膜性腎症 :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
岡田浩一 埼玉医科大学 腎臓内科

概要

疾患のポイント:
  1. 特発性膜性腎症とは、臨床的には、中高年で発症するネフローゼ症候群の中で、最も頻度が高い原疾患である。病理的には、糸球体上皮細胞の足突起下の標的抗原に対する抗体が免疫複合体を形成することにより、上皮細胞の機能障害を起こし、蛋白尿を発症させる疾患である。膜性腎症の約8割はネフローゼ症候群を呈し、残りの2割は非ネフローゼレベルの蛋白尿(3.5g/日または3.5g/gCr未満)を来す。近年、原因抗原としてM-type phospholipase A2 receptor (PLA2R)が発見され日本人発症例の約半数で同抗原への抗体が認められている。
  1. 特発性膜性腎症を含む一次性ネフローゼ症候群は、指定難病であり、一定の重症度基準を満たした場合などでは、申請し認定されると、保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年7月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報 
  1. 臨床的特徴としては、微小変化型ネフローゼと比較して緩徐発症である。
  1. 膜性腎症の約8割はネフローゼ症候群を呈し、残りの2割は蛋白尿を来す。したがって、診断の流れは、蛋白尿を認める患者において、まずネフローゼ症候群かどうかの評価が行われ、次いで蛋白尿・ネフローゼ症候群を来す疾患の原因の評価を行い、腎生検の結果などをもとに他の疾患と鑑別をすることで、膜性腎症の診断となる。血清中の抗PLA2R抗体価の上昇も参考になる(保険適用外)。
  1. 確定診断は腎生検の組織所見により特徴的な所見を認めることによりなされる。
  1. 光学顕微鏡検査では、糸球体基底膜のびまん性肥厚を示す。PAM染色では、特徴的な上皮下の免疫複合体の沈着により、基底膜がスパイク状もしくは櫛歯状に観察される。
  1. 膜性腎症:光学顕微鏡所見(x400、silver methenamine染色):<図表>
  1. 蛍光抗体法所見では、糸球体毛細血管壁に沿って、IgG陽性(特にIgG4が強陽性)の免役複合体が数珠状に連なる。
  1. 膜性腎症:蛍光抗体法所見(x400、抗IgG抗体):<図表>
  1. 電子顕微…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

重症度を判定し、確定診断に重要な検査
  1. 低アルブミン血症の程度と浮腫、有効循環血漿量を評価してネフローゼ症候群の重症度を判定する。
  1. ネフローゼ症候群の原因検索を行い、腎生検にて確定する。
○ ネフローゼ症候群としての重症度の判定のために1、2)を行い、また原因検索として3)~5)を行う。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

ネフローゼ型膜性腎症の治療アルゴリズム
非ネフローゼ型膜性腎症の治療アルゴリズム
免疫療法前のB型肝炎のスクリーニングの方法と治療方法
成人ネフローゼ症候群の診断基準
膜性腎症 光学顕微鏡所見 (x400、silver methenamine染色)
膜性腎症 蛍光抗体法所見(x400、抗IgG抗体)
膜性腎症 電子顕微鏡所見(x18,000)
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26


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