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改訂のポイント:
  1. 最近の知見に基づき、以下の点を改訂した。
  1. 抗胸腺細胞グロブリン(ATG)は、日本では従来ウサギATG(サイモグロブリン)しか使用できなかったが、2023年5月からウマATG(ATGAM)が使用できるようになった。その結果、2回目のATG療法が必要な場合、重篤なアレルギーを防ぐため、初回とは異なる動物種由来ATGを使用することが勧められる。
  1. トロンボポエチンレセプター作動薬(TPO-RA)のロミプロスチム(ROMI、ロミプレート)の再生不良性貧血に対する適用は、従来は難治性再生不良性貧血のみであったが、2023年9月からは、未治療例を含むすべての再生不良性貧血に適用が拡大された。
  1. もう1つのトロンボポエチンレセプター作動薬であるエルトロンボパグ(EPAG)の適用は、従来は成人のみであったが、2023年12月からは小児にも拡大された。また、ATGと併用する際、従来は「ATG療法後一定期間経過してから投与する」という縛りがあったが、同じく2023年12月からは、ATG開始初日からでも投与を開始できるようになった。

概要・推奨   

  1. 輸血が不要なステージ2aまでの非重症再生不良性貧血のうち、血小板の減少が他の血球の減少に比べて優位な例に対してはシクロスポリン3.5 mg/Kgを8週間投与して網赤血球数や血小板数の増加の有無をみる(推奨度2)
  1. 2血球系統のみの減少が血小板減少を含む場合、血球減少の程度が再生不良性貧血の診断基準を満たさない場合でも、「前再生不良性貧血状態」を疑う必要がある。前再生不良性貧血状態を見逃した結果、重症化してから再生不良性貧血と診断され、治療に難渋することがしばしばある。このため、軽症再生不良性貧血と同様にシクロスポリン(保険適用外)の効果をみることが勧められる(推奨度2)
  1. シクロスポリンは2年以上投与すれば、HLA-DRB1*15:01保有例を除くほとんどの例で、再燃を来すことなく中止することが可能である。ただし、減量の過程で急速に悪化することがあるため、血小板の減少傾向がみられた場合には、次回受診時までの観察期間を短縮し、血小板減少がさらに進行する場合にはただちにシクロスポリンを増量する必要がある。
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  1. HLA-A*02:01を除くHLAクラスIアレルが欠失した白血球が検出される場合は、二次性の骨髄異形成症候群(MDS)を発症するリスクが低いこと、逆にHLA-A*02:01欠失白血球が検出される場合は、MDSに移行するリスクが高いことが最近の研究により示された。このため状況が許せば患者のHLAをタイピングし、再生不良性貧血において欠失する頻度が高いHLA-B*40:02HLA-A*02:06HLA-B*54:01HLA-A*31:01などが陽性の場合は、予後を予測するために、これらのアレル欠失血球の有無を調べることが勧められる(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. 再生不良性貧血は、末梢血でのすべての血球の減少(汎血球減少)と骨髄の細胞密度の低下(低形成)を特徴とする1つの症候群である。
  1. ヘモグロビン濃度:10.0 g/dL未満、②好中球:1,500 /μL未満、③血小板:100,000 /μL未満の3項目のうち、少なくとも2つを満たす。
  1. 再生不良性貧血の診断基準(平成28年度改訂):表<図表>
  1. 2項目だけを満たす場合、免疫病態による再生不良性貧血では血小板減少を必ず含んでいる。
  1. わが国の患者数は約1万1000人で、年間新患者発生数は100万人当たり6人前後である。
  1. 発病後間もない例であれば、約60%は抗胸腺細胞グロブリン(ATG)・シクロスポリン併用療法によって改善する。これにTPO-RAを併用すれば奏効率が70~80%に上昇する。
  1. 40歳未満でヒト白血球抗原(HLA)一致適合同胞ドナーがいれば、骨髄移植が原則として第1選択の治療となる。
  1. 初診時の末梢血顆粒球には、全体の約40%にPIG-ABCOR/BCORL1DNMT3AASXL1などの遺伝子変異が検出される[1]PIG-ABCOR/BCORL1変異は、免疫抑制療法の反応率が高く、予後良好と相関する。DNMT3AASXL1などの存在は、MDS(myelodysplastic syndromes:骨髄異形成症候群)、AML(acute myeloid leukemia:急性骨髄性白血病)への移行と相関する予後不良因子であるが、免疫抑制療法に対する反応性には影響を与えない。
  1. 再生不良性貧血は指定難病であり、重症度基準Stage2以上の場合は、難病認定を申請し、それが認定されると診療費の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
  1. 30歳以上の再生不良性貧血患者に対する血縁者間骨髄移植や、すべての年齢層の患者に対する非血縁者間移植においては、従来用いられてきた200 mg/kgのシクロホスファミド(CY)を基本薬とする前処置よりも、フルダラビン(Flu)と比較的少量のCYを基本薬とする前処置を用いることが勧められる(推奨度2)
  1. 200 mg/kgのCYにATGを併用したレジメンは標準的な移植前処置レジメンとして頻用されてきたが、心毒性が強いことが問題であった。CYを100 mg/kg(25 mg/kg×4日、-5~-2日目)に減量し、同日にFlu(30 mg/m2×4日)、サイモグロブリン2.5 mg/kg/日を-3、-2日目(非血縁ドナーからの移植では-1日目に全身放射線照射2 Gyを追加)に投与するレジメンが最近では多く用いられている[2]
  1. 追記:日本人では欧米と同じスケジュールでサイモグロブリンを投与するとドナーのT細胞排除が強く起こりすぎるため、移植後のウイルス感染・EBウイルスの再活性化や、混合キメラが起こりやすくなる可能性がある。このためATG投与は-5、-4日目などの前処置前半に投与したほうがよい可能性がある。
 
