今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 高橋弘毅 社会医療法人即仁会北広島病院 札幌呼吸器医学研究所

監修: 長瀬隆英 東京大学名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2024/08/21
参考ガイドライン:
  1. 日本呼吸器学会:特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き2022(改訂第4版)
  1. 日本呼吸器学会:特発性肺線維症の治療ガイドライン2023(改訂第2版)
  1. American Thoracic Society, European Respiratory Society, Japanese Respiratory Society, and Asociación Latinoamericana de Tórax:Idiopathic Pulmonary Fibrosis (an Update) and Progressive Pulmonary Fibrosis in Adults: An Official ATS/ERS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline
  1. 米国胸部学会(ATS):【翻訳版】ATS 特発性肺線維症の診断. 公式ATS/ERS/JRS/ALAT臨床実践ガイドライン(2018)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 指定難病「特発性間質性肺炎(IIPs)」の診断基準と重症度分類の改定(2024年4月)に伴い加筆・修正を行った。
 

概要・推奨   

  1. 抗線維化薬ニンテダニブ(オフェブ)は薬事法上これまで特発性肺線維症と全身性強皮症に伴う間質性肺疾患に限定され使用されてきたが、新たな大規模ランダム化比較試験によって、それ以外の進行性線維化を伴う間質性肺疾患においてもその有効性(努力性肺活量の経時的減少を有意に抑制)が示され[1]、2020年5月、「進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)」が追加承認された。
  1. 国際ガイドライン(2022)において、PF-ILDに近い概念として、進行性肺線維症(PPF)が提唱された。これは疾患の背景となる病態を示す概念であり、診断名ではない。また、PPFは予後に関する概念であるが、抗線維化薬治療の患者の同定に適しているかは現時点では不明である。
  1. 特発性肺線維症(IPF)の診断に関するフローにおいて、呼吸器内科医、放射線診断医、病理医等の多分野の専門医で構成される集学的検討(multidisciplinary discussion:MDD)の位置付けが高められた。
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  1. 安静時の経皮酸素飽和度(SpO2)が正常であっても、労作時に90%未満まで低下する患者には積極的に在宅酸素療法(HOT)の導入を勧める(推奨度1)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
高橋弘毅 : 講演料(ベーリンガーインゲルハイム(株))[2024年]
監修:長瀬隆英 : 特に申告事項無し[2024年]

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