今日の臨床サポート

ヘパリン起因性血小板減少症

著者: 朝倉英策 金沢大学附属病院 高密度無菌治療部

監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2022/11/24
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 臨床的診断法は、4Tsスコアを使用することを推奨する(推奨度1B)。
  1. 4Tsスコアが低い場合(03点)、HITの可能性は低いと考えることを推奨する(推奨度1B。中等度以上(4点以上)ではHITの可能性があると考えることを推奨する(推奨度1B
  1. 4TsスコアでHITを疑った際、免疫学的測定法によりHIT抗体を測定することを推奨する推奨度1B
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
朝倉英策 : 特に申告事項無し[2022年]
監修:木崎昌弘 : 講演料(武田薬品工業,ヤンセンファーマ,小野薬品工業,ブリストル・マイヤーズスクイブ),研究費・助成金など(武田薬品工業),奨学(奨励)寄付など(協和キリン,旭化成ファーマ,第一三共,中外製薬,日本新薬,武田薬品工業)[2022年]

改訂のポイント:
  1. 全体的に内容の刷新を行った。

病態・疫学・診察

検索結果  
  1. ポイント:
  1. ヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia、HIT)とは、ヘパリン投与によって血小板第4因子(PF4)とヘパリンの複合体に対する抗体(HIT抗体)が産生され、血小板減少とともに血栓塞栓症を引き起こす疾患である。最も多い通常発症型HITでは、ヘパリン投与開始後「5~14日」して発症する。
  1. ヘパリン治療を受け、血小板数が前値より50%以上低下した場合に疑う。典型例では出血症状はあまり見られない。
  1. 動脈・静脈の両者の血栓が見られるが、静脈血栓症の方が多い。脳静脈血栓症や内臓静脈血栓症(門脈血栓症など)の稀な部位の血栓も見られる。
  1. 頻度:
  1. 心臓血管外科領域などでは、高率にHIT抗体が陽性になるとの報告もあるが、血小板数低下や血栓症が見られるのは、0.2〜3%くらいとされる。
  1. 低分子ヘパリンは、未分画ヘパリンと比較してHITを発症しにくいが皆無ではない。
  1. 分類:
  1. 通常発症型HIT(HIT発症例の約70%、以下同じ):ヘパリン投与後5〜14日での発症。血小板数は2万/μL以上で留まる。
  1. 急速発症型HIT(約30%):ヘパリン投与後1日以内での発症。ヘパリン再投与で発症。重症化しやすい。
  1. 遅延発症型HIT(数%):ヘパリン中止後に発症。退院後の発症もある。
  1. 持続型HIT(数%):ヘパリン中止して適切な治療を1週間以上行なっても、血小板が回復しない。
  1. 自然発生型HIT症候群(数%):ヘパリン暴露歴がなくても、手術、外傷、感染を契機に発症。近年報告が増えている。
  1. フォンダパリヌクス関連HIT(数%):フォンダパリヌクスと交叉反応を示すHIT抗体が検出される。
  1. ヘパリンフラッシュ型HIT(数%):ヘパリン投与後5〜10日での発症。血小板減少は軽度。
  1. HIT関連DIC(数%):血小板数は2万/μL未満になり、重症血栓塞栓症や出血合併症も伴う。
  1. 診断:
  1. 通常発症型HITでは、ヘパリン治療開始後の5~14日に起き、4TsスコアとHIT抗体で診断する。
  1. HIT抗体の測定には、免疫学的測定法(ラテックス凝集法、化学発光免疫測定法)と、機能的測定法(セロトニン放出試験、ヘパリン誘導血小板凝集試験、フローサイトメトリー法など)がある。ただし、機能的測定法は我が国で行える医療機関はほとんどない。
  1. 1)4Tsスコアが3点以下の場合は、ほぼHITを除外できる。
