今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 林同文 日本郵船株式会社 NYKグループ健康管理センター

監修: 永井良三 自治医科大学

著者校正/監修レビュー済:2016/05/27
患者向け説明資料

概要・推奨   

ポイント:
  1. アスリート心臓(スポーツ心臓)とは、持久系アスリートが継続的なトレーニングを行うことで、心臓に可逆性の構造的、機能的変化を来す状態である。
  1. 「スポーツ心臓」は、現状では、病的なものではなく、強度の運動による生理的な適応現象と考えられている。
  1. 自覚症状の有無にかかわらず、スポーツ選手の心臓を診察する際には、スポーツ歴の問診だけでなく、こうした心疾患との鑑別のため、検査を行うことが重要である。
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まとめ 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. アスリート心臓(スポーツ心臓)とは、持久系アスリートが継続的なトレーニングを行うことで、心臓に可逆性の構造的、機能的変化を来す状態である。
  1. 「スポーツ心臓」は、現状では、病的なものではなく、強度の運動による生理的な適応現象と考えられている。
  1. 近年、肥満を対象にしたメタボリック症候群を予防・改善する目的で、食事療法だけでなく運動療法が推奨され、多くの国民のなかでスポーツブームが巻き起こっている。しかしながら、安静時には問題なくとも、労作時に全身の筋肉の酸素需要が高まり心拍数が増えることで、隠されていた心臓疾患の発作が誘発されることも少なくないため、健康チェックを受け、安全にスポーツを行うことが望ましい。
  1. アスリートは、通常のトレーニング時にもハードな運動を行うことが日常的であり、動悸や息切れ、胸痛といった胸部症状を自覚していても、トレーニングによるものと勘違いし、医療機関を受診しない場合が多い。これは、運動誘発性喘息を有する場合も同様であり、現在、国立スポーツ科学センター (JISS) においては、すべての競技の選手に対して呼吸機能検査を実施し、隠れた喘息の有無をチェックしている。
  1. 自覚症状の有無にかかわらず、スポーツ選手の心臓を診察する際には、スポーツ歴の問診だけでなく、こうした心疾患との鑑別のため、いくつかの検査を行うことが重要である。
  1. 健康増進、健康維持のための運動は大変好ましいが、自分の身体能力や隠れた疾患の有無をチェックしないで過度な運動を行うことは本末転倒といえる。このため、健診などのスクリーニングで得られた検査異常に対し、「スポーツ心臓」という診断を安易に行うべきではない。
問診・診察のポイント  
  1. スポーツ心臓の診断には、以下の特徴が挙げられる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
林同文 : 未申告[2024年]
監修:永井良三 : 未申告[2022年]

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アスリート心臓(スポーツ心臓)

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