今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 矢田智之 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター国府台病院 消化器・肝臓内科

監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院

著者校正/監修レビュー済:2023/03/22
参考ガイドライン:
  1. 日本癌治療学会: GIST診療ガイドライン 第4版 (2022年4月改訂)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. GIST診療ガイドライン 第4版(2022年4月改訂)に基づき、各図表を更新し、加筆・修正を行った。
  1. modified Fletcher/Joensuu分類の表を追加した。modified Fletcher/Joensuu分類は、局所再発・腹膜播種の強い危険因子である腫瘍破裂について分類されており、再発高リスク群を効率的に選択する分類法として有用と報告されている。
  1. また、下記について追記した。
  1. GISTに対するピミテスピブ(ジェセリ)治療例を追記した。ガイドラインには未掲載であるが、2022年6月より、レゴラフェニブ耐性例に対しては、レゴラフェニブの代わりとしてピミテスピブの投与が可能となった。定期的な画像検査による効果判定を行うとともに、定期的に血液検査や生理検査を行うことにより副作用の発現に注意する。
  1. 腫瘍径が10 cm以上のような大きなGISTや、不完全切除の可能性が高いと判断されるGISTに対して、イマチニブによる術前補助療法を行うことが弱く推奨される(Kurokawa Y, Yang HK, Cho H, et al.:Phase II study of neoadjuvant imatinib in large gastrointestinal stromal tumours of the stomach. Br J Cancer. 2017 Jun 27;117(1):25-32. PMID: 29132401.)。
  1. 以前は5 cm以上の腫瘍では腹腔鏡手術ではなく開腹手術が推奨されていたが、最近では腹腔鏡手術の適応に腫瘍径のカットオフ値を設定する明確な根拠はないとされている(Lian X, Feng F, Guo M, et al.:Meta-analysis comparing laparoscopic versus open resection for gastric gastrointestinal stromal tumors larger than 5 cm. BMC Cancer. 2017 Nov 13;17(1):760. PMID: 28535156.)。

概要・推奨   

  1. 胃粘膜下腫瘍にはGIST(消化管間質腫瘍)、平滑筋腫、平滑筋肉腫、神経鞘腫、神経線維腫などがあるが、malignant potentialを有するGISTをいかにほかの粘膜下腫瘍から鑑別するかが重要である。
  1. 切除可能GISTの治療では、外科的完全切除が強く推奨される(推奨度1)
  1. 転移のみられないGISTの場合、腫瘍径と細胞増殖能などの指標を組み合わせて、リスク分類を行うことが推奨される(推奨度1)
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
矢田智之 : 未申告[2024年]
監修:上村直実 : 講演料(武田薬品工業(株),大塚製薬(株))[2024年]

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