今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 山田忠明 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学

著者: 髙山浩一 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学

監修: 高橋和久 順天堂大学大学院

著者校正済:2025/01/29
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本肺癌学会:肺癌診療ガイドライン―悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2024年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『肺癌診療ガイドライン 2024年版』に基づき、術前病期診断、⼿術術式、術後補助療法について加筆・修正を⾏った。主なものとして、以下の術後補助療法について加筆を⾏った。
  1. ALK融合遺伝子陽性の術後病理病期II-IIIB期、完全切除例に対する術後補助薬物療法としてアレクチニブ単剤による治療が追加された。
  1. 臨床病期II-IIIB期に対して、術前にプラチナ製剤併用療法とペムブロリズマブを併用し、術後にペムブロリズマブの追加を行う周術期治療が追加された。
 

概要・推奨   

  1. 非小細胞肺癌の術前病期診断(T因子)おいて、胸部造影CTを行うよう強く推奨する(推奨度1、C)
  1. 非小細胞肺癌の術前病期診断(N因子)に際し、胸部造影CT、FDG-PET/CTを行うよう強く推奨する(推奨度1、A)
  1. 非小細胞肺癌の術前病期診断(M因子)のために、PET/CTと頭部造影MRIを行うよう強く推奨する(推奨度1、A)
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  1. ※推奨度とエビデンスの強さについては下記『肺癌診療ガイドライン 2024年版』を参照のこと。
    https://www.haigan.gr.jp/publication/guideline/examination/2024/jo/24002024ho00.html(2025年1月参照)

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 2021年の予測肺癌死亡数は男性5万2,600人、女性2万2,300人に上り、部位別総死亡数は男性では1位、女性では大腸癌に次ぐ2位である。
  1. 肺癌診断時における病期(ステージ)は、I期が38.0%、II期が7.1%、III期が25.5%、IV期が27.8%である。このように進行期に発見される患者が比較的多いことが肺癌の予後が不良であることの一因である。肺癌の予後を改善するためには、治療法の開発のみならず、いかにして早期に発見するかが重要である。
  1. 喫煙は肺癌の最大の危険因子であり、禁煙は最も有効な肺癌予防法である。
  1. 病理学的には非小細胞癌が約85%、小細胞癌が約15%である。喫煙率の低下に伴い小細胞癌の割合は減少傾向にある一方で、腺癌は増加傾向にある。
  1. 病理学的な組織診断と病期診断に加えて、年齢や合併症などの患者背景を考慮し、手術、放射線療法、薬物療法の適応を決定する。
問診・診察のポイント  
  1. 肺癌に特異的な症状は存在しないが、長引く咳嗽、血痰、呼吸困難、胸痛などの胸部症状などのいわゆる呼吸器症状を主訴として医療機関を受診し発見されることが多い。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
山田忠明 : 講演料(日本イーライリリー(株),中外製薬(株)),研究費・助成金など(武田薬品工業(株),小野薬品工業(株))[2024年]
髙山浩一 : 未申告[2024年]
監修:高橋和久 : 講演料(アストラゼネカ(株),中外製薬(株)),研究費・助成金など(小野薬品工業(株),中外製薬(株),MSD(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株)),奨学(奨励)寄付など(杏林製薬(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株),大鵬薬品工業(株),中外製薬(株))[2024年]

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非小細胞肺癌(初期)

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