塞性疾患などで起こる。
  1. 中枢性チアノーゼは、呼吸器疾患なら呼吸中枢障害、末梢気道閉塞、肺組織構造異常、循環器疾患なら、チアノーゼ性先天性心疾患、急性心筋炎、心筋症、心不全などの後天性心疾患、特発性肺動脈性肺高血圧症がある。

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