今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 八島一夫 鳥取大学 消化器・腎臓内科学分野

監修: 木下芳一 兵庫県立はりま姫路総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2022/07/06
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、診断・治療方針について加筆修正を行った。

概要・推奨   

  1. 腐食性食道炎、潰瘍の経過は、腐食性物質の種類、濃度、量、pH、粘性、接触時間などにより決まるため、受傷時の状況把握を行うことは重要である(推奨度1)
  1. 急性期の病状把握のためCT、上部消化管内視鏡検査は必要である(推奨度2)
  1. 受傷数日後から2週間程度は内視鏡検査を避けるべきである(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 腐食性食道炎とは、組織傷害性の強い化学物質の飲用によって起こる食道壁の損傷である。
  1. 原因としては、小児は洗剤などの誤飲の場合が多く、成人では自殺目的の服用が大部分を占める。欧米では小児の誤飲が原因の約80%を占め、死亡率は13.6%とされている[1][2][3][4]。一般的な腐食性物質として、酸ではトイレ用洗剤などに含まれる塩酸、硫酸など、アルカリでは配水管洗剤、漂白剤などに含まれる水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、次亜塩素酸ナトリウムなどがある。その他、重金属、農薬、フェノール、ホルムアルデヒドなどの飲用によるものもある。
  1. 食道壁の損傷の程度は、腐食性物質の種類、濃度、量、pH、粘性、接触時間に左右される。
  1. 酸は粘膜傷害が比較的表面にとどまることが多いが、アルカリは強い吸湿性および鹸化・蛋白融解作用のため病変が深部まで及び、瘢痕狭窄を来しやすい。
  1. 臨床経過は受傷後の時期により3期に分類される。(表<図表>
  1. 受傷後3週以降に組織の線維化と拘縮が始まり食道狭窄が徐々に進行する。受傷8カ月以内に狭窄が完成するといわれている。
 
  1. 腐食性食道炎、潰瘍の経過は、腐食性物質の種類、濃度、量、pH、粘性、接触時間などにより決まるため、受傷時の状況把握を行うことは重要である(推奨度1)
  1. 酸は口腔内ですぐに傷害が起きるため摂取困難であることが多く、また表面組織に凝固壊死を起こすため深部への浸透は少ない。アルカリは融解壊死を起こすため傷害が深部へ及びやすい。
問診・診察のポイント  
  1. 腐食性物質の種類、濃度、量、pH、粘性、接触時間などの受傷時の状況を把握する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
八島一夫 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:木下芳一 : 講演料(アストラゼネカ(株),武田薬品工業(株),大塚製薬(株),ヴィアトリス製薬(株))[2024年]

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腐食性食道炎、潰瘍

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