発熱性好中球減少 :トップ    
監修: 佐治重衡 福島県立医科大学
陶山浩一1) 高野利実2) 1)熊本大学医学部附属病院 がんセンター... 2)虎の門病院 臨床腫瘍科

概要

疾患のポイント:
  1. 発熱性好中球減少症(FN)の定義は、絶対好中球数(absolute neutrophil count、ANC)が500/mm3未満、もしくは1,000/mm3未満で500/mm3未満になることが予測される状況下で、38.3℃以上の発熱あるいは1時間以上継続する38℃以上の口腔内温が生じている状況である(「腋窩温」で37.5℃以上)。
  1. 内科的緊急疾患であり、的確なリスク評価と治療開始の判断を、迅速に行う必要がある。判断に迷う場合は腫瘍内科医もしくは感染症科医へのコンサルトを躊躇しない。
  1. 抗癌薬の副作用による死亡原因のなかで、FNによるものが第1位である。経験的抗菌薬療法が確立する以前には、その死亡率は75%にも達していた。
  1. 速やかな対応が求められる、内科的emergencyの病態であり、ASCOのガイドラインでは発熱から治療開始まで60分とするよう推奨している。
  1. 使用するレジメンや患者の状態によっては、G-CSFの予防投与、抗菌薬の予防投与も検討する。
 
診断(抗癌薬以外の原因を鑑別する): >詳細情報 
  1. 抗癌薬化学療法中で発熱を認めた場合には、すべてFNを疑うべきである。
  1. 一般的には、抗癌薬投与後10~14日で好中球は最小となる。
  1. 上述の定義に合致すればFNと診断できる。
  1. 高齢者やステロイド投与中の患者では発熱が弱い、もしくはないこともあるので注意する。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 重症度の判定には、Multinational Association for Supportive Care in Cancer (MASCC) scoreのリスク分類を用いる。
  1. Multinational Association for Supportive Care in Cancer (MASCC) scoreのリスク分類:<図表>
  1. 21点未満をhigh risk、21点以上をlow riskと分類する。
 
治療: >詳細情報 
  1. MASCC scoreによるリスク分類に基づいて、治療方針を決定する。
  1. low riskの…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

発熱性好中球減少症の診断に必要な検査
  1. 好中球減少の存在診断と、感染源特定につながる一般採血を行う。
○ 全身の診察に加えて、下記の血液検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

FN初期治療のフローチャート
初期治療後、解熱しない場合のフローチャート
Multinational Association for Supportive Care in Cancer (MASCC) scoreのリスク分類
著者校正済:2018/04/05
現在監修レビュー中

改訂のポイント
  1. 発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン 改訂第2
に基づき、内容を一部修正した。


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