今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 石井正則 JCHO(ジェイコー)東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科

監修: 森山寛1) 東京慈恵会医科大学附属病院

監修: 小島博己2) 東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科

著者校正済:2022/04/27
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本めまい平衡医学会:メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン 2020年度第2版
  1. 厚生労働省難治性疾患克服研究事業 前庭機能異常に関する調査研究班(2008~2010年度):メニエール病診療ガイドライン 2011年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 2011年度のガイドラインに基づきコンセンサスの得られた診断・検査・治療について改訂を行った。

概要・推奨   

  1. ストレスを抱えて発症することが多く、ライフスタイルを見つめ直す必要がある。生活習慣の改善、ストレスの影響緩和の方策として、有酸素運動がメニエール病の再発作を抑えるという研究報告がある。
  1. めまい発作のとき、生理食塩水100mLにメイロン60mLとホリゾン5mgを30分くらいかけて点滴静注する。めまい発作が1~2時間で治まらなければ、同様の点滴を1~2回繰り返す。それでもめまい発作が取れない場合は、入院する必要がある。
  1. メニエール病の病態は内リンパ水腫である。発生病因は未だに不明であるが、循環障害、形態異常、自律神経障害、炎症性誘発因子などが考えられている。
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  1. その論文には、ストレス関連の症状(肩こり、首こり、過敏性腸症候群、冷え症、頭痛など)を伴っている患者が多いことも判ってきた[1]

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
ポイント:
  1. メニエール病とは、難聴などの聴覚症状を伴うめまい発作を反復する疾患で、内耳の内リンパ水腫が病態と考えられている。
 
内リンパの貯留

内耳を満たす内リンパが過剰になる(内リンパ水腫)と、内耳の動きが異常となり、めまいを生じる。

出典

[https://www.memai-navi.com/chishiki/genin01.htm めまいナビ リンパの増加(内リンパ水腫):メニエール病]
 
  1. 発症年齢は、高齢化する傾向があり、男女差では女性に増加傾向が認められる。
  1. わが国の発症率は、人口10万あたり35~48人である。
 
疫学的特徴:
  1. これは、メニエール病とメニエール病以外のめまい疾患、耳疾患以外の耳鼻咽喉科疾患、健常者を対照とした調査結果として、以下のような特徴が認められた。
  1. 他のめまい症例、耳鼻科疾患より家族内発症が少数
  1. 他のめまい症例、耳鼻科疾患より既婚者割合が高い
  1. 他のめまい症例、耳鼻科疾患、健常者より肥満者の割合が少ない
  1. 他のめまい症例、耳鼻科疾患より自分の性格を几帳面・神経質・勝ち気と答える割合が高い
  1. 他の耳鼻科疾患より精神的・肉体的疲労、ストレス、睡眠不足の割合が高い
  1. 突発性難聴と比較して生活時間帯に多発する
  1. 寒冷前線通過、低気圧など気象変化が発作に関連していることがある
問診・診察のポイント  
問診のポイント:
  1. めまいの性状(回転性か、めまい発作を反復しているか)

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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
石井正則 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:森山寛 : 未申告[2024年]
監修:小島博己 : 特に申告事項無し[2024年]

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メニエール病

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