今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 吉田正貴 桜十字病院、国立長寿医療研究センター

監修: 松田公志 関西医科大学附属病院 病院長

著者校正済:2025/07/09
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会:女性下部尿路症状診療ガイドライン第2版(アップデート版、2025年)
  1. 日本排尿機能学会 /日本泌尿器科学会:夜間頻尿診療ガイドライン第2版(アップデート版、2024年)
  1. 日本排尿機能学会 /日本泌尿器科学会:過活動膀胱診療ガイドライン第3版(2022年)
  1. 日本サルコペニア・フレイル学会/国立長寿医療研究センター:フレイル高齢者・認知機能低下高齢者の下部尿路機能障害に対するガイドライン2021
  1. 日本排尿機能学会:過活動膀胱・神経因性膀胱に対するボツリヌス療法適正使用指針(2021年)
  1. 日本泌尿器科学会:男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン(2017年)
 
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『女性下部尿路症状診療ガイドライン第2版』『夜間頻尿診療ガイドライン第2版』のアップデート版に合わせ、コンテンツ内容を追記・修正した。
  1. また、概要・推奨欄に小見出しをつけ、より簡潔に疾患情報を理解できるようにした。

概要・推奨   

病態
  1. 過活動膀胱は、膀胱排尿筋が過剰に収縮し、尿が十分にたまっていなくても尿意を感じ、頻尿や尿意切迫感、切迫性尿失禁を引き起こす状態とされている。以下のような病態が考えられ、複数の要因が関与しているとされている。
  1. 神経の異常(排尿にかかわる神経伝達の異常:脳出血、脳梗塞、パーキンソン病、脊髄損傷など)
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  1. 行動療法としては膀胱訓練、骨盤庭筋トレーニングなどがあり、薬物療法としてはβ3作動薬や抗コリン薬が主に使用される。
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  1. 薬物療法は2次療法であり、第1選択薬は「β3作動薬」(推奨度1、JG):ミラベグロン(ベタニス)、ビベグロン(ベオーバ)と、「抗コリン薬」(推奨度1):プロピベリン(バップフォー)、ソリフェナシン(ベシケア)、イミダフェナシン(ステーブラ、ウリトス)、フェソテロジン(トビエース)、オキシブチニン経皮吸収型製剤(ネオキシテープ)である。両剤の効果は同等であるが、β3作動薬は抗コリン作用による副作用が少ない。
  1. 前立腺肥大症の治療薬のα1遮断薬 [タムスロシン(ハルナール)、シロドシン(ユリーフ)、ナフトピジル(フリバス)] とPDE5阻害薬 [タダラフィル(ザルティア)] は過活動膀胱症状も改善するので推奨される(推奨度2、JG)
  1. α1遮断薬単独治療で過活動膀胱の症状が残存する男性患者に対して、抗コリン薬またはβ3作動薬の併用は推奨される(推奨度2、JG)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
吉田正貴 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:松田公志 : 特に申告事項無し[2024年]

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