今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 冲中敬二 国立がん研究センター東病院 総合内科

監修: 具芳明 東京科学大学大学院医歯学総合研究科 統合臨床感染症学分野

著者校正/監修レビュー済:2024/11/13
参考ガイドライン:
  1. CDCACIP Recommendations(2024年7月17日閲覧)
  1. 日本呼吸器学会日本感染症学会日本ワクチン学会:65 歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第6版 2024 年9月6日)
  1. 環境感染学会:医療関係者のためのワクチンガイドライン 第3版
  1. 米国感染症学会(IDSA):免疫不全者へのワクチン接種ガイドライン Infectious Diseases Society of America. 2013 IDSA clinical practice guideline for vaccination of the immunocompromised host. Clin Infect Dis. 2014 Feb;58(3):e44-100.
  1. 米国臨床腫瘍学会(ASCO):Vaccination of Adults With Cancer: ASCO Guideline. J Clin Oncol. 2024 Mar 18:JCO2400032.
  1. 日本臨床腫瘍学会:発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン 改訂第3版
  1. National HIV Curriculum成人へのワクチン
  1. 米国リウマチ学会:ワクチンガイドライン
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、RSウイルスワクチンについて新たに項目を作成し記載した。
  1. 2023年に、60歳以上(Arexvy(アジュバントRSVワクチン)、Abrysvo(二価プレフュージョンワクチン))と妊婦(Abrysvo)を対象としたRSウイルスワクチンが国内で承認された。
  1. ArexvyおよびAbrysvoのワクチン効果に関して、免疫不全のない60歳以上を対象とした研究では、接種シーズンの下気道感染に対する前者では82.6%、翌シーズンが56.1%、2シーズンまとめると74.5%の効果が示され、後者では88.9%、翌シーズンが78.6%、2シーズンまとめると84.4%の効果が示された(Surie D, et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2023 Oct 6;72(40):1083-1088.)。
  1. 国内未承認のmRNAワクチンも免疫不全のない60歳以上を対象とした臨床試験では、下気道感染へのワクチン効果が約83%と報告されている(Wilson E, et al. N Engl J Med. 2023 Dec 14;389(24):2233-2244.)。
  1. ランダム化試験のメタ解析では、母親のワクチン接種はRSウイルスに感染した乳児の入院を減少させることが示されている(リスク比0.50;95%CI:0.31-0.82)(Phijffer EW, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2024 May 2;5(5):CD015134.)。
  1. その他のワクチンについても2024年7月時点での新たな推奨内容にアップデートした。
  1. 高齢者におけるインフルエンザ高用量ワクチン:2023年12月に日本国内でも販売製造承認申請が行われている。
  1. 肺炎球菌ワクチン:2024年8月末にPCV20が発売され、PCV13は9月で終売となった。2024年9月時点で日本国内で推奨されている65歳以上の成人に対する接種について、アルゴリズムを引用し加筆した。
  1. 帯状疱疹ワクチン:2024年7月現在、国内では65歳以上への定期接種の位置づけについて検討されている。

概要・推奨   

  1. ワクチン接種は接種した人を伝染性疾患から守るだけでなく、周囲の大切な人を守る役割も果たす。
  1. 特に医療従事者や免疫不全者のケアギバー(Care giver)は毎年のインフルエンザワクチン接種や新型コロナワクチン接種が推奨されている。
 
インフルエンザワクチン:
  1. 健常成人および高齢者へのインフルエンザワクチンへの一定の予防有効性が示されている(推奨度1)
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  1. 2020年2月4日付けの厚生労働省健康局長通知によって、予防接種間隔の改訂がなされることとなった。具体的内容は2月28日の厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課からの事務連絡に記載がある[1]。10月1日に定期接種実施要領が改正された。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
冲中敬二 : 講演料(グラクソ・スミスクライン(株))[2024年]
監修:具芳明 : 研究費・助成金など(MSD(株))[2024年]

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