軽症頭部外傷

著者: 山中俊祐 福井大学医学部附属病院 救急部

監修: 林寛之 福井大学医学部附属病院

著者校正/監修レビュー済:2020/01/17
参考ガイドライン:
  1. 日本脳神経外科学会:頭部外傷治療・管理のガイドライン(第4版)2019

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概要・推奨  

  1. 頭部外傷患者には経時的なGCSの評価が必要である(推奨度1)。
  1. 頭部外傷後のけいれん発作は長期的予後を予測しないが、早期に2次的脳傷害を起こす可能性がある。適応によっては、早期(受傷1週間以内)の抗けいれん薬予防的投与を検討する(推奨度2)。
  1. 頭部外傷は救急外来を訪れる疾患としてコモンである。そのなかでも、GCS14~15の軽症頭部外傷が約8割を占める(推奨度1)。
  1. GCS14以下の患者、頭蓋内病変を合併する危険因子(外傷初期診療ガイドライン(JATEC 2016改定 第5版): >詳細情報  参照)を伴う患者には、CTは必須である(推奨度1)。ただし、あくまでエキスパートオピニオンである。
  1. GCS15であっても、一過性の意識消失あるいは健忘症がある場合は、CT検査が勧められる(推奨度1)。
  1. 急性期の軽症頭部外傷患者における頭部MRIの有用性は不明である。
  1. 抗凝固薬を使用する頭部外傷患者は、迅速な頭部CT撮影を必要とする。頭蓋内出血を認める場合には迅速に凝固能を中断・中和する。一方で、CTに異常所見を認めない場合には、8~12時間以内のCT再撮影を検討する(推奨度1)。
  1. 抗血小板薬を服用する頭部外傷患者の研究は少なく、頭蓋内出血の頻度を増加させるかは不明である。また、出血に対する血小板輸血の有用性も不明である(推奨度2)。
  1. 頭蓋内出血患者の凝固能の中和におけるリコンビナントファクターVIIの有用性(通常の新鮮凍結血漿を利用した治療と比較した)は証明されておらず、また、動脈血栓の頻度が増加する(推奨度3)。
  1. 神経学的所見に異常のない軽症頭部外傷患者は、頭部CTに急性異常所見を認めなければ安全に帰宅させることができる(退院指示とともに)。しかしながら、救急外来での頭部CTで急性所見を認めない高リスク群(出血傾向のある患者、抗凝固薬を服用している患者、脳外科手術後の患者など)を退院させてよいかについては、質の高いスタディはない(推奨度2)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 小児の軽症頭部外傷のCT撮影基準(CHALICE、CATCH2)について加筆した。
  1. 頭部外傷治療・管理のガイドラインに基づいて、定義、治療指針について加筆した。
  1. 新規抗凝固薬(NOAC:Non-vitamin K antagonist oral anticoagulant)について加筆した。

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