喉頭蓋炎 :トップ    
監修: 山本舜悟 京都大学医学部附属病院 臨床研究教育・研修部
上山伸也 倉敷中央病院 感染症科/感染制御室

概要

疾患のポイント:
  1. 喉頭蓋炎とは、“喉頭蓋とその周辺組織(被裂軟骨、被裂喉頭蓋ヒダ)の蜂窩織炎”で、細菌感染により炎症を起こした状態である。急性喉頭蓋炎症は急速に炎症が進展して気道閉塞に至ることがあり、かつ通常の咽頭診察における所見に乏しいため注意が必要である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 微生物診断としては、血液培養が決め手となることが多い。起炎菌としてはHaemophilus influenzae type bが最多である。
  1. 急性発症で“3Ds”といわれるdysphagia(嚥下困難)、drooling(流涎)、distress(呼吸困難)が古典的3徴候であり、ほかに、飴玉を口に含んでいるような“ふくみ声(muffled voice、hot potato voiceともいわれる)”、tripod posture(前に寄りかかるような姿勢)、吸気性喘鳴が認められれば疾患を想起する。クループのような犬吠様咳嗽や嗄声は通常認めない。
  1. 喉頭蓋炎を疑った場合、小児では咽頭部の診察は児に不安を与え、呼吸器症状を悪化させることがあるので、決して行ってはならない。咽頭部の診察は気道閉塞に備えてdouble setup(通常の気道確保+外科的気道確保の準備)の体制を整えてから、手術室や集中治療室などで診察を行うべきである。成人では咽頭部の診察によって呼吸器症状を悪化させたという報告はないため、咽頭部の診察は積極的に行ってよい。
  1. 喉頭ファイバーなどで腫脹した喉頭蓋を観察することで確定診断となる。頚部軟部X線写真で特徴的な“thumb sign”を認めれば、診断は可能だが、感度38%、特異度78%と診断ツールとしては不十分である。
  1. 血液培養の陽性率は決して高くはないが、微生物診断の決め手となることが多いため、全例で血液培養を施行することが推奨される。 エビデンス 
  1. 喉頭ファイバーによる急性喉頭蓋炎の所見:<図表>
  1. 急性喉頭蓋炎の頚部軟部X線写真所見:<図表>
 
治療: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断を行うための検査例
  1. 診断を行うための決め手の検査である。
○ 1)は起因菌同定のため 2)は本疾患診断のために重要である。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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喉頭ファイバーによる急性喉頭蓋炎の所見
急性喉頭蓋炎の頚部軟部X線写真所見
著者校正/監修レビュー済
2016/04/22