今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 渡利英道1) 北海道大学大学院医学研究院産婦人科学教室

著者: 三田村卓2) 北海道大学病院 婦人科

監修: 青木大輔 赤坂山王メディカルセンター

著者校正/監修レビュー済:2024/05/15
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科学会日本病理学会:子宮体癌取扱い規約 病理編 第5版
  1. 日本婦人科腫瘍学会:子宮体がん治療ガイドライン2023年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 「子宮体がん治療ガイドライン 2023年版」の発行に伴いレビューを行った。
  1. 類内膜癌の分子遺伝学的分類について追記した。
  1. 子宮摘出術式は、筋膜外単純子宮全摘出術が標準術式であることを追記した。
 

概要・推奨   

  1. 子宮内膜に発生した癌が子宮体部を超えて広がり、子宮頸部や卵巣卵管に浸潤した状態、経卵管的に腹腔内に播種した状態、血行性あるいはリンパ行性に転移した状態で発見される。
  1. 漿液性癌や明細胞癌では、原発巣が子宮体部に限局する比較的小さな腫瘍でも播種や転移を起していることがある。
  1. 再発高リスクであり、術後の補助療法や再発時の治療を見越した集学的な治療戦略を練る必要がある。
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病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. ⼦宮内膜に発⽣した癌が子宮体部を超えて広がり、子宮頸部や卵巣卵管に浸潤した状態、経卵管的に腹腔内に播種した状態、血行性あるいはリンパ行性に転移した状態で発見される。
  1. 臨床病理学的分類(子宮体がん(初期):I期を参照)のうち、エストロゲン非依存性の漿液性癌や明細胞癌では、原発巣が子宮体部に限局する比較的小さな腫瘍でも播種や転移を起していることがある[1][2]
  1. 類内膜癌は、新たにWHO分類第5版に則り分子遺伝学的に4つのカテゴリー(POLE-ultramutated、mismatch repair-deficient、p53-mutant、no specific molecular profile)に分類することが提案されている。
  1. すべての症例が再発高リスクであり、術後の補助療法や再発時の治療を見越した集学的な治療戦略を練る必要がある。
問診・診察のポイント  
  1. 閉経後女性が性器出血を訴える場合は、子宮体がんを念頭に置いて内診、細胞診、内膜組織診、超音波検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
渡利英道 : 講演料(MSD(株)),研究費・助成金など(MSD(株))[2024年]
三田村卓 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:青木大輔 : 特に申告事項無し[2024年]

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子宮体がん(進行期):Ⅱ期以上

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