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改訂のポイント:
  1. 『MRSA感染症の治療ガイドライン2024』の変更点にあわせて加筆・修正した。
  1. バンコマイシン、テイコプラニン、ダプトマイシン、リファンピシン等の薬剤や感染対策についてガイドラインと論文を参考に加筆・修正した。
  1. 具体的にはバンコマイシンとピペラシリン・タゾバクタムの併用時の腎障害に関する新規の報告を追加した。ただし、併用による腎障害の悪化については肯定的な報告と否定的な報告があり決着がついておらず、さらなる報告が待たれる。テイコプラニンはバンコマイシンと比較して治療成績が劣らないというデータがあるが、中枢神経への移行性はバンコマイシンより悪いので中枢神経感染症の使用では避けた方がよい。ダプトマイシンは MRSA感染症の診療ガイドライン2024で、高用量投与を考慮することが推奨された。リファンピシンは、MRSAの異物関連感染症で使用されることがあるが、ドレナージ術や抗黄色ブドウ球菌薬を開始して、細菌の負荷が減量してからリファンピシンを併用する方が望ましい。
  1. 疫学について公開されている最新のデータを追加した。
  1. 典型的な症例を加筆した。

概要・推奨   

  1. 重篤な感染症におけるバンコマイシン投与時は血中濃度モニタリング(TDM)を行い、AUC400600 μg・h/mLを目標値とする(推奨度1、OJG)(バンコマイシンに対する最小発育阻止濃度は1 μg/mLと想定)。トラフ値1520 μg/mLを目標とした投与設計はあまり推奨されない(推奨度3、OJG)。非重篤な感染症ではTDMの目標値としてAUC/MICかトラフ値のいずれを用いるべきかに関する情報は不十分である。
  1. 初回は2530 mg/kg(実測体重)の負荷投与を行う(3 gを超えないこと)(推奨度2、SJ)。維持投与量は4 g/日以下が望ましいが、それを超える場合は頻回の血中濃度モニターを行う。
  1. エリスロマイシン耐性、クリンダマイシン感受性パターンのMRSAに対してクリンダマイシンを使用する場合には必ずD testを実施し、エリスロマイシン誘導耐性の有無を確認しておくことが推奨される(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、病院内感染症の代表的な原因菌の1つであるが[1]、若年健常者の皮膚軟部組織感染症を中心に、市中発症のMRSA感染症も報告されている[2]
 
病院内関連MRSA(HA-MRSA)と市中関連MRSA(CA-MRSA)の違い

  1. Panton-Valentine leucocidin:黄色ブドウ球菌の産生するトキシンの1つで、病原性の高いPVLを産生する黄色ブドウ球菌はわが国でも増加してきている。
  1. CA-MRSAは、SCCmecⅣのMRSAが主流となっている。医療関連施設では、SCCmecⅡのMRSAが主流だったが、CA-MRSAの増加に伴い、医療関連施設でもSCCmecⅣのMRSAは増加している。

出典

Kluytmans J, Struelens M.
Meticillin resistant Staphylococcus aureus in the hospital.
BMJ. 2009 Feb 12;338:b364. doi: 10.1136/bmj.b364. Epub 2009 Feb 12.
Abstract/Text
PMID 19213761
 
  1. 黄色ブドウ球菌は、傷ついた皮膚軟部組織や異物への感染、血液・血管内感染症にはしばしば関与するが、尿路感染症[3]や消化管感染症[4]の頻度は低く、各種培養検体から検出された場合には真の原因菌かどうかの慎重な判断が必要である。
  1. 黄色ブドウ球菌による下気道感染症は診断が難しい感染症であるが、近年MRSAなどの黄色ブドウ球菌による医療関連肺炎の頻度が増加しているとの報告もある[5]。致死率の高い感染症であり見落とさないように注意が必要である。喀痰からMRSAを検出したすべての症例がMRSA肺炎というわけではなく、真の原因菌かどうか慎重に判断する必要がある。
  1. エンテロトキシンやToxic Shock Syndrome Toxin-1などの毒素を産生し、食中毒やToxic Shock症候群(TSS)などを引き起こす。
  1. 近年、わが国で分離される黄色ブドウ球菌株に占めるMRSAの割合は減少傾向である[6]
 
MRSAの分離患者数と分離率の変遷

グローバルのサーベイランスデータでは黄色ブドウ球菌血流感染症に占めるMRSAの割合は、2005~2008年をピークに減少傾向であることが示されている。
 
参考文献:
Diekema DJ, Pfaller MA, Shortridge D, Zervos M, Jones RN. Twenty-Year Trends in Antimicrobial Susceptibilities Among Staphylococcus aureus From the SENTRY Antimicrobial Surveillance Program. Open Forum Infect Dis. 2019 Mar 15;6(Suppl 1):S47-S53. doi: 10.1093/ofid/ofy270. eCollection 2019 Mar. Erratum in: Open Forum Infect Dis. 2019 May 20;6(5):ofz202. Zervos, Marcos [corrected to Zervos, Marcus]. PubMed PMID: 30895214; PubMed Central PMCID: PMC6419894.

出典

厚生労働省:https://janis.mhlw.go.jp/report/kensa.html院内感染対策サーベイランス事業 公開情報 入院検体より(2024/8/4 access)を加工して作成
 
問診・診察のポイント  
  1. MRSAの一般的な危険因子を確認する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
寺田教彦 : 講演料(ファイザー(株))[2024年]
監修:倉井華子 : 特に申告事項無し[2024年]

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MRSA感染症

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