ST上昇(心電図) :トップ    
監修: 代田浩之 順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学
三宅誠 中川義久 天理よろづ相談所病院 循環器内科

概要

所見のポイント:
  1. ST上昇とは、QRS-ST junction(Jポイント)から0.04秒後(1mm)の基線からの距離が、1mm以上上昇した状態をいう。なお、2つ以上の隣接した誘導での0.1mV以上のST上昇を典型的なST上昇として、ST上昇型心筋梗塞の診療に関するガイドラインに記載されている。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 胸部症状を伴うST上昇に対しては、すべて緊急の対応が必要である。診断が確定すれば、その病態や症状に応じて治療を行う。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 疾患に基づき対応を考慮する。
 
診断へのアプローチ:(身体診察: >詳細情報 ・鑑別疾患: 鑑別疾患 )
  1. 病歴聴取、身体所見、心エコー図、血液生化学検査などを総合的に判断して診断するが、とりわけ病歴聴取は重要である。有症状患者の場合は迅速な対応が必要である。病的意義のないST上昇としては、早期再分極、若年男性での生理的ST上昇がある。
  1. 最も重要な重篤な鑑別疾患が急性心筋梗塞である。それ以外にも、冠攣縮性狭心症、心筋梗塞後心室瘤、急性心膜炎、左室肥大、左脚ブロック、心筋炎、たこつぼ心筋症、Brugada症候群などでST上昇がみられる。
 
鑑別疾患: 鑑別疾患 
  1. ポイント:
  1. 下記が、頻度の高い疾患、重篤な疾患、まれな疾患である。
  1. 頻度高い疾患: >詳細情報 
  1. 生理的ST上昇:
  1. 若年男性の9割にみられるが、加齢に伴い頻度は低下する。1mm以上のST上昇がV1-V4誘導のうち1つ以上の誘導でみられ、特にV2誘導で最もよく認められる。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

直ちに行うべき検査例
○ 胸部症状を伴うST上昇の場合、速やかに下記の検査を行い、ST上昇の原因を検索する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

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著者校正/監修レビュー済
2017/03/31


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