今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 福島一彰 がん・感染症センター都立駒込病院 感染症科/感染制御科/感染対策室

監修: 倉井華子 静岡がんセンター感染症内科

著者校正/監修レビュー済:2025/12/10
参考ガイドライン:
  1. 米国感染症学会(IDSA):2017 Infectious Diseases Society of America Clinical Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Infectious Diarrhea
  1. International Society of Travel Medicine:Guidelines for the prevention and treatment of travelers’ diarrhea: a graded expert panel report. 2017
  1. 米国疾病管理予防センター(CDC):CDC Yellow Book 2026
  1. 厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部 感染症対策課:抗微生物薬適正使用の手引き 第3版. 2023年
  1. 日本感染症学会日本化学療法学会 JAID/JSC 感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会:JAID/JSC 感染症治療ガイド2023
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『JAID/JSC 感染症治療ガイド2023』や『CDC Yellow Book 2026』などに基づき、文章全体を確認し、最新情報に修正した。

概要・推奨   

診断
  1. 問診では渡航地域や期間に加えて、渡航目的、渡航地域での食事、宿泊、レジャーなどについて聴取する。また、最近の抗菌薬投与歴(8~12週以内)の有無についても確認する。
  1. 発熱、下痢の性状・回数・持続期間、血便の有無、腹痛や嘔気/嘔吐症状、腹部膨満感の有無などを聴取する。
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  1. 先行抗菌薬投与歴を有する場合はClostridioides difficile を念頭に置いた検査を追加する(推奨度2 G)
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  1. 米国感染症学会(IDSA)の旅行医学ガイドラインでは、キノロン系抗菌薬(シプロフロキサシン、レボフロキサシン)が第1選択となっている。しかし、東南アジアではCampylobacter jejuni が主要起因菌の1つであり、フルオロキノロン耐性率が高いため、アジスロマイシン(ジスロマック)を第1選択とし、フルオロキノロン系抗菌薬は代替薬とする(推奨度1 G)
  1. 東南アジアからの帰国者ではCampylobacter の頻度が高く、フルオロキノロン耐性の割合が高いため、経験的治療はアジスロマイシンの使用を推奨する(推奨度2 S/CS)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
監修:倉井華子 : 特に申告事項無し[2025年]

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