今日の臨床サポート

消化管内異物

著者: 羽生泰樹 大阪府済生会野江病院 消化器内科

監修: 木下芳一 兵庫県立姫路循環器病センター/製鉄記念広畑病院

著者校正/監修レビュー済:2019/07/26
参考ガイドライン:
日本消化器内視鏡学会: 消化器内視鏡ガイドライン 改訂版第3版
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 消化管内異物は緊急例が多く、予想外の事態が起こり得る病態であり、種々の診療科の協力が必要となる場合がある。
  1. CTは、異物の描出のみならず、縦隔気腫、穿孔、腸閉塞など合併する重篤な病態の評価にも有用であり、可能であればCTの施行が望ましい(推奨度2)。
  1. 消化管内異物は内視鏡的に摘出可能な場合が多いが、偶発症の可能性も念頭に置き、予め様々な事態を想定、準備、シミュレーションを行ってから内視鏡的摘出に臨むことが推奨される。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
羽生泰樹 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:木下芳一 : 講演料(アストラゼネカ,武田,大塚,第一三共)[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 消化管内異物とは、食物以外の、通常消化管内にないものが消化管内に停滞する状態であり、魚骨など、食物の一部であっても、有症状の場合や治療が必要になるものは、一般に異物とされる。また食道狭窄などがあり、肉片などが狭窄部に停滞する場合や、体内で形成される結石(胃石など)や寄生虫(アニサキスなど)も異物として取り扱われることが多い。
  1. 消化管内異物の頻度について系統的な疫学資料はないが、日常診療において比較的よく遭遇する病態である。
  1. 異物の存在(停滞)する部位により、食道異物、胃内異物、十二指腸異物、小腸異物、大腸異物、直腸異物に分類される。
  1. 異物の多くは経口的な誤飲によるものであるが、意図的に嚥下されたものや経肛門的に挿入されたものもある。
  1. 小児では6カ月~6歳の乳幼児に多く、身近にある硬貨、磁石、ボタン電池、遊具などが誤飲されやすい。成人では高齢者、精神疾患患者、歯科治療中、飲酒による酩酊状態などに多く、PTP(press through package)、魚骨、義歯などの誤飲が多い。
  1. 経口的に侵入した異物のうち、80~90%は自然排出され、10~20%が内視鏡的に摘出され、約1%が外科的処置を要するとされる[1]
  1. 臨床的に問題となる消化管内異物は内視鏡的に摘出可能である場合が多いが、消化管粘膜の損傷、壊死、穿孔、周囲への炎症の波及(縦隔炎、腹膜炎)、気道への穿通による呼吸不全や肺炎、血管への穿通による大出血など重篤な病態を合併する場合があり、内視鏡的異物摘出に伴う偶発症の可能性も念頭に置き、慎重な対応が求められる。
問診・診察のポイント  
  1. 意識清明で理解力のある成人、小児の場合、誤飲したという訴えで来院し、異物の特定も容易であることが多いが、理解力の乏しい成人、精神疾患患者や乳幼児では患者本人からの聴取は困難なことが多く、家族や近くにいた人から詳しく問診する必要がある。食事の最終摂取時間や内容も聞いておく。

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文献 

著者: W A Webb
雑誌名: Gastroenterology. 1988 Jan;94(1):204-16.
Abstract/Text In the United States, 1500 people die yearly of ingested foreign bodies of the upper gastrointestinal tract. The flexible esophagogastroduodenoscope has had a major impact on the treatment of these foreign bodies. The following discussion includes the management of coins, meat impaction, sharp and pointed objects, button batteries, and cocaine packets; and it reflects both a personal experience and a review of the literature. The uses of the rigid and the flexible endoscopes, the Foley catheter, glucagon, papain, and gas-forming agents are presented. The cost-effectiveness impact of the flexible endoscope is also detailed, and morbidity and mortality rates for foreign body management are included.

PMID 3275566  Gastroenterology. 1988 Jan;94(1):204-16.

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