血小板減少症 :トップ    
監修: 野口善令 名古屋第二赤十字病院
尾田琢也 福岡赤十字病院

概要

所見のポイント:
  1. 血小板減少症は、血小板数が150,000/μLより低下した場合と定義される。血小板数が20,000~30,000/μLを下回った場合、特に10,000/μLを下回った場合には、誘因なくしかも致死的となる出血を来す危険がある。
  1. 血小板減少症では、出血症状の有無を確認するとともに、原因検索のためには、脾腫の有無を評価し、末梢血液塗抹標本の観察を行う。
 
パニック値・緊急時対応: >詳細情報 
  1. 粘膜出血がある場合は、より重大な出血の危険が高いため、迅速な評価を行う。
  1. 出血症状がある場合、血小板数が初めて50,000/μL以下になった場合、血小板数が150,000/μL以上であったとしても前値より50%以上の低下がある場合は、早急に再検することを推奨する。
  1. 活動性出血がある場合は、原疾患の治療を行うとともに、止血および血小板輸血が必要となる。
  1. 活動性出血がある場合、血小板数50,000/μL以上の維持を目標に血小板輸血を行う。外傷性頭蓋内出血の場合、血小板数100,000/μL以上の維持を目標に血小板輸血を行う。
  1. 活動性出血がない場合の予防的な血小板輸血を行うかどうかについては議論の分かれるところであるが、血小板数が5,000~10,000/μL以下で行われることが多い。
  1. 侵襲的処置時には、出血リスクに応じて血小板輸血を行う。
  1. 中等度から重度の血小板減少がある場合は、激しく接触する運動は制限する。
  1. 血小板減少症に血栓症状を伴う場合、細血管障害性溶血性貧血を疑う場合は、致死的血栓症イベントを予防する必要があるため、迅速な評価を行う。

専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 程度にかかわらず、再検と初期評価で血小板減少の原因が不明の場合には、血液内科に紹介する。
  1. 血液悪性腫瘍、再生不良性貧血、骨髄不全を疑う場合には、血液内科に紹介する。
 
異常値へのアプローチ:(診察: >詳細情報 )
  1. 血小板減少は、…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の評価するための検査例
  1. 血小板減少症を見たら、まず血液CBCの再検と末梢血塗抹で血小板凝集の有無を確認する。
  1. 血小板減少症に加え塗抹標本で血小板凝集があれば、偽性血小板減少症である。抗凝固薬をエデト酸(EDTA)からクエン酸かヘパリンに変えて採血すると血小板数は正常化するはずである。
○ 血小板が初めて150,000/µl以下になった場合、血小板数が150,000/μL以上であったとしても前値より50%以上の低下がある場合は、下記の検査を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

血小板減少症の管理のためのアルゴリズム
4つのTに基づくヘパリン誘発性血小板減少症の事前確率
著者校正/監修レビュー済
2018/08/23

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、参考文献を追加した。
  1. 侵襲的処置時の血小板輸閾値の安について追加した。
  1. 鑑別疾患の分類を整理し、妊娠中の血小板減少症の内容を追加、先天性血小板減少症の項目を追加した。