再生不良性貧血に対する移植前処置例

患者の年齢・状態や移植片の種類に応じてA~Dの前処置を使い分ける。代替ドナーからの移植の場合はday-1にTBI 2-4 Gyを追加する。臍帯血移植ではATGは用いないことが多い。rATG:ウサギATG、CY:シクロホスファミド、Flu:フルダラビン、MEL:メルファラン

出典

日本造血細胞移植学会ガイドライン委員会編. 造血細胞移植学会ガイドライン 再生不良性貧血(成人)(第2版). 2019; 10, 図3.
 
  1. 免疫抑制療法としてのサイモグロブリンの投与量は2.5~3.75 mg/kgと幅が広いが、2.5 mgと3.5 mgの間で奏効率に差がないことが示されている(推奨度2)
  1. 日本、韓国、中国(天津)で行われた前向きの臨床試験により、サイモグロブリン2.5 mgと3.5 mgの間で奏効率や生存率に差がないことが示された[3]
 
  1. 再生不良性貧血に対する同種造血幹細胞移植では末梢血幹細胞ではなく骨髄を用いるべきである(推奨度1)
  1. 再生不良性貧血に対する血縁ドナーからの移植に末梢血幹細胞を用いると、骨髄移植に比べて慢性移植片対宿主病の頻度が高くなるため生存率が低下する[4]。日本造血細胞移植学会に登録された106例の解析においても、末梢血幹細胞移植(PBSCT)を受けた37例の生存率(74.5%)は、骨髄移植を受けた患者69例の生存率(90%)に比べて低い傾向がみられた。非血縁ドナーからの移植では慢性移植片対宿主病の頻度は変わらないが、やはり末梢血幹細胞移植では骨髄移植に比べて生存率が劣っていた[5]。したがって、再生不良性貧血に対する同種移植においては末梢血幹細胞ではなく、骨髄を用いるべきである。
問診・診察のポイント  
  1. 薬剤の服用歴、感染症の徴候などがなかったかを確認する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
中尾眞二 : 講演料(協和キリン(株))[2024年]
監修:宮﨑泰司 : 未申告[2024年]

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