今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 永田高志 自衛隊中央病院救急科

監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問

著者校正/監修レビュー済:2024/02/07
参考ガイドライン:
  1. 日本集団災害医学会DMATテキスト改訂版編集委員会編:[改訂第2版]DMAT標準テキスト, へるす出版, 2015年
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 災害時の医療の組み立て方について補足し、概念を示す図表を追加した。
  1. 日本DMATの関する記載を追加した。
  1. 緊急時指揮調整システム(Incident Command System;ICS)についての説明を追加した。

概要・推奨   

まとめ 

まとめ  
  1. 災害医療の実践(CSCATTT)とは、多数傷病者発生事故に医療機関が対応するための戦術的アプローチを示したものであり、“Command & Control、Safety、Communication、Assessment、Triage、Treatment、Transport” の7つの基本原則に要約される。
  1. 災害時の医療の組み立て方としては、体制を整えてから(管理・運営)医療活動を行う(医療支援)ことが求められる。管理運営がCSCAであり、医療支援がTTTである。CSCAが確立されてTTTが行われる。逆に言えば、CSCAが確立されてなければ、TTTを行うことはできない。
 
災害時の医療の組み立て方

出典

著者提供
 
大規模災害への体系的な対応の基本原則

出典

著者提供
 
CSCATTTの7つの基本原則

出典

Simon Carley, Kevin Mackway‐Jones, Advanced Life Support Group, MIMMS日本委員会 (翻訳): ホスピタルMIMMS 大事故災害への医療対応―病院における実践的アプローチ. 永井書店, 2009.
 
  1. CSCATTTの出典は、英国で開発された多数傷病者事故に対する医療対応を教育するための教育コース( Major Incident Medical Management and Support、MIMMS)である。
 
  1. 多数傷病者事故や大規模災害への災害医療対応における学術的なエビデンスについて
  1. 残念ながら、多数傷病者事故や大規模災害への災害医療対応における学術的なエビデンスは、糖尿病や高血圧、急性冠症候群といった日常診療で数多くみられる疾患と比較して十分に確立されていないのが現実である。多数傷病者事故や大規模災害の頻度が比較的まれであり、その事象は単に医療だけでなく、社会経済的な背景を含んだ複雑な事象である。そのため災害医療の研究は、過去の事例報告や傷病者分析やシミュレーションに基づくものが中心で、科学的な再現性が担保されず、また、確立されたデータ分析に基づくものではないため、その解釈には注意を要する。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
永田高志 : 未申告[2024年]
監修:箕輪良行 : 特に申告事項無し[2024年]

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災害医療の実践(CSCATTT)

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