今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 駄賀晴子 大阪市立総合医療センター

監修: 高橋和久 順天堂大学大学院

著者校正済:2025/02/12
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本肺癌学会:肺癌診療ガイドライン―悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2024年度版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. TNM分類の改定(第9版)に従い記載内容を修正した。

概要・推奨   

  1. 小細胞肺癌は肺癌全体の10~15%を占め、増殖速度が速く、早期に血行性・リンパ行性遠隔転移を来す。
  1. 病期診断には、治療選択の面からTNM分類に加えて限局型(limited disease:LD)と進展型(extensive disease:ED)の分類が使用されることが多く、治療の主体は薬物療法と放射線療法である。
  1. LD症例のうち臨床病期I、IIA期(N0)[第9版] においては手術療法+薬物療法で良好な成績が報告されており、手術を含む治療が推奨される(推奨度1、CJG)。また、医学的な理由で手術ができない場合、定位照射も選択肢の1つとなる(推奨度2、CJG)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 小細胞肺癌は、肺癌全体の約10~15%を占める肺癌の一種で、細胞質が乏しく好塩基性色調の強い小型細胞で構成され、神経内分泌腫瘍の一亜型としても分類される。
  1. 喫煙との関連が高く、特に重喫煙者に多く認められる。
  1. 非小細胞肺癌と比較すると、腫瘍の増殖速度が速く、早期に血行性・リンパ行性遠隔転移を起こす。
  1. 肺門部が好発部位だが、末梢発生もまれではなく、原発巣が比較的小さな時期よりリンパ節転移が認められることが多い。
  1. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)やクッシング症候群、ランバート・イートン症候群などの腫瘍随伴症候群を伴うことがある。
  1. 小細胞肺癌の病期診断には、TNM分類に加えて限局型(limited disease:LD)と進展型(extensive disease:ED)の分類が使用されることが多く、頻度はLDが30~40%、EDが60~70%である。
  1. 治療は放射線療法、薬物療法が主体となる。
  1. 小細胞肺癌は進行が速いため、疑われた場合は速やかに確定診断と病期診断を行い、できるだけ早く治療を開始する。
問診・診察のポイント  
問診のポイント:
  1. 小細胞肺癌はさまざまな症状を呈することが多いため、全身症状を含めた問診が必要となる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
駄賀晴子 : 講演料(アストラゼネカ(株))[2024年]
監修:高橋和久 : 講演料(アストラゼネカ(株),中外製薬(株)),研究費・助成金など(小野薬品工業(株),中外製薬(株),MSD(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株)),奨学(奨励)寄付など(杏林製薬(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株),大鵬薬品工業(株),中外製薬(株))[2024年]

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小細胞肺癌(初期)

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