今日の臨床サポート

外耳炎・外耳道湿疹

著者: 小川洋 福島県立医科大学会津医療センター耳鼻咽喉科学講座

監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院

著者校正/監修レビュー済:2019/09/20
参考ガイドライン:
Clinical Practice Guideline: Acute Otitis Externa Otolaryngology—Head and Neck Surgery Volume 150, Issue 1_suppl, February 2014, Pages S1-S24
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 慢性の外耳道炎、外耳道湿疹は全身的な皮膚疾患に伴うことがある。乾癬やアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎が原因となっているものに関しては問診、パッチテストが必要となる。
  1. 急性限局性外耳道炎と急性乳様突起炎どちらも外耳道が腫脹し耳介が変位することがあるが、起因菌の頻度が異なること、治療方針が異なることから鑑別が重要となる。
  1. 通常急性外耳道炎の場合真菌感染の頻度は10%程度と低いが、これらは通常の治療に抵抗するため、このような場合には真菌感染を強く疑い、真菌に対する治療を行う。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
小川洋 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:森山寛 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い2014年に改訂された米国のガイドラインをもとに加筆訂正した。

まとめ

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 外耳道は解剖学的な特徴から軟骨部外耳道と骨部外耳道で病態が異なる。
 
外耳道の形態(模式図)

外耳道の外側1/3は軟骨部外耳道、内側2/3は骨部外耳道と呼ばれ、軟骨部外耳道には耳毛、皮脂腺、耳垢腺、汗腺などの皮下付属組織が存在するが、骨部外耳道は皮膚層が薄く骨と密に接合している。外耳道入口部の毛包や皮脂腺などに細菌感染が起こった場合、限局性外耳道炎となり、一般に癤の形をとる。骨部外耳道は皮膚の可動性がないため外力で容易に傷がつきやすく皮膚炎を起こしやすい。湿気、局所の外傷により急性びまん性外耳道炎を引き起こす。外耳道の生理的な特徴として表層の角化物が外耳道入口部方向へ排出される自浄作様に加えpH5.0のアポクリン腺分泌液により酸性の状態に維持し病原菌の発育を抑制している。この自浄作用に破綻を来すと外耳道炎を生じる。
外耳道炎は臨床的な診断名である。

出典

img1:  著者提供
 
 
 
  1. 急性外耳道炎と慢性外耳道炎・外耳道湿疹に分けることができる。
  1. 過去3週間で48時間以内に耳介、鼓膜を含む外耳道のびまん性炎症を急性外耳道炎としている。
  1. 6週間以上経過したものを慢性外耳道炎としている。
  1. 外耳道皮膚に炎症を来したものを外耳道炎、物理的な刺激によるものを湿疹と分類する意見があるが、臨床的に慢性の経過をたどる慢性外耳道炎と外耳道湿疹の区別は困難である。
  1. 急性外耳道炎は軟骨部外耳道において毛嚢や腺組織の細菌感染により耳癤となり、骨部においてびまん性外耳道炎の形態をとる。
  1. 慢性外耳道炎、外耳道湿疹はびまん性に皮膚のびらんを生じた状態で全身的な皮膚疾患の1つとして認められる場合がある。
  1. 慢性外耳道炎、外耳道湿疹は真菌の関与する割合が高い。
  1. 外耳道湿疹は化学物質、金属アレルギー、アトピー性皮膚炎などと関連する場合がある。
  1. 真菌が関与するとより難治化することが多い。
  1. 特殊な病態として糖尿病患者における緑膿菌感染による悪性外耳道炎がある。
 
  1. 急性外耳道炎の起因菌
  1. 急性外耳道炎のほとんどが細菌感染によるものであり、緑膿菌、黄色ブドウ球菌によるものが多い。混合感染によるものも認められる[1]
 
  1. 湿潤が原因である外耳道炎に対する予防
  1. 予防法:水泳シーズン、ダイビングシーズンなどには酢酸もしくはアルコールの点耳をすることが米国の治療指針では示されている。水泳や入浴後は綿棒の使用を極力避け、ヘアドライアーで十分に乾燥させる。低アレルギー性の耳栓(補聴器や水泳の際に水が入らないようにする耳栓)の使用が外耳道炎の予防効果があるかどうかは賛否両論存在する。
問診・診察のポイント  
 
