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汎血球減少

著者: 樋口敬和 獨協医科大学埼玉医療センター 輸血部

監修: 岡田定 聖路加国際病院

著者校正/監修レビュー済:2019/01/29

概要・推奨  

所見のポイント:
  1. 汎血球減少とは、ヘモグロビン濃度;男 12.0g/dL未満、女 11.0g/dL未満、白血球;4,000/μL未満、血小板数;10万/μL未満に、赤血球、白血球、血小板のすべてが減少した状態である。
 
パニック値・緊急時対応: >詳細情報 
  1. 重症の汎血球減少は内科エマージェンシーであり緊急の対応が必要である。重症貧血、重篤な血小板減少に対して、それぞれ赤血球濃厚液、濃厚血小板輸血を考慮する。重篤な好中球減少に感染を合併している場合は、直ちに血液培養を含む各種検査を行い、抗菌薬投与を開始する。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 診断に骨髄検査が必要と判断されたら血液専門医に紹介する。
 
診断へのアプローチ:(身体診察: >詳細情報 ・鑑別疾患: 鑑別疾患 )
  1. 汎血球減少は、意外によくみられる血球異常である。
  1. 「汎血球減少=血液疾患」とは限らない。
  1. 汎血球減少は骨髄自身、あるいはそれ以外の原因で重大な造血障害が起こっていることを示すので、原因の検索が必要である。
  1. 骨髄検査を行わなくても診断可能な疾患をまず考える。日常臨床においては、脾機能亢進症、軽症骨髄異形成症候群の頻度が高い。
  1. 骨髄検査を行わなくても診断できる汎血球減少症を来す疾患:<図表>
  1. 診断に骨髄検査が必要な場合は血液専門医にコンサルトする。
  1. 急性白血病でも汎血球減少を来す場合もあり、ときに末梢血中に白血病細胞を認めないこともあるため、注意が必要である エビデンス 。
  1. 汎血球減少のアプローチ:アルゴリズム
 
鑑別疾患・合併疾患: >詳細情報 
  1. 骨髄検査を行わなくても診断できる疾患を想起:
  1. 脾機能亢進症、発作性夜間ヘモグロビン尿症、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏、重症感染症、アルコール多飲、サルコイドーシス、結核および非定型抗酸菌症、薬剤性 エビデンス  エビデンス  エビデンス 
  1. 骨髄検査が診断に必要な場合:
  1. 再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、急性白血病、癌の骨髄転移、骨髄線維症、有毛細胞白血病など エビデンス 
  1. 汎血球減少症を来す疾患:<図表>
  1. 骨髄検査を行わなくても診断できる汎血球減少症を来す疾患:<図表>
 
臨床のポイント:
  1. 慢性の汎血球減少では、慢性肝疾患に関連した脾機能亢進症、骨髄異形成症候群が多い。
  1. 急性に起こった高度の汎血球減少では、重症感染症、急性白血病、血球貪食症候群などが考えられる。
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

軽症汎血球減少に対して行う検査例
  1. 日常臨床においては、脾機能亢進症、軽症骨髄異形成症候群の頻度が高い。さらに他の骨髄疾患やビタミンB12・葉酸欠乏、SLEなどの自己免疫疾患の可能性も考慮した検査を行う。
○ 軽症汎血球減少の場合、まず1)~6)を検査する。
1)
2)
生化学スクリーニング
3)
4)
5)
6)
抗核抗体[FA]  エビデンス 

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、内容について修正を行った。


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