咽頭痛 :トップ    
監修: 名郷直樹 武蔵国分寺公園クリニック
名郷直樹 武蔵国分寺公園クリニック

概要

症状のポイント: >詳細情報 
  1. 外来診療で最も頻繁に接する症状の1つで初診時のすべての問題の4.6%という報告がある。なお、咽頭痛でなく、咽頭に違和感を覚える患者では、 咽喉頭異常感 を鑑別にする。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 下記はいずれも専門医療機関への紹介が必要になることが多い。
  1. 咽頭所見が軽微にもかかわらず、嚥下痛、嚥下困難が強く、流涎、嗄声がある場合、喉頭蓋炎の除外が必要
  1. 開口障害、嗄声、嚥下困難、非対称性の扁桃腫大がある場合、扁桃周囲膿瘍の除外が必要
  1. 悪寒、戦慄、嗄声、嚥下困難、頚部の腫れ、硬直がある場合、膿瘍の除外が必要
  1. 疼痛を伴う粘膜の潰瘍はHIVのサインかもしれない。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 痛みに対しては、アセトアミノフェン、イブプロフェンが使用される。経口ステロイドは選択肢の1つに入れてもいいかもしれない。
 
診断へのアプローチ:(診察  >詳細情報  )
  1. 原因の大部分は感染症で、急性扁桃炎は新しい健康問題の1.1%を占めると報告されている。
  1. 抗菌薬によって治療可能でリウマチ熱の予防が重要なA群β溶連菌は10~15%である。Centorスコアを用いて評価する。Centorスコアの感度・特異度は、感度55~74%、特異度58~74%と報告されており、溶連菌感染かどうか確定したり、除外したりすることはできない。また、溶連菌迅速診断キットは、感度70~90%、特異度90~100%と 、陽性のときに溶連菌と判断してよいが、陰性の場合には溶連菌を除外できない。 エビデンス 
  1. Centorスコア: 下記の4項目を各1点で合計をする。0~1点の場合は疾患の可能性は低いと判断する。2点以上では溶連菌迅速診断キットを用いて追加の評価を行う。 エビデンス 
  1. 発熱

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時評価例
  1. Centorスコア(熱、リンパ節腫脹、咳症状の無いこと、扁桃炎)を評価する エビデンス 
  1. Centorスコアで2点以上の場合、溶連菌迅速診断キットを考慮する。 エビデンス 
  1. 陽性であれば、溶連菌と確定し、陰性の場合は抗菌薬を投与しないが、偽陰性の可能性が高い場合、咽頭培養を提出する(両肩の検査を同時に行うのは保険適用外)。 エビデンス  エビデンス 
  1. 溶連菌の可能性が低い場合、その他の扁桃炎の可能性が高いが、初診の時点でそれらの検索を行うことは少ない。
  1. 鼻汁、咳、声がれ、眼脂、下痢は溶連菌よりウイルス性をまず疑う。
  1. 軟口蓋の点状出血、前頚部リンパ節腫脹は溶連菌を、後頚部リンパ節腫脹はウイルス性を疑う。
  1. 初診の時点で3日以上発熱が続く、初診から3日目でも改善が認められない場合には、採血、咽頭培養、腹部エコー検査を行い、肝酵素、白血球、異形リンパ球の有無、肝脾腫についてチェックする。
  1. 肝酵素上昇、白血球上昇なし、異形リンパ球の出現、肝脾腫の存在は伝染性単核症を疑う。伝染性単核球症を疑う場合はEBV感染症の評価を追加する。
○ 溶連菌を疑う場合には、1)を考慮する。発熱3日以上を認める場合などは、3)~6)の検査を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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抗菌薬投与の判断
著者校正/監修レビュー済
2016/11/30