問診
  1. 耳痛の有無、その経緯

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文献 

著者: Richard M Rosenfeld, Seth R Schwartz, C Ron Cannon, Peter S Roland, Geoffrey R Simon, Kaparaboyna Ashok Kumar, William W Huang, Helen W Haskell, Peter J Robertson
雑誌名: Otolaryngol Head Neck Surg. 2014 Feb;150(1 Suppl):S1-S24. doi: 10.1177/0194599813517083.
Abstract/Text OBJECTIVE: This clinical practice guideline is an update and replacement for an earlier guideline published in 2006 by the American Academy of Otolaryngology-Head and Neck Surgery Foundation. This update provides evidence-based recommendations to manage acute otitis externa (AOE), defined as diffuse inflammation of the external ear canal, which may also involve the pinna or tympanic membrane. The variations in management of AOE and the importance of accurate diagnosis suggest a need for updating the clinical practice guideline. The primary outcome considered in this guideline is clinical resolution of AOE.
PURPOSE: The primary purpose of the original guideline was to promote appropriate use of oral and topical antimicrobials for AOE and to highlight the need for adequate pain relief. An updated guideline is needed because of new clinical trials, new systematic reviews, and the lack of consumer participation in the initial guideline development group. The target patient is aged 2 years or older with diffuse AOE. Differential diagnosis will be discussed, but recommendations for management will be limited to diffuse AOE, which is almost exclusively a bacterial infection. This guideline is intended for primary care and specialist clinicians, including otolaryngologists-head and neck surgeons, pediatricians, family physicians, emergency physicians, internists, nurse practitioners, and physician assistants. This guideline is applicable in any setting in which patients with diffuse AOE would be identified, monitored, or managed.
ACTION STATEMENTS: The development group made strong recommendations that (1) clinicians should assess patients with AOE for pain and recommend analgesic treatment based on the severity of pain and (2) clinicians should not prescribe systemic antimicrobials as initial therapy for diffuse, uncomplicated AOE unless there is extension outside the ear canal or the presence of specific host factors that would indicate a need for systemic therapy. The development group made recommendations that (1) clinicians should distinguish diffuse AOE from other causes of otalgia, otorrhea, and inflammation of the external ear canal; (2) clinicians should assess the patient with diffuse AOE for factors that modify management (nonintact tympanic membrane, tympanostomy tube, diabetes, immunocompromised state, prior radiotherapy); (3) clinicians should prescribe topical preparations for initial therapy of diffuse, uncomplicated AOE; (4) clinicians should enhance the delivery of topical drops by informing the patient how to administer topical drops and by performing aural toilet, placing a wick, or both, when the ear canal is obstructed; (5) clinicians should prescribe a non-ototoxic preparation when the patient has a known or suspected perforation of the tympanic membrane, including a tympanostomy tube; and (6) clinicians should reassess the patient who fails to respond to the initial therapeutic option within 48 to 72 hours [corrected] to confirm the diagnosis of diffuse AOE and to exclude other causes of illness.

PMID 24491310  Otolaryngol Head Neck Surg. 2014 Feb;150(1 Suppl):S1-S2・・・
著者: S Sood, D R Strachan, A Tsikoudas, G I Stables
雑誌名: Clin Otolaryngol Allied Sci. 2002 Aug;27(4):233-6.
Abstract/Text Chronic otitis externa is a common condition, which is usually successfully treated by topical medications and aural toilet. In cases that persist despite conventional treatment, a diagnosis of allergic otitis externa should be considered. Sensitization to otic medications (secondary contact otitis) is not uncommon. Topical aminoglycosides are the most common sensitizers although many components of topical preparations can cause sensitization. Patients who may have developed allergic otitis externa should undergo patch testing. Otolaryngologists should consider using topical antibiotics with a low allergenic potential and avoiding neomycin when treating patients with otitis externa. Primary contact otitis may occur to metals used in earrings and also to hearing aid moulds. Treatment of both primary and secondary contact otitis consists of identifying the allergen, avoiding further contact and use of simple preparations avoiding common sensitizers.

PMID 12169122  Clin Otolaryngol Allied Sci. 2002 Aug;27(4):233-6.

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