  1. 2)4Tsスコアが4点以上の場合は、HITの可能性があるために、ヘパリンの中止とともに「ヘパリン以外の抗凝固薬」(アルガトロバンなど)の投与を開始して、HIT抗体(免疫学的測定法)を測定する。なお、免疫学的測定法によるHIT抗体の感度は99%だが特異度は低いために、除外診断としての価値が高い。HIT抗体が陽性でもHITとは限らない(特に軽度の上昇例では)。HIT抗体が陰性でHITが否定されたら、ヘパリン以外の抗凝固薬を中止してヘパリンを再開する。
  1. 4Tsスコア:[1]
  1. 評価方法:
  1. 6~8点:可能性高い、4~5点:中程度の可能性、3点以下:可能性低い(4点以上をcut offとした感度99%、特異度54%)
  1. 1:血小板減少症Thrombocytopenia)
  1. 2点:血小板数が50%を超えた低下ならびに血小板最低値が2万/μL以上。
  1. 1点:血小板数の30~50%減少、もしくは最低値が1万~2万/μL未満。
  1. 0点:血小板数30%未満の減少、もしくは最低値が1万/μL未満。
  1. 2:血小板減少、血栓症、その他の続発症の発症時期Timing of platelet count fall)ヘパリン投与開始日を0日とする
  1. 2点:投与後5~10日の明確な発症、もしくは過去30日以内のヘパリン投与歴がある場合の1日以内の発症。
  1. 1点:投与後5~10日の不明確な発症(例えば血小板数測定がなされていないための不明確さ)。10日以降の血小板減少。もしくは、過去31日~100日以内のヘパリン投与歴がある場合の1日以内の発症。
  1. 0点:今回のヘパリン投与による4日以内の血小板減少。
  1. 3:血栓症や他の続発症状Thrombosis or other sequelae)
  1. 2点:確認された新たな血栓症の発症。ヘパリン投与部位の皮膚壊死。ヘパリン大量投与時の急性全身反応。
  1. 1点:血栓症の進行や再発。ヘパリン投与部位の皮膚の発赤。血栓症の疑い(まだ証明されていない)。
  1. 0点:なし
  1. 4:他の血小板減少の原因(Other cause for thrombocytopenia not evident)
  1. 2点:明らかに血小板減少の原因が他に存在しない。
  1. 1点:他に疑わしい血小板減少の原因がある。
  1. 0点:他に明確な血小板減少の原因がある。
  1. 予後:
  1. 予後に関しては、へパリン中止しただけでは30~50%に血栓塞栓症を合併し、死亡率は10~20%程度に及ぶとされ、抗トロンビン薬(アルガトロバン)もしくはXa阻害薬による抗凝固療法が必要となる(通常はアルガトロバン)。
  1. 治療:
  1. HITの治療は、まず、被疑薬となっているヘパリン類の投与を中止するとともに、抗トロンビン薬(アルガトロバン)による治療を開始することである。その後、血小板数が少なくとも10~15万/μL以上まで回復するまで待つ。
  1. 最近、直接経口抗凝固薬(DOAC)の初期治療からの有効性も報告されているが、日本ではHITへの保険適応はない。ただし、静脈血栓塞栓症や心房細動を発症していれば、使用可能である。
  1. 急性期HITには、ワルファリンを投与してはいけない(血栓症や壊疽をきたすことがある)。
  1. 血小板回復後のDOAC:DOAC はワルファリンに対して、非劣性が示されている。出血の副作用もDOACの方が少ないことが期待されている。なお、アルガトロバン からDOACに切り替える場合は、アルガトロバン投与終了後、速やかにDOAC経口投与を開始する。
  1. 血小板回復後のワルファリン:ワルファリンをアルガトロバンと併用し、ワルファリンが治療域に達した時点でワルファリン単独療法への切り替えを行うが少なくとも5日間は併用する。PT-INRが2.5以上になればアルガトロバンを中止する。
  1. 経口抗凝固薬は特定の治療期間を決めず、臨床経過を見ながら3ヶ月程度を目安とする。

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