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概要・推奨
疾患のポイント:- ギラン・バレー症候群とは、先行感染などにより惹起された自己免疫機序による急性炎症性ニューロパチーである。
- 臨床症侯は急性進行性の運動障害を主体とするが、感覚神経障害、自律神経障害も伴う。先行感染から数日から数週間で発症することが多い。
診断: >詳細情報 - 進行性四肢筋力低下を訴えて受診する患者では、まずギラン・バレー症候群(GBS)を念頭に置く。
- 診断基準として、Asbury & Cornblathらの基準が用いられることが多い。
- Asbury & Cornblathらの診断基準:<図表>
- 先行感染の有無を問診する。上気道炎が最も多い。下痢(消化管感染)を先行感染とする場合、campylobacter jejuniが起因菌のことが多く、重症化しやすい。
- 腱反射は低下、消失しているが、筋力低下の目立たない段階では、正常であることも少なくない。
- 脳神経障害の合併率は報告により幅があるが、顔面神経麻痺(約50%)が最も多く、次いで球麻痺(約30%)、眼球運動麻痺(約20%)の順となる。
- 感覚障害は、運動症状より軽微であるが、自覚的なしびれ感を含めて90%以上にみられる。
- 自律神経障害は、軽微なものを含めると50%以上に合併するとされるが、臨床的に問題になるのは、不整脈、起立性低血圧、膀胱直腸障害などである。
- 臨床症侯とともに、末梢神経伝導検査、血清ガングリオシド抗体測定、脳脊髄液検査(蛋白細胞解離)を参考にする。特に末梢神経伝導検査が重要である。
- 亜型として外眼筋麻痺、運動失調、四肢腱反射消失を3徴とするFisher症候群が知られており、GQ1b抗体との関連が強い。
- 10%前後の患者で初回治療後に再増悪がみられる。この場合、慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)との鑑別が問題となるが、発症9週以降にも増悪傾向を示す場合や3回以上の増悪があればCIDPと考えるべきである。
重症度・予後: >詳細情報 - 4週以内に症侯のピークを迎え、その後、自然回復傾向を示す。多くの症例では2週以内にピークとなる。自然回復も期待できるが、重症度は軽微な筋力低下にとどまる例から、呼吸筋麻痺を来たし人工呼吸器装着を必要とする例までさまざまである。
- 自律神経障害としてみられる重度の不整脈は心停止となり死因となることもある。
- 重症度分類として、Hughesの機能グレード尺度が用いられることが多い。
- Hughesの機能グレード尺度:<図表>
- 全般の機能予後については、mEGOS、呼吸器装着となる例の予測指標として、EGRISが提唱されている。
- modified Erasmus GBS Outcome Scale(mEGOS):<図表>
- Erasmus GBS Respiratory Insufficiency Score(EGRISスコア):<図表>
- 人工呼吸器装着が必要となる指標としては、上記のEGRIS以外に自律神経障害の存在、Peak flowが250mL/分未満などが挙げられる。
治療: >詳細情報 - エビデンスの確立した急性期治療は、ガンマグロブリン大量静注療法、血液浄化療法である。
- ステロイドは内服、静脈注射ともに単独では使用しない。IVIgとの併用で短期間の大量静注療法は検討してよい。
- 支持的療法として呼吸器管理を行なう。回復期には適切なリハビリテーションを行う。
専門医相談のタイミング: >詳細情報 - 電気生理学的検査(末梢神経伝導検査)を施行できない施設や体外循環療法が実施困難な施設では適切な施設へのコンサルトを考慮する。
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。
■免疫グロブリン大量静注療法例
- GBS治療の第1選択となる治療である。血液浄化療法も同等の効果があるが、簡便性の点からIVIgが選択されることが多い。
○ 免疫グロブリン大量静注療法、もしくは血漿交換療法が第1選択である。
■血漿交換療法例
- IVIgと並んでGBS治療の第1選択となる治療である。体外循環が必要なので、小児、高齢者、循環動態の不安定な症例では避けるべきである。一方、IVIgが禁忌となる症例では、血漿交換療法を行う。
○ IVIgが禁忌の場合に使用する。
1)
薬剤情報を見る
2)
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■診断のための検査例
- 診断基準として、Asbury & Cornblathらの基準が用いられることが多い。
- Asbury & Cornblathらの診断基準:<図表>
- 臨床症侯とともに、末梢神経伝導検査、血清ガングリオシド抗体測定、脳脊髄液検査(蛋白細胞解離)を参考にする。特に末梢神経伝導検査が重要である。
○ GBSの患者は下記を考慮する。
疾患のポイント:
- ギラン・バレー症候群とは、先行感染などにより惹起された自己免疫機序による急性炎症性ニューロパチーである。
- 臨床症侯は急性進行性の運動障害を主体とするが、感覚神経障害、自律神経障害も伴う。先行感染から数日から数週間で発症することが多い。
診断: >詳細情報
