今日の臨床サポート

中耳炎(小児科)

著者: 藤田位 藤田小児科医院(西脇市)

監修: 渡辺博 帝京大学老人保健センター

著者校正/監修レビュー済:2019/02/07
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 中耳炎とは、上気道に存在する起炎菌が耳管経由で中耳に入り炎症を起こしたものである。頻度は高く生後1歳までの乳児の63~85%、2歳までの66~99%が中耳炎に罹患している。
  1. 肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスが主な起炎菌である。
  1. 治療に関しては、わが国の小児急性中耳炎の診療のためのガイドラインとして、1)日本耳科学会などによる「小児急性中耳炎診療ガイドライン」と、2)日本外来小児科学会作成の「小児上気道炎および関連疾患に対する抗菌薬使用ガイドライン」の2つがある。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤田位 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:渡辺博 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 小児急性中耳炎診療ガイドライン2018年版
に基づき、診断基準と治療アルゴリズムを改訂した。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. わが国の小児急性中耳炎の診療のためのガイドラインとして、1)日本耳科学会などによる「小児急性中耳炎診療ガイドライン」(ガイドライン1)アルゴリズムと、2)小児外来診療における抗菌薬適正使用のためのワーキンググループ作成の「小児上気道炎および関連疾患に対する抗菌薬使用ガイドライン」(ガイドライン2)アルゴリズムの2つがある。それぞれにおける中耳炎の定義は次のとおりである。
  1. ガイドライン1:
  1. 急性に発症した中耳の感染症で、耳痛、発熱、耳漏を伴うことがある。『急性に発症』とは、本人の訴えあるいは両親や保護者に急性症状が発見され、急性症状が持続する間に受診した場合としている。持続については3週間を超えない。
  1. ガイドライン2:
  1. 急性の耳漏がみられるかあるいは中耳に貯留液を認め、かつ耳痛などの感染症状と鼓膜の明らかな発赤・強い腫脹・水疱形成などの感染所見を1つ以上認めるものとしている。
  1. ガイドライン1は主に耳鼻科医を対象としており、ガイドライン2はそれ以外の臨床医を対象としている。 エビデンス (ここではガイドライン1、2を比較対照して提示したが、一般臨床医に関係の少ない滲出性中耳炎は省いた。)
  1. 中耳炎は、耳管から上気道に存在する起炎菌が中耳に侵入し炎症を生じると考えられる。穿孔がなければ外耳道からの感染は考えられない。
  1. 肺炎球菌、インフルエンザ菌ならびにモラクセラ・カタラーリスが起炎菌の多くをしめ、現在それぞれの薬剤耐性獲得率は高い。 エビデンス 
  1. 生後1歳までの乳児の63~85%、2歳までの66~99%が中耳炎に罹患している。[1]
  1. 中耳炎の発症に影響する因子は、年齢(2歳以下に多い)、ミルク(人工栄養児に多い)、喫煙(煙に曝露されると悪い)、保育(集団保育児に多い)などである。
  1. 中耳炎が難治化する2大ファクターは、「2歳未満」と「集団保育」で、両者における耐性菌の保有率は高い。 エビデンス 
問診・診察のポイント  
  1. 中耳炎の診断には鼓膜の観察が大切である。

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