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汎血球減少

著者: 樋口敬和 獨協医科大学埼玉医療センター 輸血部

監修: 神田善伸 自治医科大学附属病院 血液科

著者校正/監修レビュー済:2020/11/12

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概要・推奨  

  1. 再生不良性貧血が疑われる患者の骨髄の脂肪化を評価するために、MRIで骨髄の非選択的脂肪抑制法(STIR)画像を検討することは有用である(推奨度2)。
  1. ビタミンB12欠乏で汎血球減少を来すことがある。
  1. 全身性エリテマトーデス(SLE)患者ではさまざまな血球減少症を来す。汎血球減少の鑑別診断として重要である。
  1. 血球貪食症候群が疑われたら血清フェリチンを測定する(推奨度2)。
  1. 汎血球減少症の原因となる骨髄疾患としては、急性白血病や骨髄異形成症候群の頻度が高く、再生不良性貧血は比較的低頻度である。
  1. 慢性の血球減少で、骨髄検査で診断がつかない場合は、idiopathic cytopenia of undetermined significance (ICUS)を考慮する。
 
  1. 所見のポイント:
  1. 汎血球減少とは、赤血球、白血球、血小板のすべてが減少した状態で、一般に、ヘモグロビン濃度;男 12.0g/dL未満、女 11.0g/dL未満、白血球数;4,000/μL未満、血小板数;10万/μL未満を同時に認める状態である。
  1. パニック値・緊急時対応: >詳細情報 
  1. 重症の汎血球減少は内科エマージェンシーであり緊急の対応が必要である。重症貧血、重篤な血小板減少に対して、それぞれ赤血球濃厚液、濃厚血小板輸血を考慮する。重篤な好中球減少に感染を合併している場合は、直ちに血液培養を含む各種検査を行い、抗菌薬投与を開始する。
  1. 専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 血球減少が著明な場合。
  1. 造血器疾患が疑われ、診断に骨髄検査が必要と判断される場合。
  1. 診断へのアプローチ:(身体診察: >詳細情報 ・鑑別疾患表)
  1. 汎血球減少は、意外によくみられる血球異常である。
  1. 「汎血球減少=血液疾患」とは限らない。
  1. 汎血球減少は骨髄自身、あるいはそれ以外の原因で重大な造血障害が起こっていることを示すので、基本的に、全例で原因の検索が必要である。
  1. 骨髄検査を行わなくても診断可能な疾患をまず考える。日常臨床においては、脾機能亢進症、軽症骨髄異形成症候群の頻度が高い。<図表>
  1. 診断に骨髄検査が必要な場合は血液専門医にコンサルトする。
  1. 急性白血病でも汎血球減少を来す場合があり、ときに末梢血中に白血病細胞を認めないこともある。
  1. 汎血球減少のアプローチ:アルゴリズム
  1. 鑑別疾患・合併疾患: >詳細情報 
  1. 骨髄検査を行わなくても診断できる疾患を想起:
  1. 脾機能亢進症、発作性夜間ヘモグロビン尿症、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏、重症感染症、アルコール多飲、サルコイドーシス、結核および非定型抗酸菌症、薬剤性
  1. 骨髄検査が診断に必要な場合:
  1. 再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、急性白血病、がんの骨髄転移、骨髄線維症、有毛細胞白血病など
  1. 汎血球減少症を来す疾患:<図表>
  1. 骨髄検査を行わなくても診断できる汎血球減少症を来す疾患:<図表>
  1. 臨床のポイント:
  1. 慢性の軽度の汎血球減少では、慢性肝疾患に関連した脾機能亢進症、軽症骨髄異形成症候群が多い。
  1. 急性に起こった高度の汎血球減少では、重症感染症、急性白血病、血球貪食症候群などが考えられる。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 内容について定期レビューを行った。

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