今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 猿丸修平 ブレストクリニック築地

監修: 中村清吾 昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門

著者校正/監修レビュー済:2022/03/02
参考ガイドライン:
  1. Thresholds for therapies: highlights of the St Gallen International Expert Consensus on the Primary Therapy of Early Breast Cancer 2009
  1. 日本乳癌学会編:乳癌診療ガイドライン 1.治療編 2018年版
  1. 日本乳癌学会編:乳癌診療ガイドライン 2.疫学・診断編 2018年版
  1. 日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2019年版
  1. 日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2014年版
  1. NCCN腫瘍学臨床実践ガイドライン(NCCNガイドライン)乳癌2014年第1版
  1. 日本がん・生殖医療学会編:乳癌患者の妊娠・出産と生殖医療に関する診療ガイドライン 2021年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 2021年10月、日本がん・生殖医療学会より、乳癌患者の妊娠・出産と生殖医療に関する診療ガイドラインが出版された。当ガイドラインに基づき改訂を行った。

概要・推奨   

  1. センチネルリンパ節生検、化学療法中の支持療法に関して、新たな知見が得られた。

病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. 妊娠中や分娩直後、授乳期間中に診断される乳癌は、妊娠期乳癌(乳癌合併妊娠)と称される。
  1. 出産10万例あたり15~35例とまれな事象であるが、出産の高齢化に伴い、増加傾向にある。
  1. 妊娠中のがん治療が母体や胎児に及ぼす影響に関する報告の蓄積に伴い、その可能性が広がってきている。
  1. 妊娠に伴う乳腺の変化により、発見、診断が遅れる場合がある。
  1. 腋窩リンパ節転移陽性例が多く、腫瘍径も大きい傾向がある。
  1. エストロゲン、プロゲステロン受容体が陰性である症例が多い。
  1. 胎児への被ばくを考慮する観点から、妊娠中には実施できない画像検査がある。
  1. 妊娠初期には、化学療法を実施すべきでない。
  1. 妊娠全期にわたり、ホルモン治療、乳房放射線照射は実施すべきでない。
  1. 上記を除けば、治療法は通常の乳癌と同様である。妊娠中絶により予後の改善が見込めるという根拠はない。
問診・診察のポイント  
  1. 乳癌の確定診断が、妊娠のどの段階でなされたかによって、治療の組み立て方が異なってくることに留意する必要がある。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
猿丸修平 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:中村清吾 : 特に申告事項無し[2024年]

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