今日の臨床サポート

肘頭滑液包炎

著者: 高瀬勝己 東京医科大学 整形外科

監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター

著者校正済:2021/09/01
現在監修レビュー中
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 局所に発赤あるいは熱感を呈した場合は、穿刺液の細菌培養検査が推奨される。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
高瀬勝己 : 未申告[2021年]
監修:落合直之 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、一部加筆修正を行った。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 関節を構成する関節包は、外層の線維膜と内層の滑膜の2層からなっている。特に大関節では、滑膜が線維膜を通して外方に突出し滑液を含む包(関節滑液包)をつくることがあるが、関節腔内と必ずしも通じているとは限らない。
  1. 関節滑液包は筋あるいは腱の下に存在し、機能的には可動部分の間の摩擦を最小限にして運動を滑らかにする役割を担っている。
  1. 肘頭周囲に存在する滑液包には特殊性があり、深在性と浅在性の2種類が存在する。前者の深在性は上腕三頭筋が肘頭の付着部に存在する肘頭腱内包と上腕三頭筋腱下包であり、後者の浅在性は皮下に存在する肘頭皮下包である。特に、この肘頭滑液包は生下時には存在せず、学童期に机に肘をつくようになる頃より出現し加齢とともに大きくなると報告されている[1]
  1. 一般的に、臨床上よく遭遇する肘関節周囲の滑液包に発生する障害は肘頭皮下包であり、肘頭滑液包炎としてよく知られている。特に、通常の反復刺激により発生した非感染性肘頭滑液包炎は、肘頭皮下に限局した無痛性で半球状の腫脹を認め、多くは波動を触知する。30~60歳の中・高年齢層に発症しやすい。
  1. 60%以上は非感染性の滑液包炎が占める。
  1. 特に、肘頭部に繰り返す機械的刺激が加わる職業(古くは畳職人)に多いとされる。
  1. 外傷、感染、痛風、関節リウマチ、透析患者に続発することもある。
  1. 細菌感染所見が加われば疼痛あるいは熱感等の局所炎症症状が高度となり、日常生活動作に強い障害をきたす。
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 発症機転を確認する。特に、職業あるいは日常生活における肘立て動作の頻度を確認する。

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文献 

著者: J Chen, D Alk, I Eventov, S Wientroub
雑誌名: Acta Orthop Scand. 1987 Aug;58(4):408-9.
Abstract/Text Anatomic dissection of the elbows of 63 cadavers selected at random were performed in an attempt to find out whether the incidental disparity of olecranon bursitis between children and adults might be explained by anatomic differences. The volume of the bursae was determined by syringes used for methylene blue injections. There were no olecranon bursae in children under the age of 7 years; the volume of the bursae increased with age; and the bursa was usually larger on the right, i.e., the common dominant side. The formation of the bursae in late childhood can explain the low incidence of olecranon bursitis in children.

PMID 3673537  Acta Orthop Scand. 1987 Aug;58(4):408-9.
著者: N J Stewart, J B Manzanares, B F Morrey
雑誌名: J Shoulder Elbow Surg. 1997 Jan-Feb;6(1):49-54.
Abstract/Text Most cases of aseptic olecranon bursitis respond to conservative treatment, yet some will develop a chronic bursitis with sufficient symptoms to warrant surgery. Over a 10-year period 21 cases of aseptic olecranon bursitis were treated surgically at our institution. Surveillance was a minimum of 2 years and averaged 5.2 years. The procedure provided complete and long-term relief in only 40% (two of five) of patients with rheumatoid arthritis, whereas 94% (15 of 16) of the patients without rheumatoid arthritis did well (p = 0.028, Fisher's Exact test). No patients had deep infection or draining wounds. Properly performed surgical treatment of aseptic olecranon bursitis appears to offer long-lasting symptomatic relief to patients without rheumatoid arthritis.

PMID 9071682  J Shoulder Elbow Surg. 1997 Jan-Feb;6(1):49-54.
著者: Ilse Degreef, Luc De Smet
雑誌名: Acta Orthop Belg. 2006 Aug;72(4):400-3.
Abstract/Text We retrospectively reviewed 37 cases of resection of the olecranon bursa and noted wound healing problems in 10 (27%) and recurrence in 8 (22%). A lateral arm flap was necessary in one patient. Conservative treatment remains the treatment of choice for olecranon bursitis. Differentiation between septic and non-septic cases is challenging. The risk of wound healing problems and recurrence should be taken into account when planning surgical resection.

PMID 17009818  Acta Orthop Belg. 2006 Aug;72(4):400-3.

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