今日の臨床サポート

卵巣囊胞

著者: 北正人 関西医科大学附属病院 産科学婦人科学講座 婦人科内視鏡外科

監修: 小西郁生 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター

著者校正/監修レビュー済:2020/11/19
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科内視鏡学会:産婦人科内視鏡手術ガイドライン 2019年版
  1. 卵巣チョコレート嚢胞に対する腹腔鏡下手術
  1. 良性の卵巣腫瘍に対する腹腔鏡下手術
  1. 日本婦人科腫瘍学会:卵巣がん治療ガイドライン2015年版
  1. 日本産科婦人科学会日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 経腟超音波・腫瘍マーカー・MRIなどで良性腫瘍と悪性腫瘍・非腫瘍性病変とを鑑別する(推奨度1)。
  1. 嚢胞が大きいまたは増大傾向がある場合・有症状・悪性腫瘍の可能性が否定できない場合には、手術を考慮する(推奨度2)。
  1. 手術を選択しない場合には臨床的診断精度の限界や増大の可能性などを説明のうえ、定期検診を行う(推奨度1)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
北正人 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:小西郁生 : 未申告[2021年]

改訂のポイント:
  1. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編が2017から2020に改訂されたことに基づき、超音波診断法・MRI・腫瘍マーカーについて加筆修正を行った。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 卵巣嚢胞とは、卵巣に生ずる嚢胞状の病変の総称である。卵巣嚢胞は、機能性(生理的)嚢胞とそれ以外の病的な嚢胞に分かれる。機能性嚢胞には卵胞嚢胞と黄体嚢胞がある。病的な嚢胞は(狭義の)卵巣嚢腫と呼ばれる。
  1. 卵巣嚢腫には嚢胞腺腫・成熟奇形腫・チョコレート嚢胞(内膜症性嚢胞)などがある。無症状なことが多いが、増大に伴い下腹部膨満感・下腹部痛・性交時痛などを伴い、捻転・破裂などで激痛を生じることもある。
  1. 卵巣に腫瘍が発生する確率は、女性の全生涯でみると5~7%程度とされ、多様な組織型があり、そのなかに良性から悪性腫瘍までさまざまな腫瘍が存在する[1]<図表>
  1. 卵巣癌を含めた卵巣嚢腫の診断には、超音波・MRIなどの画像診断が最も有用である。
  1. 卵巣嚢腫スクリーニングには経腟超音波と腫瘍マーカーが汎用されるが、卵巣癌の早期発見に対する有用性は確立していない[2]
  1. 悪性が疑われる場合は、腫瘍マーカーや造影MRIで精査する。腹水がある場合は腹水細胞診を行う。また、卵巣周囲から発生する傍卵巣嚢胞、卵管水腫、偽嚢胞などの非腫瘍性病変や、生殖年代では卵胞嚢胞や出血性黄体嚢胞などの機能性嚢胞との鑑別をする。
  1. 機能性嚢胞が疑われる場合は、月経周期を考慮し、経過を追って観察する。
  1. 類腫瘍である子宮内膜症性嚢胞との鑑別が問題となることがある[3]
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 卵巣嚢胞の既往を確認する。

今なら12か月分の料金で14ヶ月利用できます(個人契約、期間限定キャンペーン)

11月30日(火)までにお申込みいただくと、
通常12ヵ月の使用期間が2ヶ月延長となり、14ヵ月ご利用いただけるようになります。

詳しくはクリック
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。

文献 

著者: J P Curtin
雑誌名: Gynecol Oncol. 1994 Dec;55(3 Pt 2):S42-6. doi: 10.1006/gyno.1994.1340.
Abstract/Text The methods for preoperative diagnosis and evaluation of the woman with a suspected ovarian neoplasm have evolved significantly with little or no impact on the surgical treatment, which remains removal of the abnormal ovary. Although most adnexal masses are benign, the primary goal of the diagnostic evaluation is the exclusion of malignancy. A complete history, physical examination, and ultrasonic imaging are vital in evaluating a suspected ovarian mass. In postmenopausal women, serum CA-125 determinations further improve sensitivity and specificity. Once the presence of an ovarian mass is established, the crucial decision is whether to observe the patient or proceed with surgical removal. If surgical removal is indicated, the proper procedure is important for staging and initiation of effective therapy. While many surgeons are now using the less invasive laparoscopic approach, the standard of care continues to be a laparotomy with either an ovarian cystectomy or oophorectomy. Future clinical research in the management of adnexal masses should focus on decreasing the number of patients undergoing a surgical procedure, and in patients who require surgery, further evaluation of laparoscopy as a safe, cost-effective means of treatment. Improved imaging techniques may allow for nonoperative management of probably benign ovarian neoplasms.

PMID 7835810  Gynecol Oncol. 1994 Dec;55(3 Pt 2):S42-6. doi: 10.1006/・・・
著者: T J Crayford, S Campbell, T H Bourne, H J Rawson, W P Collins
雑誌名: Lancet. 2000 Mar 25;355(9209):1060-3. doi: 10.1016/S0140-6736(00)02038-9.
Abstract/Text BACKGROUND: Whether some benign ovarian cysts can develop into cancerous cysts is not known. If a large proportion of ovarian cancers arose in this way, it might be possible to remove the benign cysts in a screening programme before they became malignant. We used follow-up data from a cohort of 5479 self-referred women without symptoms, who participated in a ultrasonographic-screening trial for early ovarian cancer between June, 1981, and August, 1987. We assessed whether the removal of persistent ovarian cysts from these women was associated with a reduction in the expected number of deaths from ovarian cancer in the cohort as a whole.
METHODS: The expected number of deaths from all causes, all cancers, and ovarian, breast, and colorectal cancers were calculated for the study cohort by the standard life-table method. The actual number of deaths and each cause were obtained and the proportional mortality ratio was calculated for each cause of death.
FINDINGS: 5135 (95%) of the participants in the original trial were traced. During the screening, five of these women were found to have stage I epithelial ovarian cancer and 88 had benign epithelial ovarian tumours. The number of reported deaths from all causes (387 [50% of expected]), all cancers (221 [71%]), and ovarian cancer (22 [90%]) was lower than expected because of the "healthy-volunteer effect". Proportional mortality ratios were 100% (by definition) for all cancers, 141% for breast cancer, 128% for ovarian cancer (95% CI 87.7-187.6, p=0.19), 84% for colorectal cancer, and 48% for lung cancer.
INTERPRETATION: The removal of persistent ovarian cysts was not associated with a decrease in the proportion of expected deaths from ovarian cancer relative to other cancers during follow-up. For population-based screening of healthy women without a family history of ovarian cancer, a screening test is required that is specific and sensitive to early malignant disease, and inexpensive.

PMID 10744092  Lancet. 2000 Mar 25;355(9209):1060-3. doi: 10.1016/S014・・・

ページ上部に戻る

戻る

さらなるご利用にはご登録が必要です。

こちらよりご契約または優待日間無料トライアルお申込みをお願いします。

(※トライアルご登録は1名様につき、一度となります)


ご契約の場合はご招待された方だけのご優待特典があります。

以下の優待コードを入力いただくと、

契約期間が通常12ヵ月のところ、14ヵ月ご利用いただけます。

優待コード: (利用期限:まで)

ご契約はこちらから