渡航者健康管理と予防接種 :トップ    
監修: 大曲貴夫 国立国際医療研究センター
氏家 無限 国立国際医療研究センター 国際感染症センター

概要

ポイント:
  1. 渡航にはさまざまな形態があり、必要な健康管理は一人ひとり異なる。
  1. 渡航前には健康診断や歯科検診などにより健康状態を確認し、基礎疾患があれば英文の診断書を作成する、海外旅行保険に加入するなどの準備を行う必要がある。
  1. 渡航前に現地で流行している疾患や医療システムなどの医療情報を収集しておくことが重要である。
  1. 一般的な現地渡航情報は外務省 在外公館医務官情報厚生労働省検疫所FORTHの他、米国疾病対策センター(CDC)のTraveler’s Health、最新の流行情報はHealthMapなどのウェブサイトが参考になる。
  1. 渡航の期間、場所、目的に注目して渡航によるリスクを評価し、リスクに応じて必要なワクチン接種や予防内服の適応を決める。
  1. 開発途上国に1カ月滞在した際に罹患する感染症のリスク(2008年):<図表>
 
ワクチン: >詳細情報 
  1. 定期予防接種ワクチンの他、渡航予定に合わせて、黄熱ワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎、狂犬病ワクチン、腸チフスワクチン、髄膜炎菌ワクチン、コレラワクチン などを考慮する。
  1. 渡航に関連したワクチンの推奨度:<図表>
  1. 疾患のかかりやすさと重症度によって、予防のために接種するワクチンの推奨度が異なる。
  1. この表は推奨ワクチンを示したものである。開発途上国への渡航者には、全員がA型肝炎ワクチンの接種を受けるように大半の専門家グループが推奨している。
 
マラリアの予防: >詳細情報 
  1. マラリア予防は使用可能なワクチンがないため、必要に応じて抗マラリア薬や忌避薬を用いて予防する。
  1. ただし、それぞれの薬剤において、認可の状況、服用方法、副反応の特徴、地域による耐性の有無などが異なり、実際に予防内服を実施するにあたっては、トラベルクリニックなどの専門外来の受診が望ましい。
  1. わが国でマラリアの予防内服として承認されている薬剤はメフロキンとマラロンのみである。メフロキンを予防内服する場合には、リスク地域へ入る2週間前からリスク地域を出て4週間後まで、週に1回、1錠を食後に内服する。マラロンはリスク地域へ…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

A型肝炎のワクチン接種
  1. A型肝炎の流行地域は南アジアやアフリカを中心に広く分布し、非加熱の飲食物を摂取することで感染するため予防が難しい疾患である。加えて、予防接種による感染予防効果が高く、効果が長期間に渡り持続するため多くの渡航者に接種が推奨されるワクチンである。
  1. A型肝炎罹患リスクの分布:<図表>

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

帰国後発熱患者の診断手順
マラリア診療のアルゴリズム
成人におけるマラリア予防内服薬の比較
渡航に関連したワクチンの推奨度:渡航の際に推奨されるワクチン接種リスク基準*1
腸チフス・パラチフス罹患リスクの分布
マダニ属の地理的分布
著者校正/監修レビュー済
2018/04/10


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