- 進行性四肢筋力低下を訴えて受診する患者では、まずギラン・バレー症候群(GBS)を念頭に置く。
- 診断基準として、Asbury & Cornblathらの基準が用いられることが多い。
- Asbury & Cornblathらの診断基準:<図表>
- 先行感染の有無を問診する。上気道炎が最も多い。下痢(消化管感染)を先行感染とする場合、campylobacter jejuniが起因菌のことが多く、重症化しやすい。
- 腱反射は低下、消失しているが、筋力低下の目立たない段階では、正常であることも少なくない。
- 脳神経障害の合併率は報告により幅があるが、顔面神経麻痺(約50%)が最も多く、次いで球麻痺(約30%)、眼球運動麻痺(約20%)の順となる。
- 感覚障害は、運動症状より軽微であるが、自覚的なしびれ感を含めて90%以上にみられる。
- 自律神経障害は、軽微なものを含めると50%以上に合併するとされるが、臨床的に問題になるのは、不整脈、起立性低血圧、膀胱直腸障害などである。
- 臨床症侯とともに、末梢神経伝導検査、血清ガングリオシド抗体測定、脳脊髄液検査(蛋白細胞解離)を参考にする。特に末梢神経伝導検査が重要である。
- 亜型として外眼筋麻痺、運動失調、四肢腱反射消失を3徴とするFisher症候群が知られており、GQ1b抗体との関連が強い。
- 10%前後の患者で初回治療後に再増悪がみられる。この場合、慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)との鑑別が問題となるが、発症9週以降にも増悪傾向を示す場合や3回以上の増悪があればCIDPと考えるべきである。
重症度・予後: >詳細情報
- 4週以内に症侯のピークを迎え、その後、自然回復傾向を示す。多くの症例では2週以内にピークとなる。自然回復も期待できるが、重症度は軽微な筋力低下にとどまる例から、呼吸筋麻痺を来たし人工呼吸器装着を必要とする例までさまざまである。
- 自律神経障害としてみられる重度の不整脈は心停止となり死因となることもある。
- 重症度分類として、Hughesの機能グレード尺度が用いられることが多い。
- Hughesの機能グレード尺度:<図表>
- 全般の機能予後については、mEGOS、呼吸器装着となる例の予測指標として、EGRISが提唱されている。
- modified Erasmus GBS Outcome Scale(mEGOS):<図表>
- Erasmus GBS Respiratory Insufficiency Score(EGRISスコア):<図表>
- 人工呼吸器装着が必要となる指標としては、上記のEGRIS以外に自律神経障害の存在、Peak flowが250mL/分未満などが挙げられる。
治療: >詳細情報
- エビデンスの確立した急性期治療は、ガンマグロブリン大量静注療法、血液浄化療法である。
- ステロイドは内服、静脈注射ともに単独では使用しない。IVIgとの併用で短期間の大量静注療法は検討してよい。
- 支持的療法として呼吸器管理を行なう。回復期には適切なリハビリテーションを行う。
専門医相談のタイミング: >詳細情報
- 電気生理学的検査(末梢神経伝導検査)を施行できない施設や体外循環療法が実施困難な施設では適切な施設へのコンサルトを考慮する。
■免疫グロブリン大量静注療法例
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免疫グロブリン大量静注療法例
- GBS治療の第1選択となる治療である。血液浄化療法も同等の効果があるが、簡便性の点からIVIgが選択されることが多い。
○ 免疫グロブリン大量静注療法、もしくは血漿交換療法が第1選択である。
■血漿交換療法例
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血漿交換療法例
- IVIgと並んでGBS治療の第1選択となる治療である。体外循環が必要なので、小児、高齢者、循環動態の不安定な症例では避けるべきである。一方、IVIgが禁忌となる症例では、血漿交換療法を行う。
○ IVIgが禁忌の場合に使用する。
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■診断のための検査例
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診断のための検査例
- 診断基準として、Asbury & Cornblathらの基準が用いられることが多い。
- Asbury & Cornblathらの診断基準:<図表>
- 臨床症侯とともに、末梢神経伝導検査、血清ガングリオシド抗体測定、脳脊髄液検査(蛋白細胞解離)を参考にする。特に末梢神経伝導検査が重要である。
○ GBSの患者は下記を考慮する。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
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エルゼビアは医療の最前線にいらっしゃる
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。
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