今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 小淵岳恒 福井大学医学部附属病院 救急部

監修: 林寛之 福井大学医学部附属病院

著者校正済:2024/12/11
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 量子科学技術研究開発機構:被ばく医療診療手引き(2022年)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、安定ヨウ素剤の内服法を修正した。

概要・推奨   

  1. 放射性ヨウ素(I-131)の吸入が予想される場合には、防護薬剤として安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム、KI)の予防服用が推奨されている(推奨度2)
  1. 安定ヨウ素には丸薬、散剤、シロップがある。丸薬1丸にはヨウ化カリウム50 mg(ヨウ素として38 mg)が含有されており、生後1カ月未満の者はゼリー剤(16.3 mg)1包、生後1カ月以上3歳未満の者はゼリー剤(16.3 mg) 2 包またはゼリー剤(32.5 mg)1包を服用する。 3 歳以上13歳未満の者は丸剤1丸、13歳以上の者については2丸を服用することとする。7歳以上13歳未満の者はおおむね小学生に、13歳以上の者はおおむね中学生以上に該当することから、小学1~6年生に対しては丸剤1丸、中学生以上に対しては丸剤2丸を配布することが適当である(推奨度1)
  1. 被ばくを受けてから48時間以内に呈する前駆症状から被ばく線量を推定することが推奨される(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
放射線と放射能の違い:
  1. 放射線とは、電磁波・粒子線のうちで直接的または間接的に空気を電離する能力を持つものを指す。
  1. 放射能とは、放射線を出す能力、または放射線を出す物質のことを指す。
 
被ばくと汚染の違い:
  1. 被ばく:人体に放射線が当たること。患者自身のDNAは傷つくが、患者自身からは放射線は出ない。
  1. 外部被ばく:
  1. 外部から放射線を浴びた場合を示す。(例:レントゲン撮影)
  1. 放射線の影響を受けるのは放射線を浴びた本人のみである。
  1. 外部被ばくを受けた人の周囲で活動を行う医療者には影響はしない。
  1. GM管では反応はないために、個人線量計が必要となる。
  1. 内部被ばく:
  1. 放射性物質を体内に取り込んでしまった場合を示す。
  1. 飲み込んだり、吸い込んだり、傷のなかに残ることである。
  1. 内部被ばくを受けた人は、GM管を使った検査だけでは十分ではなく、ホールボディカウンタにより詳細な評価が必要となる。
  1. 汚染:放射性物質が身体表面に付着すること。被ばくに加え、患者の汚染部位から放射線が出るため、GM管で汚染が検出できる。
  1. 表面汚染:
  1. 放射性物質が体の表面に付着することを示す。
  1. 汚染を受けた人は、その人のみならず周囲の人にも放射線の影響をきたす。
  1. GM管にて汚染の範囲、汚染の程度を示すことができる。
  1. 汚染拡大を防ぐためには、まず汚染した衣服を脱衣し、除染を行うことで医療者への被ばくは限りなく小さくすることができる。
 
各種放射線の特徴:
  1. 放射線にはα線、β線、γ線、中性子線などがあり、いずれも無色透明、無味無臭である。
  1. 各種放射線に対して専用の測定機器があり、放射線の強さを数字にして表すことが可能である。
 
外来での対応:
  1. 情報の収集:
  1. 情報を収集する時点で、外部被ばくであるか、表面汚染であるのかが区別可能である。
  1. 区別ができない場合には、表面汚染があるものとして対応する。
  1. 外部被ばくのみの場合には、対応する医療者は特別な装備は必要とせず、通常の外来対応を行う服装でよい。
  1. 内部被ばく、表面汚染を伴う場合には、特別な対応を必要とする。
  1. 放射線測定機器以外は、通常の外来対応で十分である。汚染患者を診療する際には、汚染拡大を防止するために外来の一室を養生して治療エリアに設定し、入室する人数を制限する。自らは防護服を着ることにより、汚染の拡大を防ぐことができる。
問診・診察のポイント  
  1. どんな被ばく患者でも、生命の危険があるときには「ABC」から始める。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
小淵岳恒 : 未申告[2024年]
監修:林寛之 : 講演料((株)メディカ出版),原稿料((株)羊土社)[2024年]

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放射線被ばく

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