今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 今井圓裕 中山寺いまいクリニック

監修: 岡田浩一 埼玉医科大学 腎臓内科

著者校正/監修レビュー済:2025/03/26
参考ガイドライン:
  1. 日本腎臓学会:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023
  1. IPNAIPNA clinical practice recommendations for the diagnosis and management of children with steroid-resistant nephrotic syndrome
  1. Kidney Disease:Improving Global Outcomes (KDIGO): KDIGO 2021 Clinical Practice Guideline for the Management of Glomerular Diseases
  1. 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)難治性腎障害に関する調査研究班:エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン 2020
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023』の発行に伴うレビューを行った。
  1. 内容的には『エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2020』と同じである。
  1. 小児のMCNSにおける処方例を追記した。
  1. 頻回再発型あるいはステロイド依存性MCNSにおける治療薬を追記した。

概要・推奨   

  1. 初期治療として高用量のステロイドを経口投与することを推奨する(推奨度1)
  1. ステロイドの連日投与と隔日投与では、反応性に差はなかった。投与はいずれの方法でもよい(推奨度3)
  1. 初回再発の患者に、プレドニゾロンにシクロスポリンを併用することによって、プレドニゾロン単独よりも早く寛解導入ができる。したがって、ステロイドを用いて反応が得られない患者では、追加で免疫抑制薬を投与することが勧められる(推奨度2)
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病態、疫学、診察 

疾患情報(疫学・病態)  
疾患のポイント:
  1. 微小変化型ネフローゼ症候群(minimal change nephrotic syndrome:MCNS)とは、光学顕微鏡で正常もしくは軽微なメサンギウムの変化を伴うネフローゼ症候群である。
  1. 成人の一次性ネフローゼ症候群の約40%を占める。
  1. MCNSにおいて、蛋白尿が多い活動期に、血清中に自己抗体である抗ネフリン抗体が29~44%に陽性である。抗ネフリン抗体がネフリンに結合して、ネフリンの形態を変え、蛋白尿を発症すると考えられている[1][2]
  1. 10歳以下の子どものネフローゼ症候群のうち約90%を占める。非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)に関連するものや、傍腫瘍症候群、特にホジキン病に伴って起こることがある(ネフローゼ症候群の診断基準: >詳細情報 )。
  1. 特徴は、比較的急激な発症、小児~青年期に頻度が高い、ステロイド薬が著効することである。
  1. 腎前性の急性腎障害を合併することがある。
  1. 慢性腎不全に至ることは少ないが、急性腎障害が遷延した場合には腎機能障害を残すこともある。
  1. MCNSを含む、一次性ネフローゼ症候群は、指定難病であり、その一部は申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。(平成27年7月施行
  1. 難病法に基づく医療費助成制度
問診・診察のポイント  
  1. 急激な発症であることを確認する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
今井圓裕 : 講演料(アストラゼネカ(株))[2024年]
監修:岡田浩一 : 講演料(アステラス製薬(株),アストラゼネカ(株),小野薬品工業(株),田辺三菱製薬(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株),協和キリン(株)),研究費・助成金など(中外製薬(株),協和キリン(株))[2024年]

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微小変化型ネフローゼ症候群

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