今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 丸山彰一 名古屋大学腎臓内科

監修: 岡田浩一 埼玉医科大学 腎臓内科

著者校正/監修レビュー済:2025/02/26
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、難治例に対する治療について追記、典型例と難渋例2つの症例を報告した。

概要・推奨   

  1. 微小変化型ネフローゼ症候群に対する経口ステロイド薬は、初回治療において尿蛋白減少に有効であり推奨する(推奨度1)
  1. ステロイド抵抗性の成人巣状分節性糸球体硬化症に対するステロイドへのシクロスポリンの追加併用は、尿蛋白減少および腎機能低下抑制に有効であり提案する(推奨度2)
  1. 膜性腎症に対するステロイドとシクロホスファミドもしくはミゾリビンの併用は、尿蛋白減少・腎機能低下抑制に有効であり提案する。またステロイドとシクロスポリンの併用を考慮してもよい(推奨度2)

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. ネフローゼ症候群とは、腎糸球体係蹄の障害により蛋白透過性が亢進した結果生じる、大量の蛋白尿と低アルブミン血症を特徴とする症候群で、腎機能障害(急性腎障害を含む)のほか、浮腫、脂質異常症、凝固異常、免疫異常などを認める。免疫抑制治療に伴う感染症も臨床的に問題となる。
  1. 治療法は原因によって異なる。小児では微小変化型が多数を占めるが、成人では一次性、二次性を含め、多くの原因がある。
 
  1. 関連するリンク:
  1. 膜性腎症
  1. 微小変化型ネフローゼ症候群
  1. 巣状分節性糸球体硬化症
  1. IgA腎症
  1. 急速進行性糸球体腎炎
問診・診察  
  1. 問診では、過去の検尿の結果と浮腫の発症様式を確認する。蛋白尿や浮腫の出現が慢性の経過の場合は膜性腎症などを、急性の経過の場合は微小変化型ネフローゼ症候群を疑う。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
丸山彰一 : 講演料(アストラゼネカ(株),小野薬品工業(株),アレクシオンファーマ合同会社,協和キリン(株),鳥居薬品(株)),研究費・助成金など(田辺三菱製薬(株),ロート製薬(株)),奨学(奨励)寄付など(大塚製薬(株)),企業などが提供する寄付講座(バクスター(株))[2024年]
監修:岡田浩一 : 講演料(アステラス製薬(株),アストラゼネカ(株),小野薬品工業(株),田辺三菱製薬(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株),協和キリン(株)),研究費・助成金など(中外製薬(株),協和キリン(株))[2024年]

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ネフローゼ症候群

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